TCLコミュニケーション・Alcatel Onetouchブランドから発売されているAndroid OS搭載の10インチクラスタブレット端末 Alcatel Onetouch Pop10 を入手したので、開封の儀、外観レビュー、初期状態での中身の確認、ファーストインプレッションをお届けします。
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記事の目次
技術仕様
はじめに Alcatel Onetouch Pop10 の技術仕様を整理・確認しておきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 高さ 244.0 ✕ 幅 146.5 ✕ 厚さ 7.9 mm |
重量 | 380 g |
OS | Android 5.0 Lollipop |
CPU | Qualcomm Snapdragon 410 64bit 1.2GHz Quad-Core |
メモリ | RAM 1GB / ROM 8GB |
バッテリー | 4,600mAh |
ディスプレイ | 9.6インチ WXGA(1,280×800)IPSディスプレイ |
カメラ | リアカメラ:500万画素 フロントカメラ:200万画素 |
通信方式 |
FDD-LTE:Band 1/3/7/8/20 Wi-fi:802.11 b/g/n(2.4GHz/5GHz) |
その他 | SIMカード:micro SIM SDカード:microSDカード(最大32GBまで) |
製品名にもあるとおり、本端末は10インチクラスのタブレットとして展開されていますが、ディスプレイの正式なサイズは9.6インチ。解像度はWXGA(1,280×800)と最近のハイエンドスマートフォンと比較してもかなり低めになっています。
CPUにはQualcomm Snapdragon 410 64bit 1.2GHz Quad-Coreを搭載。RAM1GB、ROM8GB(microSDカードで最大32GBまで拡張可)、リアカメラの有効画素数が500万画素、フロントカメラが200万画素となっている点も含めると、全体的なスペックは現行のローエンド〜ミッドレンジモデルのポジションになります。サイズこそ異なるものの、ちょうど3年前のモデルとなるNexus 7(2012)と同程度の仕様です。
その他、SIMカードを差しての単独通信(モバイル通信)が可能。対応周波数はLTEでBand1/3/8、3Gで900/2100MHzとなっており、日本国内においてはNTTドコモ、ソフトバンクといった通信事業者の回線で利用することが可能と思われます。
なお同端末には専用アクセサリーとなるAlcatel Onetouch純正のBluetoothキーボードドックが同梱されており、性能の大きな差こそありますが、SONYのXpeira Z4 Tabletと同じような使い方をすることが可能です。
このAlcatel Onetouch Pop10は現在、イギリスのガジェットショップCloveでBlackモデルのみVAT抜きでGBP149.99(約29,300円)の特別価格で販売されています。今回はこの安さ、および実際にどの程度使えるのか?といった点に興味を抱き、購入に至りました。
開封&同梱物チェック
パッケージはスリーブ式のカバーの中に、タブレット本体とキーボードドックが別の箱に入れられ、重ねられた状態で収納されています。
横から見るとこのような感じ。上の大きい箱がタブレット本体になります。
今回購入したのはBlackモデルですが、パッケージに描かれているのはすべてWhiteデザインになっています。
モデル番号は P360X 。対応している周波数も記載されています。
こちらはタブレット側の箱に入っていた同梱物。タブレット本体の他、USBケーブル、充電アダプター、マニュアル類。
キーボード側の箱にはキーボードドックのみが入っています。キーボードドックのマニュアルはタブレット側の箱に一緒に入っていました。
外観
こちらがAlcatel Onetouch Pop10。
ぱっと見でディスプレイ上部に確認できるのはフロントカメラのみ。
またディスプレイ下部には何もありません。ベゼルは上下左右とも、しっかりとした幅が設けられています。
周囲をぐるりと。上面にはイヤフォンジャックとIR LED(赤外線)ポート。
右の側面には電源キーとボリュームキー。
下面にはMicroUSBコネクタ。
左面には特に何も配置されていません。フレームも含め、本体はプラスチック製となっており、質感は価格相応といった印象を受けます。
続いて背面。背面カバーは取り外し不可で、当然ながらバッテリーの脱着もできません。
左上に500万画素のリアカメラ、また右端にはSIMカード/microSDカードスロットがあります。
SIMカード/microSDカードスロットともにカードを直接差し込みタイプ(SIMトレイなし)。またSIMアダプターを装着した状態で差し込むのはかなり危険そうなつくりになっています。
(縦位置が)真ん中の右側付近には、キーボードドックと接続する際に利用する端子。
またスピーカーは背面左側にポツリとひとつ設けられているだけ。タブレットの主用途のひとつといえそうなメディアプレイヤーとしての使い道はそこまで大きく意識されていないのでしょう。
背面はマットな質感になっており、使い込むうちに指紋や皮脂汚れは目立ちやすく(そして拭き取りにくく)なってきそうです。キレイに使うのであれば、定期的に掃除したほうがよさそうです。
またリアカメラは1〜2mm程度飛び出ています。タブレット単体で机の上などに置きながら操作することにも向いてはいないかもしれません。
続いてキーボードドック。キー配列はQWERTY配列です。イギリスで販売されているモデルなので、キーに刻印されている文字は英数字+記号とかなりシンプルになっています。このあたりは非常によい印象。
