国内大手の音響機器メーカー・ONKYO(オンキヨー)が発売した“ハイレゾ・オーディオ・スマホ”こと「DP-CMX1 GRANBEAT」。発売日に購入してから約2ヶ月、毎日使ってきました。
気がつけばカメラで撮影した写真のかなりの枚数になっていたので、この記事ではONKYO DP-CMX1 GRANBEATのカメラ機能について、実際の作例や使ってみての感想を紹介します。
カメラの印象を先に述べると、手間と工夫次第ではスマホカメラとしても十分使えるものの、慣れるまでには時間がかかるクセモノといったところですね。
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記事の目次
カメラ仕様をおさらい
DP-CMX1 GRANBEAT(以下、GRANEBEAT)が搭載するカメラは、メインカメラが有効画素数1,600万画素、サブカメラ(セルフィーカメラ)が800万画素。
音楽プレイヤーとしての機能・性能の高さが最大の特徴であるGRANBEATですが、メインカメラについてもSony製ExmorRSセンサー、そしてf/2.0と明るいレンズを採用していることをアピールしています。
HDR撮影や4K動画撮影もサポートしており、現行のミドルレンジモデルクラス以上の仕様・機能は備えた内容といえますね。
カメラアプリのUI
GRANBEATのカメラアプリはUIデザインも含め、ONKYO独自のもの。横向きに構えると、中央にプレビュー画面、その左右両脇に設定項目やシャッターボタン、画像プレビューなどが並びます。
▼カメラアプリでも黄色がデザインのアクセントに使われている
撮影に関する細かな設定として、ISO感度、露出、測光モードはマニュアルで設定が可能です。
▼ISO感度はISO100~ISO1600の範囲、5段階+αで設定可能
▼露出は5段階の範囲で設定する
▼測光モードは「分割」「中央部重点」「スポット」の3種類から選択
その他、顔検出や赤目検出も。
一方で個人的に残念だったのが、構図決めをサポートしてくれるガイド線は表示できないということ。これがあるだけで写真撮影がかなり楽になるだけに、ぜひとも付けてほしかったもの。
最近見かける頻度が増えた「プレビューに透過して操作ボタンを配置するスタイル」ではなく、操作ボタンがプレビュー画面の両脇に現れる黒帯の上に配置されている点は幸いでした。慣れればそれなりには位置決めもできるはず。
カメラでの作例を紹介
ここからは実際にGRANBEATのメインカメラで撮影した作例を載せていきます。
撮影はすべてオートモードで実施。加工はリサイズのみで、画像をタップ(クリック)すれば原寸大のモノも表示可能にしてあります。写真の下にはExif情報も記載したので、こちらも含めて参考にしてみてください。
HDR撮影を試す
まずはHDRをオフ/オン切り替えて撮影した写真を紹介。
▼HDRオフ:曇天の昼間に撮影
▼HDRオン:曇天の昼間に撮影
▼HDRオフ:晴天の昼間に撮影
▼HDRオン:晴天の昼間に撮影
▼HDRオフ:曇天の昼間に撮影
▼HDRオン:曇天の昼間に撮影
▼HDRオフ:晴天の昼間に撮影
▼HDRオン:晴天の昼間に撮影
▼HDRオフ:晴天の夕方に撮影
▼HDRオン:晴天の夕方に撮影
▼HDRオフ:晴天の夜間に撮影
▼HDRオン:晴天の夜間に撮影
▼HDRオフ:晴天の夜間に撮影
▼HDRオン:晴天の夜間に撮影
▼HDRオフ:落ち着いた明るさの屋内で撮影
▼HDRオン:落ち着いた明るさの屋内で撮影
HDRオフの状態でオート撮影してみると、露出の自動調整に癖があるのか、写真の仕上がりにはバラつきが。
HDR撮影は効果抜群といったところで、明暗両方のバランスを取った1枚を作成してくれます。日中など光量が十分な環境では、合成のためのタイムラグもほぼ感じません。
