宮城の空の玄関口「仙台国際空港」。2016年7月1日(金)には完全な民営化(国管理の空港としては国内初)へと切り替わり、その後は空港1階・到着フロアのリニューアル工事が進められてきました。
そして2017年4月20日(木)、リニューアルされた到着フロアの一部がとうとうオープン。ちょうど先日仙台国際空港(以下、仙台空港)を訪れる機会があったのでさっそく散策することに。
この記事ではリニューアルオープンした仙台空港1階・到着フロアの様子を紹介します。電源席有りでフライト待ちにも使いやすい「みちのくラウンジ by PRONTO」など、個人的にもうれしい施設ができていましたよ。
記事の目次
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これまでの到着ロビーフロア
仙台空港内には飲食店やおみやげ店なども複数入っているものの、そのほとんどが入っていたのは、空港から県外に出発する人が利用する2階・出発フロア。
一方で県外から到着する人が利用する1階・到着ロビーは……といえば、テナントは飲食店が1つ、コンビニが1つの計2店舗のみ。他にインフォーメーション(総合案内)とレンタカー・宅配便の受付窓口はあったものの、かなりスッキリとした内容でした。
▼リニューアル前は1階で唯一の飲食店だった「冠舌屋(かんたんや)」
▼リニューアルオープン後も空港内唯一のコンビニである「デイリーヤマザキ」
宮城に住んでいる人(=飛行機で仙台空港に着いた後は自宅に帰るだけの人)であれば、到着フロアにてお店に立ち寄る必要性は低いかもしれませんが、県外から遊びに来た方の目には「かなりシンプル」と映っていたかもしれませんね。
新規オープンしたのは3施設
今回のリニューアルオープンに伴い、到着フロアへ新たに設置された施設は3つ。
- ランナーズポート
- みちのく観光案内
- みちのくラウンジ by PRONTO
ここからはそれぞれを個別に紹介していきます。
ランナーズポート
「ランナーズポート」は更衣室、シャワールーム、ロッカー、大型の荷物置き場を備えたリフレッシュ施設です。
空港を利用する旅行者はもちろんですが、どちらかといえば周辺地域に済む“ランナー”の利用を強く意識した内容です。
▼ランナーズポートは1階の最西端、レンタカーや宅配便窓口のさらに奥にある
▼ランナーズポートのエントランス
営業時間は07時00分~21時00分(最終受付は20時30分)。
ちなみに利用は有料で、1回につき800円(税込)がかかります。また他の有料サービスとして、シャワー利用時に使用するバスタオル・フェイスタオルのレンタルもそれぞれ100円(税込)で行なっています。
ランナーズポートの利用受付はエントランスの奥……ではなく、同じ1階フロアに設置されたインフォメーション(総合案内)となっています。ここは要注意ですね。
▼インフォメーション(総合案内)はレンタカー・宅配便窓口の手前に移設された
追記:2017年6月9日
ランナーズポートを実際に利用して、利用のながれ、および施設内部の様子を確認してきました。詳しくは以下にて。
みちのく観光案内
「みちのく観光案内」はJTB東北が運営する、観光サポート施設。仙台空港を経由して東北旅行を楽しむ人の強い味方といったところでしょうか。
みちのく観光案内が提供するサービス内容は、東北の観光情報の提供、JR・バス・航空等の乗車券・新幹線特急券の手配、ホテル予約、観光地の各種入場券の手配、バスツアー他企画商品等の販売といったもの。
実際に施設を遠目から見ると「観光情報の提供(パンフレット配布)のみ?」かと思いきや、街中にあるJTB店舗と同じ感覚で使えそうです。
飛行機に乗って仙台に来たけど、ここからさきはノープラン!という方がどのくらいいるかはさておき、例えば移動中に気になる観光地を発見した場合など、このみちのく観光案内で訪ねてみるという使い方はアリかもしれませんね。
なお営業時間は09時00分~21時00分(最終受付は20時30分)となっています。
追記:2017年6月9日
みちのく観光案内で行っているサービスについて、係の方に話を聞いてきました。
上で書いた内容について補足しておくと、公共交通機関の乗車券やツアー等の企画商品も販売は行っているが、この「みちのく観光案内」の設置目的はあくまで観光案内を優先しているとのこと。