またキー下にはトラックパッドも配備。タップやスワイプ、ダブルクリックといった1本の指での基本的な操作に加え、2本の指を用いてのページ送りや画面切り替えにも対応しています。
その他、戻る や ホーム、アプリ起動履歴ボタンなども配置。Ctrl+X(切り取り)、Ctrl+C(コピー)、Ctrl+V(貼り付け)といったパソコン操作で一般的なショートカットキーも利用可能。
キーストロークはこういった簡易キーボードにしては深さがある方です。
なおタブレット本体を装着しない状態では平らですが・・・
タブレットを装着するためのフレームを持ち上げると、キーボードが打ちやすいよう、角度がつく設計となっています。
タブレットを実際に装着してみたところ。遠目からだとパソコンと思われてもおかしくない程度に、全体としてしっかりまとまったデザインになっています。
横から見るとこのような感じに。
またタブレットを装着した状態で折りたたみ、ノートパソコンと同じように持ち運ぶことも可能。
タブレットとキーボードの脱着部は端子+マグネットで固定されているため、簡単に外れてしまうことはありません。
初期状態での端末の中身
続いて初期状態での端末の中身を見ていきます。
言語ロケール
初期状態ではシステム言語として日本を選択することができません。そのため、日本語表示で利用する場合はMorelocale2などを利用して日本語ロケールを追加してあげる必要があります。なお確認した限り、日本語ロケールを追加しても、完全に日本語表記にすることはできません。
ホーム画面
初期状態でのホーム画面のページ数は3ページ。各ページとも配置されているアプリアイコンの数は比較的少なくすっきりしています。なおドック上のアイコンでお気づきの方もいると思いますが、このAlcatel Onetouch Pop10は10インチクラスのタブレット端末でありながら、通話機能付きとなっています。
通知エリアと各機能のトグルスイッチ。こちらは素のAndroidにかなり近いデザインになっています。
プリインストールアプリ
アプリドロワーに表示されているプリインストールアプリは67個。ゲームなども結構多めに入っています。
設定画面
設定画面も特に独自の項目はなく、純正のAndroid OSそのままといった内容。
メモリ(RAM/ROM)の空き容量
メモリ(RAM/ROM)の空き容量も見ていきます。ちなみに Alcatel Onetouch Pop10はRAM容量が1GB、ROM容量が8GBです。
まずRAM容量ですが、こちらは1GBの容量に対して空きが0.53GBほど。
全体の容量が少ないですが、その割に空き容量は多いです。
次にROM。こちらは8GBのうちシステム側で3.5GBが使われており、ユーザーが利用できるのは4.5GB。そして空きはそのうちの3.3GBとなっていました。
システム容量もある程度確保されており、その上でそれ以外はmicroSDカードで増設可能なので、こちらも(性能から見た用途を考えれば)問題ない空き容量といえそうです。
ソフトウェアバージョン
OSバージョンは Android 5.0.2 Lollipop。初期設定後から現時点までにおいて、ソフトウェアのアップデートは特に降ってきていません。
アプリアンインストール後のメモリ空き状況
プリインストールアプリのうち、どの程度が削除(アンインストール)できるのか確認してみたところ、19個ほど削除することができました。結構消せるものは多いです。
ただし削除できるアプリの中にはもともと常駐系のものはないのか、RAMの空き容量はほぼ変わらず。
ROMのほうも20MBしか空き容量は増えませんでした。
ベンチマークスコア
最後にベンチマークスコアの測定。AnTuTu Benchmark、Geekbench 3、3DMarks(Ice Storm Unlimited)の3つのアプリを用いて、それぞれ5回ずつ測定しています。
AnTuTu Benchmark
AnTuTu Benchmarkでの測定結果。CPUに搭載されているSnapdragon 410は64bitの演算処理に対応しているはずなのですが、AnTuTu Benchmarkではなぜか64bitモードが起動せず。ですので今回は32bitモードで測定した結果となります。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
UX | マルチタスク | 3,412 | 3,412 | 3,411 | 3,391 | 3,425 | 3,410 |
Dalvik | 2,477 | 2,435 | 2,470 | 2,497 | 2,468 | 2,469 | |
CPU | 整数演算 | 1,837 | 1,841 | 1,840 | 1,843 | 1,841 | 1,840 |
浮動小数点演算 | 1,964 | 1,955 | 1,959 | 1,954 | 1,952 | 1,956 | |
Single-thread integer | 1,244 | 1,237 | 1,247 | 1,244 | 1,244 | 1,243 | |
Singe-thread float-point | 1,194 | 1,195 | 1,195 | 1,190 | 1,191 | 1,193 | |
RAM | RAM演算能力 | 1,557 | 1,556 | 1,556 | 1,545 | 1,558 | 1,554 |
RAM速度 | 1,770 | 1,589 | 1,645 | 1,612 | 1,711 | 1,665 | |
GPU | 2Dグラフィックス | 1,005 | 1,018 | 1,002 | 1,021 | 1,055 | 1,020 |
3Dグラフィックス | 3,452 | 3,433 | 3,343 | 3,261 | 3,414 | 3,380 | |
