2016年11月にPanasonicのハイエンドコンパクトデジタルカメラ「DMC-LX9」を購入。気がつけば使いはじめて8ヶ月が経過していました。
この記事ではPanasonic DMC-LX9を購入した理由、外観デザイン、実際に撮影した作例、あわせて使っているアクセサリー・周辺機器類までを、ポイントに触れながら一挙にまとめて紹介します。
カメラとしての撮影性能と携帯性のよさは購入当初の予想を大きく上回るもの。活躍機会の多さ・満足度の高さを考えると、直近1年以内に購入したガジェットの中では間違いなくマイ・ベスト・バイな1台です。
記事の目次
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DMC-LX9を購入した理由
スマホカメラでは実現できない機能・性能をウリに各社がしのぎを削るハイエンドコンデジの分野。その中から今回PanasonicのLUMIX DMC-LX9(以下、LX9)を選んだ理由をまずは整理。購入の決め手となったポイントは大きく2つです。
- デジタル一眼レフの予備で使える撮影性能・携帯性を備える
- Panasonic製のハイエンドコンパクトデジタルカメラである
それぞれ、少し掘り下げてみていきましょう。
一眼レフの予備に使える携帯性と撮影性能
まず今回新たにカメラを購入する最大の理由となったのが「デジタル一眼レフカメラの予備として携帯・使用できるモノが欲しい」ということ。
ブログ用の写真撮影(物撮り)やライターとしての取材時には、Nikonのデジタル一眼レフカメラ・D5500に高倍率ズームレンズを組み合わせて使用しています。ストロボなどのアクセサリーも所有しており、撮影能力だけ考えればカメラの買い足しは不要。
ただしこれらを定期メンテナンスに出す際、あるいは万が一急に故障してしまったた際などを想定すると、スマホのカメラだけでは心許無いのが正直なところ。
そこでデジタル一眼レフカメラと同時にでも持ち歩ける「携帯性のよさ」、そして一定以上(少なくともスマホ以上)の「撮影性能」を持つカメラの購入を考えることに。この2つのポイントを意識した際に自然と候補に浮上したのがハイエンドコンデジでした。
イメージセンサーのサイズ、あるいは望遠倍率といった点ではどうしても差こそありますが、どうしてもハイエンドコンデジに頼らざるを得ないのは(想定では)緊急事態のみ。むしろそうでないシーンにおいて、より気軽に持ち出せる存在としてもコンパクトなカメラは魅力に映りました。
Panasonicの高級コンデジである
一方で“個人的な興味・関心”として機種選びに大きく影響を及ぼしたのが「Panasonic製のハイエンドコンパクトデジタルカメラがよい」ということ。
こちらは以前にかなり愛着を持って使っていたPanasonicのコミュニケーションカメラ「LUMIX DMC-CM1」およびその後発機「LUMIX DMC-CM10」の影響ですね。
SIMカードを挿すと単独でのモバイルデータ通信が可能なコミュニケーションカメラは、言い方を変えると“色モノ”ともいえる存在。しかし優れた携帯性、単独で通信できる便利さはもちろん、何より他社ハイエンドスマホと比べても一線を画するカメラとしての描写性能の高さは他にない魅力でした。
とはいえ仕様内容は着実に古くなってきており、OSのアップデート提供もナシ。今後も継続して使い続けていくことにはつらさも感じるように。
そんな中で頭に残っていたのがCP+2016で開発者に取材した際に聞いた「CM1のソフトウェアUIは部分的に一眼レフなど他モデルにも使われている」という話。そこで「後継機とまではいわずとも、同じように使えるモデルが出てくれば買い替えを考えたい」と常々思うように。そこに登場したのがLX9というわけです。
大口径のライカレンズの開放絞り値は、コミュニケーションカメラ2機種以上となるf/1.4の明るさ。さらには光学ズーム(通常3倍・最大6倍)にも対応しており、上位仕様品と考えてもよい内容。もちろんSIMカードを挿して使うことこそできませんが、そのあたりはWi-Fi機能、あるいは使用するSDメモリカードを工夫することで対処することにしました。
