SIMフリースマートフォンやタブレット、周辺機器にアクセサリーといった“ガジェット”購入時に便利な通販サイトAmazon(アマゾン)。商品ラインナップも幅広く、マーケットプレイスを利用すれば海外向けモデルの並行輸入品なども購入可能です。
しかし海外モデルを購入するのであれば、あわせて上手に活用したいのがAmazonの海外向けサイトを使った直接購入。Amazon自体から直接購入すれば、価格も海外現地向けの定価同額で注文できることがほとんど。そして何よりAmazonから買うという安心感があります。
そこでこの記事ではAmazonの海外向けサイトでスマホを購入するための方法をまとめていきます。
意識すべきポイントを順番に紹介していくので「これから海外のAmazonで買い物をしてみたい」「以前使ったことがあるが実はあまりよくわかっていない」なんて方はぜひ、今後の参考にどうぞ。
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記事の目次
海外のAmazonを使うメリット・デメリット
そもそも「Amazonなら日本国内向けのサイト(Amazon.co.jp)もあるよね?」となりますよね。はじめにあえて海外のAmazonを使うことのメリット、あわせて知っておきたいデメリット(リスク)をそれぞれ整理しておきます。
海外のAmazonを使うメリット
日本から海外のAmazonを使って商品を購入するメリットは大きく3つ。
- 日本で売っていないものが購入できる
- Amazon直取扱品ならほとんどが海外現地の定価以下で購入できる
- 注文時以外にお金の支払いが発生せず、手間が少ない
一言にまとめると「日本では売っていないものが、適正価格で、手間をかけずに買える」ということですね。
日本未発売の商品を並行輸入品として販売する通販サイトや業者も多くありますが、この場合、多くは設定している価格が割高。特に発売直後の商品、人気の商品だとこの傾向は顕著に現れます。
しかし海外のAmazonで直接注文できれば、そもそもの販売価格が海外現地向けの定価(かそれ以下)に設定されていることがほとんど。少しでも安く購入できるのであれば、そのほうがよいですよね。
またお金を支払うタイミングも基本は1度のみ。注文時にクレジットカードで決済してしまえば、荷物を受け取る際に追加でお金を支払う必要がありません。
海外向けのサイトは当然ながら表示言語も各国向けになっていますが、基本的なサイトデザインは国が変わっても大きく変わらない点も嬉しいところ。Amazon.co.jpでの買い物に慣れていれば、要点だけ押さえておけば、似た感覚で海外向けサイトも利用できます。
海外のAmazonを使うデメリット
日本から海外のAmazonを使って商品を購入する際の制限事項とデメリット(リスク)も整理しておきます。
- 支払い方法は主にクレジットカードに限られる
- 注文から到着までに時間がかかる
- 保証申請など万が一の場合には手間がかかる
まず支払い方法は主にクレジットカード(またはデビットカード)に限られます。
Amazon.co.jpでの買い物時に選べる「代金引換」「携帯キャリア決済」「コンビニ払い」など様々な決済方法は使えません。また日本のコンビニで買えるAmazon.co.jp向けのギフトカードも、海外のAmazonで買い物をする際の支払いには使えません。
またリスクとして一番意識しておきたいのは保証申請など万が一のことが起きると手間がかかることでしょう。問い合わせのメッセージも日本語以外で書く必要がありますし、商品の返送も国際宅配便など、慣れないサービスを使う必要がでてきます。
あくまで万が一のケースであり、そういった場面に出くわすことはかなり稀。私個人もこれまで数十回、Amazonの海外向けサイトを使って商品を購入してきましたが、問い合わせなどが必要な自体に遭遇した経験はなし。
とはいえ絶対に起こり得ないことではないので、デメリット(リスク)があることも事前にしっかり認識しておきましょう。
アカウントを作成する
「海外のAmazonを使ってみよう!」となったら、まずおこなうべきことは海外のAmazonで使えるアカウントを作成すること。Amazon.co.jpのアカウントをそのまま使うことはできないからです。
海外サイトでのアカウント作成と聞くと「ハードルが高そう……」なんて思うかもしれませんが、先ほども触れたとおり、サイトの作りはAmazon.co.jpと大きく変わりません。まったく知らないサイトでアカウントを作るより、難易度はだいぶ低いです。
また海外用のアカウントがひとつ作成できれば、そのアカウントは他国向けのAmazonでも使いまわしが可能です。はじめにちょっとだけ頑張ってトライしてみれば、その後はより幅広く個人輸入が楽しめますよ。
実際に私も米国向けサイト(Amazon.com)で作成したアカウントを用いて、イギリス向けサイト(Amazon.co.uk)やドイツ向けサイト(Amazon.de)を使っています。
アカウントの作成手順は以前にまとめているので、トライする際には以下の記事を参考にしてみてください。
日本から購入できる商品を探す
Amazonの海外サイトで使えるアカウントが作成できたら、取扱いのある商品すべてが買える!……というわけではありません。
日本への出荷に対応していない商品、販売者がAmazonでないため通常より「価格が高い」「手間がかかる」といった商品も多く存在しています。
