2019年7月下旬に発売されたAmazonの電子書籍リーダー「Kindle Oasis(第10世代/2019年モデル)」。
ぼく自身は予約受付がはじまった直後に注文。しかしそれでも出遅れたようで、商品を受け取れたのは発売の1か月半後(2019年9月上旬)。そこから使いだし、気が付けば6か月が経過しようとしています。
そこでこの記事でははじめてKindleデバイスの最上位シリーズ「Kindle Oasis」を購入し使ってみた感想をレビューとして紹介します。
はじめに書くと購入したこと自体は大正解!でも買うのはWi-Fiモデルでよかったかも、という感じです。
記事の目次
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Kindle Oasisを使って感じたこと
これまでKindle PaperwhiteやKindle(無印モデル)は使用経験あり。その上で今回初めて手を出したKindle Oasis(キンドルオアシス)。
半年使ってみて感じているKindle Oasisのよいところ・物足りないところは以下のとおり。
- 片手でストレスなく使える(形状+物理ボタン)
- 手入れがラクにおこなえる(掃除しやすく様々な場面に持ち出せる)
- 固定レイアウト書籍もギリ読める(旅行ガイドブック代わりになる)
- 無料4G通信には制限がある(一部の本はダウンロードできない)
- 充電端子の種類が古い(端子形状がMicroUSBのケーブルが必要)
- フットプリントが大きい(衣類のポケットに入らないことも)
- 素材が滑りやすい(扱いやすくする“工夫”が必要)
ちなみにぼく自身はKindle Oasisは買って正解でした。Kindle Oasisを購入して以降、より読書に積極的になれているからです。
Kindle Oasisのよい点
片手でストレスなく使える
「ページ送り/戻しが快適にできそう」と予約したときから期待していた物理ボタン。実際には「物理ボタン」「背面形状」「自動で向きが変わる画面」の組み合わせで、想定以上にストレスなく使えています。
▼設定すれば、本体の向きにあわせて表示が自動で回転する
Kindle Oasis(第10世代/2019年モデル)の本体重量は188g。7インチディスプレイ搭載製品としては十分軽いものの、それでも使用する状況(寝転がって使う、手に荷物を下げているなど)により、持ち手を入れ替えたい場面が出てきます。
そんなとき、持ち手と連動して“待ち時間なく使い続けられる”点は快適そのもの。
画面の向きが変わるときは、表示に連動し、2つのボタンに割り当てられる機能も入れ替わります。標準では「上側にあるボタンがページ送り」「下側にあるボタンがページ戻し」の設定。設定変更で割り当てを逆にすることも可能です。
もちろん画面へのタッチ操作にも対応。シーンに応じて、好みの操作方法を選べます。
大きな画面でも片手でストレスなく使えるため、公共交通機関での移動中など、隙間時間に読書をする機会もぐーんと増えました。
また献血ルームに持ち込むことも多いです。採血中は片手が塞がれますが、Kindle Oasisなら片手で操作可能。“人の役にも立てる強制読書タイム”として、所要時間をそのまま読書時間に充てています(持ち込む際はフライトモードにすることをお忘れなく)。
手入れがラクにおこなえる
ぼく自身、汚れに対して神経質なところがあります。とくに自分が使うモノの汚れは目につきやすく、とても気になってしまいます。汚れやすくてもよいのですが、その代わり、汚れは簡単に掃除できてほしい。
その点、Kindle Oasis(第10世代/2019年モデル)はIPX8等級の防水設計。水洗いが可能です。加えて段差のない前面パネル、タフな背面の金属パネルは布でゴシゴシふき取れる。衛生面で、物理的にも精神的にも気持ちよく使えるところが気に入っています。
メンテナンスがラクなので、入浴のお供としてお風呂に持ち込むことが今では当たり前に。ゆっくり湯船に浸かり疲れを癒しつつ、読書も捗る。最高か。
美容室に行く際にもKindle Oasisは大活躍。以前は雑誌を見て過ごしていたものの、現在は楽天マガジンを契約中。気になる雑誌は発売日に見終わってしまうことがほとんどです。
それなら……とKindle Oasisを持ち込み、読書時間に充て始めました。カットしてくれる美容師さんにあらかじめ「丸洗いできるので汚れても大丈夫」と伝えておけば、余計な心配もかけず、お互いに安心です。
前述の献血中に加え、入浴中や散髪中にも読書。買ったまま手つかずの本、いわゆる“積ん読(つんどく)”の解消に一役買っており、この点でも精神衛生の向上につながっています。
固定レイアウト書籍もギリ読める
Kindle Oasis(第10世代/2019年モデル)のディスプレイサイズは実測で「縦140mm×横106mm」。アスペクト比(縦横比)はおおよそ4:3です。
7インチという数値だけで考えると、昨今のスマートフォンより1~2まわり大きい程度。ですがスマホと異なり「縦長画面」ではないため、より読書向きです。画面解像度も300ppiと高く、固定レイアウトの書籍も文字をつぶさず表示できます。
▼A5変並製(縦210mm×横136mm)の「地球の歩き方」を表示