同梱品を紹介
パッケージ内容はわりとシンプル。カメラ本体の他には充電器、USBケーブル、バッテリー、ハンドストラップ、説明書類が入っています。
外観デザインをチェック
2016年11月17日に発売されたLX9。発売直後の実勢価格は85,000円(税込)前後とハイエンドコンデジの中でもそこそこ値が張りますが、そのかわり本体の質感もしっかり高級さを感じる仕上がりです。
▼本体カラーは黒ベース。ライカレンズを搭載する証として「LEICA」の文字やロゴが入る
▼モニターサイズは3型でタッチ操作にも対応
▼モニターは上方向に180度チルトする
▼チルト時は画面表示も上下に反転。自撮りも自然に楽しめる
▼モード変更ダイヤルの他に、操作ダイヤルも配備。割り当てる機能も変更できる
▼ポップアップ式のストロボも搭載
▼外装は金属製。首から下げられるようストラップホールは左右にある
▼外部入出力端子はHDMIとMicro USBの2つ
▼底には三脚用のネジ穴とバッテリー/SDメモリカード挿込口
▼挿込口を開いた様子
▼電源を入れたところ。カバーが開き、大口径のレンズが出現
▼倍率1倍でもレンズはおおよそ3cm飛び出る
▼倍率1倍での飛び出し具合(約3.3cm)
▼倍率3倍での飛び出し具合(約4.3cm)
▼レンズ周囲には細かい突起付きのフォーカスリング、メモリ付きの絞りリングを配置
▼片手で持てるコンパクトさ、でもしっかりな重厚感。単体だとやや滑りやすい点は心配
コンパクトなサイズでありつつ「よいモノを持っている」と感じられる重厚さが、手にしてまず抱いた印象です。
操作系統については、スマホなどで慣れているタッチ操作に対応すること、そして手動でピントを合わせる際に使うフォーカスリングのほかに、前述のコミュニケーションカメラでも採用されている「絞りリング」が配置されていることがポイント。
絞りリングは指をかける突起が水平方向に2箇所しかない、1段変えるための刻み幅(回す幅)が意外と大きい、といった点で正直慣れるまではストレスを感じました。しかし慣れさえすれば、直感的に設定が変更できる点は扱いやすさへと変わります。
そのほか見た目に関しては、モードダイヤルなど、物理的な操作系統が比較的シンプルである点は気に入っています。
一方でグリップ部の膨らみが浅く、さらにつや消しが施された外装は滑りやすいため、グリップ性が悪い点は使う中でかなり不満を感じるように。素の状態で片手にて操作する際は手から落としてしまわないか、かなり気を使うことでしょう。
この点は付属のハンドストラップを取り付け、使用する際には必ず手首に通してから使うことを徹底。またすべり止めとして後ほど紹介する張り革がかなりよい仕事をしてくれることに気が付きました。
撮影した写真(作例)を紹介
もともとは「デジタル一眼レフカメラの予備」ということを主目的として購入したLX9ですが、携帯性がよいため、現在は日常で毎日持ち歩くカメラとしてすっかり定着しました。より画質にこだわって記録したい、ズームで寄って撮影したい。そんなスマホカメラでは事足りない場面でかなり活躍しています。
ここではそんなシーンで撮影したものも含め、LX9で撮影した写真(作例)も紹介しておきます。撮影時はおもに「オート設定」「絞り優先」の2つを使用。写真に加えた加工はリサイズのみで、各写真はクリック(タップ)すればリサイズ前の原寸大でも表示できます。
写真下にはExif情報も載せているので、あわせて参考にしてみてください。
私の場合、LX9を使うシーンはだいたい「記録写真として全景をはっきりおさめたい」「ボケ味を引き出して写真撮影を楽しみたい」の2つに分かれます。前者の場合は「オート設定」で、後者の場合は「絞り優先」を使うことがほとんどです。
1インチのセンサーサイズ、開放時にf/1.4となる大口径で明るいレンズにより、細かい設定を考えずとも、いずれの用途でもかんたん・きれいに写真が撮れる点は、コミュニケーションカメラで感じていた魅力と通ずるものがあり、またハイエンドコンデジたるLX9の魅力といって間違いないでしょう。