こういった中から個人輸入に向く商品を見つける際、最低でも次の2点を意識してみましょう。
商品の販売者と出荷元を確認する
まずは「商品の販売者」「商品の出荷元」を確認します。Amazonで販売されている商品は「販売者」「商品の出荷元」を組み合わせた3パターンで分類できます。
- 「Ships from and sold by Amazon」と記載された商品
- 販売者はAmazon
- 商品はAmazonの倉庫から出荷
- 「Sold by XXXXXX and Fulfilled by Amazon」と記載された商品
- 販売者はXXXXXX(マーケットプレイス出品者)
- 商品はAmazonの倉庫から出荷
- 「Ships from and sold by XXXXXX」と記載された商品
- 販売者はXXXXXX(マーケットプレイス出品者)
- 商品もマーケットプレイス出品者の倉庫から出荷
▼販売者も出荷元もAmazonの商品
▼出荷元のみAmazonの商品
▼販売者も出荷元もAmazonではない商品
販売者がAmazonでない場合には「設定価格が現地定価より割高」「保証期間が初期不良対応のみ」などのリスクがでてきます。
また出荷元がAmazonでない場合にも「注文画面で確認できる費用以外にも、購入のためにお金がかかる場合がある」といったリスクが。これはぼったくりなどではなく、後述する税金が別払いになるパターンのことです。
こういったリスクを少しでも避けることを考えれば、少なくとも慣れるまでは「販売者も出荷元もAmazon」の商品を選び注文することがオススメです。
日本に出荷できる商品か確認する
販売者と出荷元がどうなっているか?とは別に、そもそも発送先に日本国内の住所が指定できない商品も多く存在しています。
作成したアカウントでログインした状態にて商品ページを開いてみると、表示している商品が日本への出荷に対応している商品か、非対応の商品かが見分けられます。
- 「This item ships to XXXXXX, Japan」と書かれている
- 日本国内の指定した住所宛てへの出荷に対応
- 「This item does not ship to XXXXXX, Japan」と書かれている
- 日本国内の指定した住所宛てへの出荷に非対応
▼日本への出荷に対応している商品
▼日本への出荷に対応していない商品
なお日本に出荷できない商品は、買い物かごに入れても注文完了ができないようになっています。配送先住所を指定した直後に「出荷に対応していない住所なので、送り先の変更が必要」な旨のメッセージが表示されるため、見落とすことはないでしょう。
▼出荷不可の住所を選ぶと住所変更を要求され、注文を完了できない
上のような画面が出てきたら「日本(指定した住所)には出荷できない商品」と理解しましょう。
購入費用の内訳を理解する
海外のAmazonからガジェット製品を購入する場合、購入時にかかる費用は大きく3つに分類されます。
- 商品代金
- 「item」または「items」の項目で表示されるもの
- 配送料・手数料
- 「Shipping & handring」の項目で表示されるもの
- 輸入消費税などの支払いに充てられるデポジット
- 「Import Fees Deposit」の項目で表示されるもの
3つのうち「商品代金」「配送料/配送手数料」は問題なく理解できるはず。問題は「デポジットって何?どうやって計算されているの?」ということ。以下補足していきますね。
デポジットの計算方法
海外から品物を購入(輸入)する際、品物のジャンルによって「関税」「消費税(輸入消費税)」が課せられます。これら税金の支払いに充てる目的で、海外のAmazonが購入費用に計上するのが「デポジット(Import Fees Deposit)」と呼ばれる一時預かり金です。
ちなみに今回のテーマであるスマホを含む「電話機(携帯回線網用その他の無線回線網用の電話を含む)」は関税がかからない品物(無税扱い)。海外のAmazonでスマホを購入する際に計上される「Import Fees Deposit」は主に輸入消費税の支払いに充てられます。
デポジットの金額は「商品代金と配送料・手数料の合計額に日本国内の消費税率をかける」ことで算出できます。
例えば2018年2月時点で設定されている日本国内の消費税は8%(消費税率6.3%+地方消費税率1.7%)。
そこで注文確認ページに表示された商品代金と配送料・手数料の合計額(「Total before tax」の項目で表示されるもの)に0.08をかけてみましょう。(基本的には)Import Fees Depositの額と一致するはずです。
▼米Amazon.comの注文確認画面
▼USD677.66✕0.08=USD54.21となる
注文する商品のジャンルが変わり、関税がかかるようなものであれば、計算はまた変わってきます。とりあえずここではスマートフォンやタブレット端末購入時はデポジットとして輸入時に課せられる消費税分が計上されていると理解しておけばOKです。
後日税還付される場合も
ETOREN(イートレン)など一部を除き、海外通販サイトのほとんどでは、商品の購入にかかる費用は「注文時」「商品受け取り時」の2回にわけて支払うことになります。
注文時に支払うお金(商品代金と配送料)は通販サイトに対して、商品受け取り時に支払うお金(税金)は税関または通関費用を一時的に立て替えてくれた配送業者に対してのものだからです。
