Samsung Electronics(以下、Samsung)のハイエンドファブレット Galaxy Note7 および Galaxy Note5で久しぶりに使用し、今やすっかりその魅力にハマってしまっているSペン。
そんな手書き機能の使い勝手・幅をより拡げてくれそうな要素といえば、さらなる大画面搭載機。いわゆるタブレット端末です。というわけで、タイミングよく今年の新機種にSペン対応の10インチタブレット Galaxy Tab A with S Pen を見つけたので、購入し使用しています。
過去にSペンを使ってきた機種はすべて Galaxy Note シリーズ。ハイエンドモデル以外でSペンを使うのは今回がはじめて。またタブレットで使うのもはじめて。実際に使用してみると、大きな画面サイズによる恩恵もしっかりと感じられます。
今回はそんな Galaxy Tab A with S Pen(2016)について、主に仕様やソフトウェア(2016年12月時点)を紹介していきます。
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記事の目次
Wi-Fi版(型番:SM-P580)の仕様をおさらい
現在私が使用している Galaxy Tab A with S Pen(2016)は米Amazon.comより購入した北米版。型番は“SM-P580”となっており、モバイルデータ通信はサポートしないWi-Fiモデルです。
はじめにこの「型番:SM-P580」の仕様情報をSamsung公式サイトのアメリカ向け製品ページに記載されている内容を元に整理しておきます。
サイズと重さ | |
---|---|
高さ | 254.0 mm |
横幅 | 164.0 mm |
厚さ | 8.1 mm |
重さ | 553 g |
システム | |
OS | Android 6.0 |
SoC | Samsung Exynos 7870 1.6GHz Octa-Core |
RAM | 3 GB |
ROM | 16 GB |
SDカード | 対応(最大256GBまで) |
バッテリー | 7,300 mAh |
ディスプレイ | |
サイズ | 10.1 インチ |
解像度 | WUXGA(1920 x 1200) |
種類 | TFT PLS |
カメラ | |
メイン | 800 万画素 |
サブ | 200 万画素 |
SIMカード | |
種類 | – |
スロット数 | – |
通信方式 | |
FDD-LTE | – |
TDD-LTE | – |
WCDMA | – |
CDMA | – |
TD-SCDMA | – |
GSM | – |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) |
Bluetooth | Version 4.2 |
その他 | |
防塵防水 | – |
現在は台湾や香港といったアジア圏でも発売中の同機種。厳密には販売国別に異なるモデルが投入されているはずですが、型番はいずれも「型番:SM-P580」で共通しており、スペックも同じとなっています。
またモバイルデータ通信非対応モデル(SIMカード使用不可)となっているため、Galaxy S5以降のモデルに適用されているリージョンロック(SIMロック)を気にする必要がない点は嬉しいところ。単純に安いところを探して購入可能です。
製品名からわかるとおり、ラインはミドルハイクラスのモデルが揃うGalaxy Aシリーズ。ただし国内でauから発売されているGalaxy A8などとは異なり、外装には金属ではなく樹脂素材が使われています。また画面も有機ELでなく、TFT液晶です。
当機種の最大の特徴といえるのは、やはりSペンに対応しているというところ。10.1インチというサイズ、500gを超える重さを考えると、持ち歩いての使用はややつらいかも。
自宅用など、使い方(使い場所)を割り切るほうが現実的な気もします。
ソフトウェアを細かくチェック
続いてソフトウェアの中身について、詳しく見ていきます。
北米版は日本語ロケールも選択可能
販売地域(モデル)により、初期状態では日本語ロケールが選択できない(システム表示言語として日本をが指定できない)こともあるGalaxyシリーズ。ただ今回購入した北米モデルでは、はじめから日本語を選択することも可能です。
指紋認証機能は非搭載
スマートフォンではGalaxy S5以降に搭載され、ハイエンドモデルにおいては今や搭載することが当たり前ともいえる指紋認証機能。ですが、この Galaxy Tab A with S Pen(2016)のホームボタンに指紋認証センサーは搭載されていません。