また被写体にできるだけ接近したい場合でも、写真サイズ(記録画素数)を落とすことで段階的に最大3倍(Lサイズ:約2,000万画素)→最大4.2倍(Mサイズ:約1,000万画素)→最大6倍(Sサイズ:500万画素)と光学ズームの倍率を上げられる「EXズーム」機能も便利。
画素数を落とすとはいえ、引き伸ばして見る場合を除けば、大きく印象を変えること無く、より高倍率の写真撮影が可能です。
余談:月も撮れるハイブリッドズームが楽しい
標準で最大3倍、EXズーム機能も活用すると最大6倍の光学ズームが利用できるLX9ですが、このほかにもちろんデジタルズームも用意されています。
光学ズームとデジタルズームを併用した、いわゆる“ハイブリッドズーム”を使えば、ズーム倍率は最大で9倍に。こちらも被写体に明るさがあれば、画質をそこまで大きく落とすこと無く撮影が可能です。
このズームを生かした楽しみ方として最近わりとハマっているのが月の撮影。LX9のズーム機能ではこんなものも撮影できる!というよい例になると思うので、こちらも写真を載せておきますね。
▼【倍率:1倍】月なのか判断すらできない。スマホで撮影しても同じ距離感になる
▼【倍率:光学3倍】三日月であることがようやくわかる
▼【倍率:光学6倍】リサイズ加工しているが、月の模様がなんとなく写っていそうに見える
▼リサイズせず切り出してみたもの。模様がくっきり確認できる
▼【倍率:光学+デジタル9倍】リサイズしていてもなんとなく模様が見えるように
▼リサイズせず切り出してみたもの。模様やその濃淡がよりはっきり視認できる
▼【倍率:光学+デジタル9倍】お切りに入りの1枚。やや赤みがかった綺麗な満月
▼リサイズせずに切り出してみたもの
ここで紹介した写真は「マニュアル設定」で撮影していますが、撮影するにあたり、意識的に細かく設定を調整したのはズーム倍率とISO感度くらい。ISO感度については月の明るさを利用して、なるべく抑えて撮影しています。
夜間にズーム撮影を行う場合は一般的にブレも起きやすいですが、その心配もなく、でも引き伸ばしてみると月の模様のシルエット、そして濃淡までしっかり記録できることに気が付き、感動したことを覚えています。
移動中にデジタル一眼レフで撮影しようと思えば、まずバッグから機材を取り出して、組み立てて……と手間がかかるので試す気にすらならなかったのですが、これがパッとできる俊敏性もLX9の魅力として強く感じるポイントですね。
使う中で別途用意したアクセサリー
LX9を購入するにあたり、あらかじめ、あるいは後から追加で用意したアクセサリー・周辺機器がいくつかあります。こちらはLX9を「より安心して使う」「より便利に使う」ために役立っているものなので、あわせて参考にしてみてください。
液晶保護フィルム
1つめは液晶保護フィルム。前述の通り、LX9のモニターはタッチ操作対応ということもあり、触れる機会も必然的に多くなります。
こちらは特に商品選びにこだわったわけではなく、LX9発売日の時点で購入できたケンコー「マスターG 液晶保護フィルム」を貼っています。
はじめはキズの付着防止と考えて貼ったフィルムでしたが、8ヶ月も使うと、タッチ操作等によってフィルム表面のコーティングも禿げてきました。こういう結果を見ると、フィルムを貼っておいてよかったと実感しますね。
今のところモニターの視認に大きな影響はありませんが、見づらい(あるいは操作しづらい)と感じるようになったら、貼り替えるつもりです。
TransferJet対応SDメモリカード
コミュニケーションカメラの「単独でデータ通信ができる」ことに慣れると、Wi-Fi機能でもストレスを感じる場合がでてきます。
そこでもう少しデータ転送をストレスなくできるように、と選んで使っているのが東芝「TransferJet対応SDメモリカード」。こちらは以前購入したものがあったので、これを活用することに。
なおこのSDメモリーカードを使った近接無線通信でデータを転送する場合、受け手となるデバイス側にもTransferJet機能が内蔵されている、あるいは外付けアダプタを装着する必要があります。
アダプタはデバイスに設けられた端子の種類ごとにUSBタイプ(パソコン用)、Micro USBタイプ(Android端末用)、Lightningタイプ(iOS端末用)の3種類が発売中。カメラからどのデバイスに向けてデータを転送する機会が多いのかを考えて選ぶのがよいですね。