ただし海外のAmazonで買い物をした際は前述の通り、購入費用の中に予め税金の支払いなどに充てられるデポジットが計上されています。そのため(Amazonが販売者の商品を購入していれば)購入時に支払った費用以外の出費は原則発生しません。
一方で支払った費用の一部が後日返金されるケースはあります。何が返金されるかというと、デポジットとして一時的に預けたが使わず余った分のお金です。
海外から個人で品物を購入(輸入)する“個人輸入”では「課税価格の6割(0.6をかけた金額)に税率をかける」という特例があります。
例えば商品代金と配送料・手数料の合計が20,000円のスマホを購入した場合。輸入消費税額は単純計算で0.08をかけた1,600円です。
しかし個人輸入扱いになれば20,000円の6割の金額、すなわち12,000円をベースとして計算がおこなわれます。0.08をかけた結果は960円(100円未満切り捨てで実際には900円)となり、これが輸入消費税として課せられるのです。
ただし品物が「個人輸入品として扱われるか」の最終判断は、通関してみないとわかりません。そこで海外のAmazonで買い物した場合は(最悪個人輸入扱いにならなかった場合の)税率でデポジットを計上し、余れば後日返金する流れをとっているわけです。
還付がある場合は、後日(経験上、おおよそ1ヶ月半後)に「Refund on order XXXXXX」(XXXXXXは注文番号)の件名でAmazonからEメールが届きます。ここに「どの商品について」「どういった理由で」「いくら返金(還付)する」と記載されています。
▼還付通知メールの内容(例)
還付は購入時に使ったクレジットカードへの返金(返金処理)でおこなわれます。通知が届いた後のカード利用明細を確認すると、マイナスの金額で利用実績が計上されてきます。
配送方法と梱包具合
商品を注文する際、購入費用をにらみつつ選ぶことになるのが配送方法。また手元に無事に届いてくれるよう、荷姿(梱包具合)も気になるところですよね。最後は配送方法や梱包具合に関するポイントを載せておきます。
購入商品や配送方法により荷姿は様々
注文時に指定できる配送方法は、費用と配送日数の異なる最大3種類から選べます。高い料金を支払えば配達に要する日数は短く、安い料金を支払うと配達に要する日数は長くなります。
各配送方法の違いについては以下の記事を参考にしてみてください。
荷姿や梱包具合は「注文した商品」「梱包した担当者」によって様々ですが、これまでの経験上、配送方法(料金)と梱包内容(丁寧さ)は関係ありません。
▼スマホ本体が入った荷姿例。割りと大きめのダンボール箱
▼スマホ周辺機器が入った荷姿例。内側に気泡緩衝材が張られたシンプルなもの
選んだ配送方法や宛先として指定した住所によっては、複数の配送業者で引き継ぎながら送り届けられることも。こうした場合にも「どの業者からどの業者へ引き継ぎされるか」を知っておくと、荷物の現在地が追跡できて便利です。
開封時はハサミを使おう
海外から輸入し、時間をかけてようやく届いた荷物。高まるテンションを抑えきれず、慌てて開封!!!……という気持ちはわかりますが、このときパッケージの開封で怪我をしないように注意してください。
海外のAmazonから発送された荷物では、荷造り用のテープに「強度アップ」「不正な中身の抜き取り防止」を目的とする糸が仕込まれています。知らず気づかず手で無理に引きちぎろうとすれば、最悪手を負傷してしまう可能性も。
▼テープの中に糸が入っている
▼糸で強度が増す一方、きれいに剥がすのは難しい
▼開封時は慌てずハサミやカッターでテープを切ろう
高まる気持ちを抑えつつ、落ち着いてハサミやカッターを使いながら開封してきましょう。フィットカットカーブ ジャストチタンのようにテープの粘着や汚れに強く、切れ味も落ちにくいハサミをひとつ持っておくと、ダンボールなどもカットできて便利です。
パッケージ汚れ・凹みには多少許容も必要
海外からモノを様々購入してみると感じるのが「海外の人たちは商品本体以外の状態はあまり気にしないのだろうな」ということ。
日本国内で購入したものとは異なり、パッケージ外のビニールにゴミが付いていたり、パッケージボックスが少し凹んだり潰れていたり、ということが割りと珍しくないからです。
▼経験上、この程度の凹みは珍しくない
もちろん明らかに箱が潰れていたり、中の商品が壊れていたり、といった場合には問い合わせて保証などを申請しましょう。ただ「わずかな凹みも許容したくない!」なんて場合には、正直海外通販サイトの利用はオススメできません。
余談ですが、届いた荷物をよく観察してみると、たとえばを開封する中で「日本でよく見かけるダンボールとは紙の質感が異なる」なんて発見もあることでしょう。購入した商品以外も意識的にチェックしてみるのも、日本との違いを感じることができ面白いですよ。
さいごに
スマートフォンやタブレットだと、人気モデルがタイムセールやシーズンセールで特価販売される機会も珍しくない海外のAmazon。ここまで一通り読んでもらえれば、海外のAmazonを使った通販にはトライできるはず。
個人輸入を楽しむために、今回紹介した内容が少しでも役に立てば幸いです。
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