▼細かいが、文字は潰れず表示できている
▼A4変判(縦280mm×横220mm)のムック本を表示
▼字はかなり細かいが「文字」として読むことはできる
飛行機での移動中、機内で読書をしたり、ガイドブックで滞在先の情報を確認したり。雑誌より小さく軽いモノ1台で、複数の本をバッテリー残量も心配せず持ち歩けるのは便利。おかげさまで、飛行機内にて初めて細かな旅程を決めるという“能天気トラベル”も増えました(笑)
▼ガイドブックを見つつ、気になる場所を片っ端からスマホにメモ
また飛行機内での使用については、ディスプレイ光源にフロントライトを採用していることもうれしい限り。周囲に漏れる光はバックライト搭載製品より少なく、夜間フライトの機内消灯中も、まわりに配慮しつつ読書が楽しめます。
▼読書灯と併せて使えばまわりにしっかり配慮できる
Kindle Oasisの物足りない点
無料4G通信には制限がある
初めてのKindle Oasisシリーズ購入にあたり選んだのは、価格がもっとも高いWi-Fi+無料4Gモデル。移動中などに公共のWi-Fiスポットやスマホのテザリングを意識せず、読みたいコンテンツがダウンロードできるのは絶対便利!……という思惑がありました。
ただ実際に使ってみると、無料4G通信には制限あり。マンガの単行本、固定レイアウト本や活字本の一部など、コンテンツサイズが大きいものは無料4G通信でダウンロードできません。
時間がかかる(=待てばよい)という問題ではなく、そもそもダウンロード不可のコンテンツがあるということです。
▼すべてのコンテンツが無料4G通信でダウンロードできるわけではない
税込価格はWi-Fi+無料4Gモデルだと40,980円。通信機能以外が同スペックのWi-Fi専用モデルは税込34,980円。6,000円の差額で容量を気にせず使える4G通信機能が付与できることは一見魅力的です。
しかし無料4G通信ではダウンロードできないコンテンツも多くあることを踏まえた場合、個人的にもっともオススメのモデルはWi-Fi専用モデルの最上位品(ROM32GB/広告表示なし)です。
充電端子の種類が古い
2019年7月に発売されたKindle Oasis(第10世代/2019年モデル)。Kindle Oasisシリーズとしては2世代目にあたる製品ですが、充電時に使用する外部入出力端子の形状はUSB Type-B(MicroUSB)。一世代前の初代モデルから変わっていません。
最近はUSB Type-C端子を採用するデバイスが増え、日常で使うデバイスをUSB Type-C端子搭載品で揃える(揃えていく方針の)人も多いはず。
バッテリー持ちがよいので、旅行など数日間の外出に持ち出す際でも、前もって充電しておけば事足ります。ただ万が一のことも考え、手持ちの他機器と端子形状が同じか?異なるか?は覚えておきましょう。
フットプリントが大きい
大きくてキレイに表示できる画面は魅力的。一方でフットプリント(縦横サイズ)が大きいため、携帯方法には制限をうけます。
手ぶらで出かけたいのに、上着(コート)のポケットに奥まで入らない……なんてことが起こりえます。
▼間口は広いが角度のついたポケットだとしっかり収納できなかった
読みやすさ(=画面の大きさ)とトレードオフであり、仕方がないことではあります。ただ普段からバッグを持たず出かけることが多く、外に持ち出して使うことを想定しているのであれば、あらかじめサイズを確認しておくことがオススメです。
素材が滑りやすい
布でゴシゴシ拭き掃除できる金属製の背面パネルは本当に素晴らしい……のですが、惜しいのが滑りやすいこと。背面は片手で掴みやすい形状ですが、金属部の質感が(良くも悪くも)スベスベで、持ちやすさに不安が残ります。
▼アシンメトリー(左右非対称)な背面の形状
▼片手持ちへの配慮はうれしいが、滑りやすく指のかかりはイマイチ
ただしこの点は個人の工夫で解消も可能。思いついたのは滑り止めになるシールを貼ること。
Amazonで透明のクッションシール(3サイズ・計12枚入りで約1,000円)を購入して貼ったところ、背面の段差が指にしっかりかかるようになりました。
▼3種類あるサイズのうち、一番大きなものをを貼り付ける
▼貼り付け後。透明なシールなので見た目に大きな変化はない
▼サイズも適当。左右の手どちらで持つ場合もシールに指が当たる
ケースに入れて使う場合を除けば、持ちやすさがぐーっと向上する工夫として、クッションシール貼りは試す価値アリです。
まとめ
「最上位のKindleデバイスとは果たしてどんなものか」と奮発して注文したKindle Oasis。
使いはじめた当初はまだ「高いお金を出して買ったのだから使おう」「せっかく持って出かけているのだから使おう」と“もったいない”な気持ちに後押しされて、少しずつ使用機会が増えていくという状況でした。
ただそうして使っていくうちに(スマホのKindleアプリや他Kindleデバイスと比べての)使い勝手のよさや質感のよさに惹かれ、結果的に買って正解だったと今感じています。
あらためてひとつだけ書くとすれば、無料4G通信機能のない「Wi-Fi専用モデルの最上位仕様品」でよかったかも、ということくらい。
今よりもう少し読書に積極的になりたい。Kindle Oasisはそんな人ならぜひ試してみる価値のある製品です。