東日本急行株式会社(以下、東日本急行)が運行する「高速乗合バス(仙台-一ノ関線)」を利用し、JR一ノ関駅からJR仙台駅へ移動する機会がありました。
この記事では実際に乗って確認した東日本急行「高速乗合バス(一ノ関駅前→仙台駅前)」の運行内容や利用方法を紹介します。
なお当記事に記載する内容は2020年3月1日(日)時点での最新情報です。
また逆区間、すなわち「仙台駅前→一ノ関駅前」方向のバス情報は別の記事でまとめています。以下からチェックしてみてください。
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記事の目次
運行情報
東日本急行「高速乗合バス」とは
東日本急行(拠点:宮城県仙台市)の「高速乗合バス」は、仙台と宮城県北エリア、および仙台と岩手県内エリアを結ぶ高速バスです。
2020年3月現在では以下7路線が運行されています。
- 宮城-岩手エリア
- 仙台-盛岡(もりおか)線
- 仙台-一ノ関(いちのせき)線
- 仙台駅(旧さくら野)-平泉(ひらいずみ)線
- 宮城エリア
- 仙台-登米市役所前(とめしやくしょまえ)線
- 仙台-一迫総合支所前(いちはざまそうごうししょまえ)線
- 仙台-栗原市金成庁舎前(くりはらしかんなりちょうしゃまえ)線
- 仙台-とよま総合支所(とよまそうごうししょ)線
なお以降、この記事で紹介するのは仙台市(宮城県)と一関市(岩手県)の区間を走る「仙台-一ノ関線」についての情報です。
運行本数と所要時間
東日本急行「高速乗合バス(仙台-一ノ関線)」の1日あたりの運行本数(便数)は「一ノ関駅発(仙台駅行)」および「仙台駅発(一ノ関駅行)」がそれぞれ20本ずつ。計40便です。
片道あたりの走行時間(移動の所要時間)は一ノ関駅-仙台駅の区間を乗車した場合で約1時間30分。道路の混雑状況、必要に応じて1箇所利用できるトイレ休憩(※詳細は後述)の有無で前後する可能性があります。
バスの運行間隔は30分または1時間おき。始発便は一ノ関駅を6時30分発、終発便は一ノ関駅を19時00分発(※2020年3月1日時点)です。
バスの時刻表(詳細情報)については、東日本急行の公式サイトでご確認ください。
利用できる停留所
「一ノ関駅発(仙台駅行)」便が停車するバス停は次のとおり。
- バスのりば(乗車専用)
- 一ノ関駅
- 新大町角
- 一関合同庁舎前
- イオン一関前
- バスおりば(降車専用)
- 広瀬通り一番町
- 仙台駅(旧さくらの百貨店前)
なお土日祝日に限り、20便中1便で仙台側の停留所(バスおりば)に「仙台うみの杜水族館」「三井アウトレットパーク仙台港」が追加されます。詳細(対象は何時の便か?)についても東日本急行の公式サイトで確認いただけます。
運賃と支払い方法
東日本急行「高速乗合バス(仙台-一ノ関線)」の片道あたりの運賃は大人1,600円、小人800円。土日祝日に「うみの杜水族館・三井アウトレットパーク仙台港」区間も乗車する場合のみ、大人はプラス200円(=1,800円)、小人はプラス100円(=900円)となります。
バス車内では1枚あたり150円の割引が受けられる2枚綴り(つづり)2,900円の「2回券(往復券)」、1枚あたり220円の割引が受けられる5枚綴り6,900円の「5回券」も販売されています。
運賃は後払い方式。支払い方法は現金または事前購入の回数券のみ。クレジットカード払いやQRコード決済は利用できないため注意が必要です。
現金と回数券とも、降車時に運賃箱へ投入(運賃箱のない車両の場合は運転手へ手渡し)します。
また領収書が必要な場合は、運転手に口頭で伝えれば手書きのものを発行してもらえます。
利用に際して予約は不要です。車内はすべて自由席なので、乗車時に空いている好きな席に座れます。逆にいえば、万が一席に空きがない場合は次のバスを待つ(あるいは他の交通機関を利用する)ことになる、という点も理解しておきましょう。
乗車・降車場所(バスのりば・おりば)
「一ノ関駅発(仙台駅行)」便が経由するバスのりば・バスおりばを実際に写真で撮影しました。場所探しの参考にどうぞ。
一ノ関駅
▼一ノ関駅の西口を出て左手に見える“屋根付きのバス停”が目印
▼東日本急行専用のバス停になっている
新大町角