ちなみに私は、すぐその場でSNSなどにシェアしたい写真はスマホで撮影するようになってきたため、現在はUSBタイプのアダプタのみを使用。どうしてもLX9で撮影した写真をすぐに、という場合はやや手間ですがWi-Fi機能を使っています。
余談ですが、私がTransferJet製品を購入したタイミングではまだ、Mac対応ソフトウェアがリリースされていませんでした。しかしこちらも2016年8月にソフトウェアがリリースされた模様です。パソコンへデータを転送する場合に、より便利に使える存在となりました。
ポーチ(ピクスギア・タフ)
携帯性のよさを生かし、必要なときにすぐ取り出せる状態にしておきたかったため、ポーチはカラビナ付きタイプを用意。カメラの外寸とポーチの内寸をじっくり検討して選んだのがHAKUBA(ハクバ)「ピクスギア・タフ(Mサイズ)」です。
特徴としてカメラを収納するポケット部に硬さのある芯材が入っており、外からの衝撃が伝わりにくいということが挙げられます。
サイズは幅と厚みはやや余裕があり、無理にカメラを押し込む・引っ張るという感覚がありません。深さもさらにもう少し余裕があるので、しっかり収納できますよ。
ポーチ背面には一応取り外しも可能なカラビナを装着。
日常で持ち歩くSamsoniteのPCバッグにも“外付けポーチ”としてぶら下げて歩ける点はかなり便利。必要な時はさっと取り出して、すぐに撮影に移れます。
ピクスギアには今回紹介しているMサイズと別に、ひとまわりサイズの大きいLサイズも存在。見た目で違う(縦型と横型)ことははっきりわかりますが、ネット通販などで購入する際には間違えないよう注意したいところ。
張り革
機能・性能面では使い始めて8ヶ月が経過した今でも大きな不満を感じていないLX9。ただし扱いやすさについて唯一とても気になっていたのが「グリップ性の悪さ」です。さきほども書いたとおり、グリップ部の構造と素材の関係で、片手で持つのが怖い。
あいにく専用に設計されたカメラグリップもメーカー純正品・サードパーティー製品ともに見つけられなかったので、張り革を購入し、貼り付けてみることにしました。
▼1枚もののシートスタイルで購入できる張り革。自分で切って使う
▼適当にカットし、同梱の両面テープで貼り付けた様子
▼貼り付けたエリアは前面~側面にかけて。中指が当たる部分を意識
本当はもう少ししっかりとデザインしてカットできればよいのですが、不器用なのでこればかりはしかたがありません(笑)とはいえ、張り革というこのちょっとした存在ひとつで、グリップ性は明らかに向上しました。別に手に吸い付くようなモチっとした質感があるわけでもないのですが、やはり細かい突起の存在が滑り止めとして有効に機能していることは間違いありません。
よくできた形状にカットできた場合は、その張り革をもとに型紙を残しておくと、今後貼り替える際にも役立ちそうですね。私も上の写真の貼り革で型紙を確保しています。
さいごに
私が購入した発売直後のタイミングでは実勢価格が85,000円(税込)前後。そこから8ヶ月が経過した2017年7月時点においても実勢価格は75,000円(税込)前後とそこまで大きく値下がりしていないLX9。安い買い物ではありませんが、それでもカメラとしての撮影機能、携帯性のよさを考えると、正直直近1年間でのマイ・ベスト・バイといえる存在です。
物撮りする際に「デジタル一眼レフカメラを出してくるのが面倒だなぁ」という場面においても、照明などの明るさがある程度確保できるのであれば、LX9で事済むようになったことも含め、あらためて購入してよかった存在と強く感じています。
ハイエンドコンパクトデジタルカメラには最新の他社製品、そして型落ちしている代わりにかなり手ごろな価格で購入できる商品なども多くラインナップされています。ただそんな中でも、LX9はやや予算を多くとっても購入する価値は十分にある1台でしょう。
特に現状のスマホカメラを補う「大型センサーによる描写性能の高さ」「光学ズーム対応」「f/1.4によるボケ味を楽しめる」存在としての魅力は素晴らしいの一言です。