端末のロック解除は「パターン」「PIN」「パスワード」のいずれかで行うことになります。なお出荷時点でOSバージョンはAndorid 6.0.1となっていることから、Smart Lockを用いてロック解除を省略することは可能です。
ホーム画面はAndroid6.0な他Galaxyシリーズ同様
デフォルトでのホーム画面はAndroid 6.0(開発コード名:Marshmallow)を搭載した他のGalaxyシリーズと大きく変わりなし。デフォルトでは2ページ+BRIEFINGといった構成になっています。
通知領域やクイック設定パネルも、Galaxy S7 や Galaxy Note5 で慣れ親しんだものそのまま。
アプリドロワーにて確認できる、プリインストールアプリの数は34個。こちらはスマートフォンと比べれば気持ち程度、少なめ。
なおSペン用アプリには、旧アプリ「Sノート」ではなく、新アプリ「Samsung Notes」が採用されています。最新のソフトウェアップデートを行なった Galaxy Note5 でも Samsung Notes が使えるようになったため、Sペンでメモしたノートは Galxy Note5 ⇔ Galaxy Tab A with S Pen 間でもちろん同期が可能です。
設定画面のUIデザインはタブレット専用
設定画面のアイコンやカラーデザインは、こちらも Galaxy S7 や Galaxy Note5 と変わりなし。ただし Galaxy Tab A with S Pen ではタブレット専用のUI設計となっており、画面左側に設定項目、右側に詳細設定が常時表示されるつくりです。
▼ 左側に常に設定項目が表示されるUI設計
RAMは余裕アリ。SDカードは用意したいところ
搭載するメモリ/ストレージ容量は、RAM3GB/ROM16GBとなっている Galaxy Tab A with S Pen。価格が手頃ながらも、特に後から拡張できないRAMが大容量になっている点はうれしいところ。
初期状態での空きスペースを確認してみると、RAMはトータル3GBの容量に対し、空きスペースが約2GBほど。こちらはかなり余裕ありといったところ。
▼ 使用率は33%。空きは十分
一方でROMはトータル16GBの容量に対し、空きスペースが約10.4GBほど。
▼ 使用率は35%。空きはあるが、できればSDカードで拡張したい
タブレットという大画面の用途として電子書籍での読書、保存した動画の視聴といったことも考えられるだけに、マルチに活用するのであればSDカードは別途用意しておきたいところ。
ベンチマークテストの結果
Galaxy Tab A with S PenではSoCに自社製Exynos 7870(オクタコア)を搭載。RAMも3GBと余裕がある一方で、ミドルハイシリーズの Galaxy A ラインに含まれる製品です。
私自身、当機種を購入した最大の理由はSペンが使えるタブレットであったからですが、タブレットの大画面を活かしてゲームを楽しみたいという方もいるはず。そうなると気になるのはグラフィック等の処理性能ですね。
ここでは処理能力の参考として、AnTuTu Benchmark、Geekbench 4、3DMark、3種類のアプリを用いて測定したベンチマークスコアも紹介しておきます。
▼ AnTuTu Benchmarkのスコアは46,000前後
▼ 一世代前のハイエンド機と比べても大きく劣ってはいる
▼ Geekbench 4のスコアはシングルコアで700前後、マルチコアで3,300前後
▼ シングルコアではかなり低めの点数に
▼ マルチコアになると現行ハイエンドとの差が急激に縮まる
▼ GPUのテスト結果は1,800前後
▼ CPUの処理能力は高い一方、GPUは控えめの性能といった印象
▼ 3DMark Ice Storm Unlimitedのスコアは8,500前後
▼ Sling Shotだと300前後
複数のアプリで確認してみた結果として、CPUの処理性能はそこそこな一方、3Dグラフィック処理などに必要となるGPU性能は抑えめといった印象。
電子書籍での読書、雑誌の閲覧、動画の視聴、そしてSペンを使ったメモやドキュメントの編集といったパフォーマンスをそれほど必要としない使い方であればストレスは感じないものの、ゲームなどを楽しむためのタブレットとして見れば、どうしても能力不足は否めないでしょう。
価格が安い点も含め、より高負荷をかける使い方には別のハイエンドモデルを探すほうが確実といったところ。
そのほか気になったポイント