▼JR一ノ関駅から約200m離れた場所(写真奥が一ノ関駅)
合同庁舎前
▼岩手県交通のバス停留所「竹山」と同じ場所
イオン一関前
▼岩手県交通のバス停留所「岩手病院前」と同じ場所。「ローソン 一関インター店」の横
広瀬通一番町
▼仙台フォーラスから広瀬通りを挟んで向こう側。「ディズニーストア 仙台東映プラザ店」のそば
仙台駅
▼仙台駅西口のバス停(35番・降車専用)で停まる
▼旧さくら野百貨店の前。バス停が並ぶうち、もっとも仙台駅に近い位置
トイレ休憩
一ノ関駅から仙台駅までの区間中、高速道路のPA(パーキングエリア)で最大1回のトイレ休憩が利用できます。
休憩ポイントは一ノ関駅と仙台駅の中間地点前後。ぼくが乗車した際の「一ノ関駅発(仙台駅行)」便では、三本木PA(さんぼんぎパーキングエリア)で5分ほど停車しました。
▼三本木PA。SAではないため、設備はお手洗いと飲料の自動販売機のみ
トイレ休憩については、出発から30~40分経過したタイミングで「トイレ休憩が必要な方はブザーでお知らせください」の車内アナウンスがあります。休憩が必要な場合は遠慮せずにブザーを押して伝えましょう。
なお乗客が誰もブザーを押さない(=トイレ休憩の意思表示がない)場合はPAを通過。そのまま終点(仙台駅)まで走行していきます。
バスの外観・内観
実際に乗車したバス(車両)の外観・内観写真を載せておきます。なお使われている車両には年式の古いものから新しいものまで、複数種類が混在していることを確認済みです。以下の写真はあくまで参考情報として閲覧ください。
▼外観は一般的な観光バス(大型車両)
▼席数は45席(4席×11列+1席)。トイレなし
▼足元スペースはゆったりめ
▼179cmの筆者でも余裕をもって座れる
▼後方席は窓が大きく眺めもよかった
▼頭上には空調設備、読書灯、停車ボタン(停車ブザー)
▼終点以外で降車する場合は車内アナウンスを聞きブザーを鳴らす
▼別の車両(おそらく最新型式?)の内装
▼スマホや携帯電話を充電できるUSB端子が設けてある場合も
▼また別の車両(旧型式)の内装。車内モニターの奥行きに時代を感じる
実際に利用してみて
当日の状況(利用の流れ)
今回は12月下旬の平日(火曜日)、一ノ関駅を夕方17時30分に出発する便を利用。
一ノ関駅前にバスが入ってきたのは出発時刻の5分前。運賃は後払いのため、乗車時の手続きはなし。車内の空いている席に座ります。
その後に停まる新大町角、合同庁舎前、イオン一関前から乗った人を合わせ、この日の乗客は5名ほど。聞いた話では「通勤で使う会社員も多い」らしいため、通常時の平日早朝・夕方以降だともっと混み合うことが想定されます。
バスは定刻どおりに出発。途中の三本木PAで5分ほどのトイレ休憩をはさみ、仙台駅には19時10分(定刻より10分遅く)に到着しました。
車内は温度管理(空調管理)が行き届き、また走行による揺れも気になるものではなし。乗車時間が1時間半前後と長すぎないことも含め、終始ストレスを感じず利用できました。
利用後の感想
東日本急行「高速乗合バス(仙台-一ノ関線)」を使ってみて感じたのは「移動時間」と「運賃」のバランスがよい交通手段としてオススメできるということ。
一ノ関駅-仙台駅間の移動に使える公共交通機関には、高速バスのほか、JR新幹線(東北新幹線)やJR在来線(JR東北本線)があります。それぞれの特徴を書き出してみたのが以下です。
- 高速バス
- 所要時間は約1時間30分【速さ2位】
- 運賃は片道1,600円【安さ1位】
- 回数券の活用で運賃割引あり
- 運賃支払いは現金のみ
- 新幹線
- 所要時間は約40分【速さ1位】
- 運賃は片道3,560円【安さ3位】
- 所要時間は他交通手段の2分の1
- 運賃は他交通手段の2倍以上
- 在来線(電車)
- 所要時間は約1時間40分【速さ3位】
- 運賃は片道1,694円(ICカード運賃)/1,690円(きっぷ運賃)【安さ2位】
- 「一ノ関駅」「仙台駅」とも改札機はICカード対応済み
比べてみると高速バスは「片道運賃が3手段の中で最安」かつ「所要時間は3手段の中で2番目」という内容。
「移動時間の短さ優先」なら新幹線。運賃をICカードで決済したいなら在来線。それ以外の場合は基本的に高速バス利用を第一優先として考えてみるのがよいのではと思います。