一方で撮影環境によっては、やや作りすぎとも感じる色合いに仕上がるケースがあります。万能・手軽に使える機能とまではいえないかも。光量の少ない夜間の撮影も、得意とはいえない印象ですね。
ちなみにHDR撮影では合成前(露出を抑えた写真)と合成後、2枚の写真が出力されます。
マクロ撮影(接写)を試す
次はマクロ撮影(接写)を試した写真。
▼明るい屋内で撮影。実際に目で見るよりもやや暗い印象
▼晴天の日中に撮影。鮮やかな色は見たとおりに近く記録できた
▼晴天の日中に撮影。風に揺られて被写体がブレたが、色味は自然
▼晴天の日中に撮影。花びらのグラデーションはキレイだが、やや作ったような印象も
マクロ撮影については、被写体にも結構近くまで寄ることが可能でした。色も見たままに近く、鮮やかに記録できます。
料理撮影を試す
続いては料理を撮影。
▼屋内、頭上に照明がある環境で撮影。悪い感じはしない
▼落ち着いた明るさの屋内で撮影。変に青みがかることもなく、おいしそうに撮れた
▼同じ状況で料理に接近して再撮影。全体がより温かみのある色合いになり、食欲をそそる
基本的には屋内で撮影することが多い料理写真。照明の配置や屋内の雰囲気により、多少工夫は必要なものの、しっかりおいしそうに撮影できる性能はあると感じました。
撮影モードを手動で選べばよりキレイに
GRANBEATには「オート」モードも含めて全11種類の撮影モードが搭載されています。
具体的には以下のとおりで、撮影シーンごとに使い分けるような内容です。
- オート
- HDR
- ポートレート
- 風景
- スポーツ
- フラワー
- バックライト(逆光)
- ロウソク
- 夕焼け
- 夜景
- ビーチ
できればオートモードだけで手軽に取りたいものですが、さすがにフラグシップやハイエンドと行った機種のカメラと比べると、きれいに撮るにはやや手間や工夫が必要です。
光源の位置を意識するといった基本的なこととあわせて、撮影モードを手動である程度選べるようになると、より雰囲気のある写真が撮れるようになります。
以下3枚はすべて同じ撮影環境で撮影したもの。印象がだいぶ異なることがわかりますよね。
▼例:オートモードで撮影
▼例:バックライトモードで撮影
▼例:ビーチモードで撮影
個人的にはスマホのカメラでもっとも撮影頻度が高いものといえば料理。料理の場合、店内が落ち着いた雰囲気だと、照度も控えめな場合に多く遭遇します。
▼オートモードで撮影。やや寒色よりでさっぱりした写りに
そんな場面で活用するのはロウソクモードですね。光量がある屋外では画面が強烈に青くなることもあるモードですが、落ち着いた明るさの環境においてはよい具合に温かみを与えてくれます。
▼ロウソクモードで撮影。温かみが増して、だいぶ美味しそうになった
さいごに
あくまでオーディオプレーヤーとしての機能を目当てに購入したGRANBEAT。例えばこれまでiPhoneを使っていたユーザーがGRANBEATに機種変更すると、その大部分はカメラに慣れるまで苦労しそう……というのが強く感じているところですね。
とはいえ手間や工夫によっては、スマホのカメラとして考えれば十分使える性能は備えているとも思います。
スマホとしてどの程度使えるのかが気になっていた、なんて方は、今回紹介した内容もぜひ参考にしてみてくださいね。
なお2017年4月21日(金)時点であらためてGRANBEATの販売価格を確認してみると、ONKYO公式オンラインストア「ONKYO DIRECT」では発売当初から変わらない91,584円(税込)で販売中。
一方でビックカメラやヨドバシカメラといった量販店、Amazon.co.jpやeイヤホン Yahoo!店などの各オンラインストアでは、1,000円ほどではあるものの、値下げも見られるようになってきています。