そのため例えば街中のJTB店舗のように、イスに座って長時間、旅行プランの相談に応じるといった利用は難しいそうです。切符やツアーバスの手配についても、どちらかといえば出張者など、ビジネス向けのちょっとした対応がメインになりそう。
また手配した乗車券の代金支払いには、一部でクレジットカードが使えないものもあるとのこと。利用する可能性があるかも……といった場合は、あらかじめ現金を多めに準備しておくと安心できるでしょうね。
みちのくラウンジ by PRONTO
「みちのくラウンジ by PRONTO」は全国展開の飲食店・PRONTO(プロント)が運営するカフェ&バー。プロント公式サイト上では「PRONTO 仙台国際空港店」という名前で記載されています。
▼みちのくラウンジ by PRONTO。国内線到着口から出てすぐ左側にある
▼ドリンクやパスタの他、パンなども販売
▼これは「10時30分~17時30分まで」の時間帯に提供されるメニュー
ちなみに他のフロアを含めても、仙台空港内に全国展開のカフェが入るのはこのPRONTOが初めて。これまで喫茶に使えるお店はあったものの、それらはほとんど飲食向きの施設となっており、例えばコーヒーを飲みながら作業する場所としては利用しづらかったのも事実。
このみちのくラウンジ by PRONTOができたことにより「フライトの待ち時間に少し作業をしたい」ケースにおいても柔軟に対応しやすくなりました。ここは最近LCCを多用している私自身にとってもかなりうれしいポイントです。
みちのくラウンジ by PRONTOの営業時間は06時30分~21時30分(ラストオーダーは21時00分)で、提供メニューの内容は時間帯によって異なります。時間帯の区分は次の4つ。
- 時間帯①:06時30分~10時30分
- 時間帯②:06時30分~17時30分
- 時間帯③:10時30分~17時30分
- 時間帯④:17時30分~21時30分(ラストオーダー 午後9時)
各時間帯ごとに提供されるメニュー内容は仙台空港の公式サイト内にある店舗情報ページにて確認できますよ。
注文代金の支払いには現金、クレジットカード以外に電子マネーも使用可能。日本各地で展開される交通系電子マネーにも幅広く対応する点は旅行者にもやさしいですね。
▼レジに設置された電子マネー決済用のカードリーダー
店舗は到着ロビーとは仕切られていない開放設計。机やパーテーション、植物などを使った区画づくりとなっています。
▼座席は横長のテーブルやボックスシートなど複数の種類が
▼多くが電源席(コンセント2つ、USBポート1つ)となっている
▼奥には扉でしっかり区切られた喫煙席も設置
▼ボックスシートからの眺め。区切り方がうまく、周囲の視線も気になりにくい
店内の照明も暖色寄りで落ち着いており、少し休憩するのにもピッタリな空間。
もしパソコンで作業するのでWi-Fiもあると嬉しい……なんて場合には、仙台空港が無料で提供しているWi-Fi接続サービス「SENDAI AIRPORT FREE Wi-Fi」もあわせて活用するのがオススメです。
今回はちょうど夕食時の利用だったので、パスタも注文してみることに。
▼「きのことパンチェッタの大葉ソース(税込690円)」
注文したのは「きのことパンチェッタの大葉ソース(税込690円)」。大葉ソースの風味もよく、なによりパスタの食感がモチモチ。
PRONTOは仙台の街中、あるいは出張・旅行先でも何店舗が利用したことがありますが、そういった過去の経験と照らし合わせても、味のクオリティは高く感じましたよ。
ちなみにオープン直後の早朝からアルコールメニューの提供もあるので、フライト時間にあわせてちょっと贅沢……なんて使い方もアリかも。いつかそんな使い方もしてみたいものです。
さいごに
完全民営化後に進めてられていたリニューアルオープンの準備。今回新規オープンした施設は3つでしたが、いずれも従来は提供されていなかった(飲食に関してはコンセプトが異なる)内容であり、より便利に利用できる空港となったのは間違いないでしょう。
ちなみに仙台国際空港株式会社からのプレスリリースによれば、今回のリニューアルオープンに伴う工事は「第1期」とアナウンスされています。つまり今後は引き続き「第2期」「第3期」といった展開も期待して良さそうです。
2017年9月下旬にはLCC・Peach Aviation(以下、Peach)が新規で国内2路線の就航も決めている仙台空港。今後利用する機会は増えていくと思われるだけに、利用時はぜひ新しくなった到着フロアもチェックしてみてくださいね。