10.1インチというサイズ、約550gという重量を考えると主には自宅での使用に向いていると感じています。そんな中で、あって嬉しいなと思った機能を1つ紹介。それがブルーライトフィルターです。
最新のソフトウェアアップデートにより Galaxy Note5 にも搭載されたこの機能では、名前のとおり、機能をオンにすることで画面表示を目に優しい暖色寄りの色味に変更できます。
▼ オン/オフはクイック設定パネルからワンタッチでできる
▼ ブルーライトフィルター:オフ
▼ ブルーライトフィルター:オン
機能自体はソフト側で表示の色味を調整しているだけ、といった感じ。上の2枚のスクリーンショットのとおり、機能をオンにすると、撮影したスクリーンショット自体が黄色くなる点には注意が必要です。
とはいえ、雑誌などを読むために活用することも多い大画面タブレットなので、寝る前にも余計な刺激なく利用できる機能は純粋に喜ばしいですね。
またその他、マルチメディア向けなタブレット機ということで、イヤホン接続時のオーディオエフェクト機能「SoundAlive」も搭載。
また新しい機種ということもあり、Smart Managerも利用できます。
ちなみに7,000mAhという超大容量のバッテリーを搭載する Galaxy Tab A with S Pen ですが、スリープ状態での連続待機時間はかなり長くなっています。
フル充電後、電源オン(スリープ状態)で放置すると、1週間経過時点でもバッテリー残量は80%以上。まさに家に置いておくタブレットとして、使い勝手のよさを強く実感しています。
さいごに
グラフィック処理など貧弱さも見て取れる Galaxy Tab A with S Pen ですが、それでもSペンが使え、かつCPUの処理能力や大容量のRAM、バッテリーもちのよさなど、ポイントは的確に押さえつつ、価格を手頃にまとめた良機種といった印象を抱いています。
タブレットに求める用途・要件にはよるものの、主に静的な使い方がメインであれば、コストパフォーマンスも含め、しっかりと薦めることが1台だと思います。肝心のSペンについても、基本的に使い勝手には満足できているということも大きなポイントです。
この“Sペン対応機としての使い勝手”については、また機会を改めて紹介することにします。
余談:米Amazonで大幅に値下げ中
私が当機種を購入した米Amazon.comでは、発売当初の設定価格はUSD340.00(約37,000円)前後となっていたものの、クリスマスシーズン前より大幅な値下げが行われています。
米Amazonで現在販されている本体カラーは2色(Black/White)で、いずれもUSD60.00近く値下がりしたUSD279.99(約32,800円)にて販売中。
▼ 米Amazonで在庫があるのはBlackのみ
▼ Whiteも注文はできるが、出荷は1~2ヶ月先を予定
▼ 日本への配送料も含め、USD313.17(約38,000円)ほどで購入可能
日本国内住所宛てへの配送料、輸入消費税に該当するデポジットを含めた購入費用(総額)は約38,000円とかなり安くなっています。
ちなみにAmazonが設定しているデポジット額は個人輸入でないケースを想定した金額(必要となる可能性のある最大額)となっており、商品到着から1ヶ月ほど経過した後、余った分が返金されることも。
私自身も先日デポジット(余り)の返金があり、USD14.53(約1,800円)が返ってきました。こういったことも見越せば、注文金額よりもう少しだけ安く購入できることもあると思います。
また、もし若干金額が高くても、やりとりはすべて日本語でできたほうが安心ということであれば、在庫数は若干のみですが、モバイルガジェットの海外通販サイトEXPANSYS(エクスパンシス)から購入する方法もよいでしょう。
▼ EXPANSYSではBlackのみ在庫あり
EXPANSYSでは1色(Black)のみ取扱い中で、2016年12月30日(金)時点における本体価格は40,765円。日本国内住所宛てへの配送料、輸入時に課せられる輸入消費税などを加味した(個人輸入扱いとした場合における)購入費用の概算見積額は約44,400円ほどとなっています。
その他、国内Amazon.co.jpマーケットプレイスでも購入は可能ですが、そちらでの実売価格相場は1~2万円以上高い60,000円(税込)前後。
優先するポイント(価格?問い合わせ等のしやすさ?手間のかからなさ?)にはよるものの、もし購入を検討するのであれば、個人的には米Amazon.comまたはEXPANSYSでの注文を考えてみるのがオススメです。