IO | ストレージのI/O | 1,005 | 1,002 | 1,002 | 1,015 | 1,033 | 1,020 |
データベースのI/O | 665 | 665 | 665 | 655 | 660 | 662 | |
TOTALスコア | 21,642 | 21,338 | 21,335 | 21,228 | 21,552 | 21,419 |
5回測定してのTOTALスコア平均は21,419となりました。数値的には現行のハイエンドモデルの約2分の1ほどで、Nexus 4など2〜3世代ほど前のモデルと同程度の結果です。
Geekbench 3
続いて Geekbench 3での測定結果。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Single-Core Score | Total | 470 | 472 | 474 | 473 | 475 | 472 |
Integer | 556 | 555 | 558 | 558 | 558 | 557 | |
Floating Point | 381 | 382 | 386 | 385 | 382 | 383 | |
Memory | 476 | 490 | 483 | 481 | 495 | 485 | |
Multi-Core Score | Total | 1,481 | 1,443 | 1,478 | 1,476 | 1,470 | 1,469 |
Integer | 2,034 | 1,948 | 2,033 | 2,035 | 2,024 | 2,014 | |
Floating Point | 1,356 | 1,353 | 1,349 | 1,343 | 1,342 | 1,348 | |
Memory | 628 | 615 | 626 | 627 | 621 | 623 |
Single-Coreでの平均スコアが472、Multi-Coreでの平均スコアが1,469となりました。こちらもNexus 4で496と1,565、Galaxy S3で426と1,254となっており、2〜3世代前のモデルと同程度の結果です。
3DMarks
最後は3DMarksでの測定結果。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
Score | 4,358 | 4,340 | 4,333 | 4,331 | 4,330 | 4,338 |
Graphics Score | 3,768 | 3,774 | 3,775 | 3,767 | 3,771 | 3,771 |
Phiysics Score | 9,213 | 9,143 | 8,975 | 9,104 | 9,007 | 9,088 |
Graphics Test 1 (FPS) |
21.2 | 21.2 | 21.2 | 21.1 | 21.1 | 21.1 |
Graphics Test 2 (FPS) |
13.5 | 13.4 | 13.4 | 13.4 | 13.4 | 13.4 |
Physics Test (FPS) |
29.2 | 29.0 | 28.5 | 28.9 | 28.6 | 28.8 |
5回測定しての平均は4,338。現在のハイエンドモデルが20,000を超えてくることからも、グラフィック描写に関してはかなり性能が低いことが分かります。
基本的なスペック(CPUやRAM)やデザイン(スピーカーの配置)、ベンチマークスコアの結果などからも、このAlcatel Onetouch Pop10に関してはメディアプレイヤー的な用途ではなく、文字入力やブラウジングといった負担の軽い用途を強く意識して設計されていることが再認識できます。
実際に触ってみて感じたこと
端末の質感に関しては前述のとおり 値段相応 という印象。ディスプレイや背面カバーを触っていてもプラスチック独特の 安い硬さ が感じられます。ただしその分本体は軽くはなっており、サイズこそ小さいですがXperia Z4 Tabletよりも若干軽くなっています。
タブレット端末としての使い勝手については、やはり画面が大きいぶん表示の粗さは目立ちます。ただしこちらについては事前に想定していたほど酷さはなく、ブラウジングなどの簡易な用途であれば使っていてもそこまで気になるレベルではなさそうです。ただし写真の表示や電子書籍での読書となってくると、やや厳しくなってくるかもしれません。このあたりは今後確認していきます。
最後にキーボードを取り付けての文字入力ですが、こちらは専用に作られたアクセサリーだけありかなり快適に使用することが可能です。キーピッチが狭いので慣れるまでやや時間は必要かもしれませんが、タブレットを装着した際にキーボードに角度が付く点などはよく考えられた構造になっているといえるでしょう。キーボードを合わせても800gに満たない重量となるため、外出先でちょっとしたメモを取る程度であれば携帯性も含めて十分活用することができそうです。
最後に
価格の安さに何より興味を惹かれて購入してみた Alcatel Onetouch Pop10ですが、文字入力をメインとした用途であれば(価格も含めて)それなりに満足ができる製品といえそうです。ただし国内ではWindowsを搭載(Officeに対応)した安いタブレット+キーボードのセット品が30,000円前後で購入できたりもするため、日本からあえてこの Alcatel Onetouch Pop10 を輸入購入するメリットはないかもしれません。
現在はビザビにお願いして画面の保護フィルムを作成してもらっているところですので、手元に端末が戻ってき次第、もう少し色々と触りながら使い勝手を確認していくことにします。
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