Xperiaアンバサダーのモニター企画でお借りしていた au の Xperia Z4 SOV31。モニター期間ももう終わりということで、ちょうど昨日返送してきました。今回は 1ヶ月間 Xperia Z4 を使ってみて感じたよい点・気になった点を振り返って整理しておきます。
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それぞれ楽しく使える2つのカメラがいい
Xperia といえば機能面での最大の特徴(性能が高い)といえるのがカメラ。特に今作 Xperia Z4 のカメラは、フロントカメラ、リアカメラともに過去最高に”楽しく使える”出来に仕上がっています。中でも私が最初に関心を持ったのがフロントカメラ。
有効画素数がこれまでから大幅に上昇(220万画素→510万画素)し、ぱっと見ではインカメラで撮影した写真とはわからないほどきめ細やかに。また25mmの広角レンズを搭載することで、”自撮り”ならぬ”自分たち撮り”すらセルカ棒なしで実現できる仕様となっています。
また個人的に強く推したい機能がスタイルポートレート機能、ARマスク機能といったエフェクト機能。アンバサダーのイベント中に、開発担当者の話そっちのけで夢中になってしまうほどに ”楽しく使える” という印象を強く受けました。この楽しさを伝えるためなら…と顔出ししたくらいです。
Galaxy S6/S6 edgeのジェスチャー撮影機能のように ”気軽に撮れる” ことも大きな魅力ですが、このスタイルポートレートやARマスクといった ”楽しく撮れる” ということもまた、大きな魅力です。現在では(インカメラやレンズの高性能化により)セルフィー機能に注力した端末もかなり増えつつありますが、今回のXperiaに搭載されているこれらのエフェクト機能はその一歩先を進んでいるのは?といった気すらします。今後は他社もカメラの性能+αといったところでセルフィー機能を強化してくるのではないでしょうか。
またリアカメラについても歴代Xperiaと比較した際に大きな変更がありました。それがプレミアムおまかせオート撮影モードに搭載された 料理モード。これまでのXperiaのカメラは性能はよいものの、食べ物を撮影すると全体的に青みがかってしまい、不名誉なことに”飯まずカメラ”なんていわれてしまうこともありました。そこを上手に改善してきたことを強く実感させる仕上がりとなっています。
またもちろんのことながら、通常使用においてのカメラの性能も健在。薄暗いところでもコンデジ同等(ものによってはそれ以上)にキレイに撮れるカメラ。
それだけに、唯一、搭載してるCPU(Snapdragon 810)の発熱性の高さにより連続して使用し続けることが難しい点だけが非常に残念な限りです。
質感にこだわったデザインがいい
Xperiaシリーズのフラッグシップモデルにおいて今や定番となったオムニバランスデザイン。このデザインもXperia Z4ではさらに洗練され、シンプルに仕上げられています。Xperiaシリーズはその形状から”板”と表されることも多いですが、今作においてはより”板”に近づいた(無駄なものを排除してシンプルになった)といるでしょう。
今作でデザインにおいて意見が最も大きくわかれているのはおそらくコーナーに用いられた樹脂パーツ。使用していく中でも輝きを失わないよう、樹脂素材を二層重ねるといった構造になっていますが、これが結果的に金属フレームより強い光沢を放ってしまい、逆に浮いているという意見が多く聞かれます。
私も発表当初はかなり残念に思っていたのですが、実物を見て、開発者から構造の説明を聞いて、実際に使ってみて、といった中でだいぶ印象がよい方向に変わりました。たしかに全体としての統一感といわれると浮いているとは思いますが、光沢具体が本当によく、暇な時にまじまじ眺めてしまったり(笑)
また今回はじめにお借りしていたモニター機(本体カラー:Copper)に不具合が発生してしまい、後から別の端末(本体カラー:White)に交換してもらう自体が発生しましたが、本体カラーによってこの樹脂パーツの浮き具合も結構変わるように感じました。
デザインがよい端末ほど、ケースに入れずに素のままで使いたいという気持ちにさせてくれるだけに、(素の状態での)耐衝撃性を維持しつつ、非常に開発者のこだわりが感じられる部分として、これはこれでアリだと思います。
キャップレス防水ならではの気軽さが逆に気になる
今作からは、防水機能を持ちつつもMicroUSB端子が剥き出しのキャップレス防水仕様へと変更、従来左の側面に配置されていたマグネットチャージコネクタは廃止となりました。ここも人によって好みが分かれるところですが、個人的にはマグネットチャージコネクタのほうが安心して使えたように感じました。
MicroUSB端子のキャップレス防水化によって端末に設けられた防水キャップは開け閉め頻度が比較的少ないものひとつ(SIMカードとmicroSDカード用)だけとなりました。これによってキャップの締め忘れによる浸水の心配は大いに減りました。その点は非常に素晴らしいと思うのですが、端子が水に濡れてしまった後、端子が拭きづらい。でも当然濡れた状態で充電などをしようとすれば故障へとつながってしまいます。
MicroUSBコネクタの形状の問題なので仕方ない部分ではありますが、直接端子を拭くことが難しいのであれば、これまでのような防水キャップの下に隠して、フタを閉め忘れないことだけ意識すればOK、という設計のほうが好みです。
CPUの発熱が”かなり”気になる
この夏非常に”熱く”話題になっているのが Qualcomm Snapdragon 810 の発熱問題。このXperia Z4にも同CPUが搭載されています。Xperia Z4の場合、場所はリアカメラの右横あたりです。
まず実際に使ってみると発熱の仕方がこれまで触ってきた端末の中でも激しいな、という印象。温度の上がり幅もそこそこあるのですが、それ以上に ”比較的負荷の軽い処理でも発熱しやすい” というべきかと。Kindleアプリでの読書程度なら問題ないのですが、SmartNewsなどのニュースアプリを閲覧しているだけでも熱くなる。
ただこのせいで端末を持つことができないか?と問われれば、そこまでではありません。前述のとおり、CPUの配置が端末背面上部になっているため、片手で持っている時に手が触れる位置ではありません。
発熱に関しての問題は、どちらかというと 熱を帯びたことでCPUの処理速度が低下することにあります。ベンチマークスコアを測定する際も、 測定のため負荷をかける→負荷をかけられたCPUが発熱する→処理速度が低下する→ベンチマークスコアが伸びない といった状態になっています。
また先に触れたカメラのよさについても、端末の温度が上がってしまうとカメラアプリが強制終了する設計となっていることから、この発熱問題によってよい機能が満足に使えない、といった状況に頻繁に陥りました。せっかくの強みがCPUによってかき消されてしまったことは大変残念に思います。
最後に
発表当初は Xperia Z3 と部分的にしか変わっていない という印象が強く、非常にがっかりした記憶があります。しかし今回Xperiaアンバサダーとしてイベントに出席し、開発担当者から話を聞き、実機を使用し、といった中でスペック表の数値からだけでは読み取れない進化が詰まっているということがわかりました。ただいずれの機能の特長もCPUの発熱によって薄められてしまう、といった点だけが本当に残念です。
個々の機能は間違いなく ”便利に” そして ”楽しく” 使えるように進化を遂げているだけに、今後のソフトウェアアップデート(あるいは次回作)にてこの発熱問題が解決され、Xperiaの真価を発揮できるようになることを期待したいと思います。