今年5月に東京・成田国際空港経由で台湾へ初渡航。その後、仙台国際空港-台湾桃園国際空港を結ぶLCC・タイガーエア台湾が就航したたこともあり、2016年6月以降は1~2ヶ月に1回ほどの高頻度で台湾を訪問しています。
そんな折、ブログ『shimajiro@mobiler』の Jun Shimada(@shimajiro)さんから直近12ヶ月での台湾渡航回数が3回以上あれば、入国審査の時間を短縮できる常客證(快速査驗通關證明)なる存在を教えてもらいました。
先日ちょうどまた台湾を訪問したので、その際に申請と使用を試してみることに。この記事では常客證(快速査驗通關證明)の申請方法と実際に使用してみて感じたことをメモとして整理し、紹介していきます。
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記事の目次
常客證でできること
常客證(快速査驗通關證明。Speedy Immigration Inspection Certificate)はインターネットからの事前申請で発行できる証明書。台湾到着後の入国審査を受ける際、一般的な渡航者(台湾外居住の外国人)向けとは異なる、専用の検査カウンターにて入国審査が受けられます。
この特別な窓口が利用できる最大のメリットは入国審査を受けるまでのスピードが大幅に短くなること。飛行機の着時刻にもよるものの、混み合うことの多い一般的な渡航者向けの検査カウンターより列が短いことがほとんどであり、結果的に待ち時間が短く済むといった印象です(場合により通常のカウンターを案内されるケースもあるとのこと)。
なお誰でも申請が可能なわけではなく、申請にあたっては直近1年間(12ヶ月間)で3回以上、台湾へ渡航していることが条件になっています。
有効期限は発行日から換算して1年間。この間にパスポートの再発行(記載事項の変更や再申請含む)を行なった場合は、(パスポート番号が変わるため)改めての申請が必要です。
申請方法と入力情報の説明
常客證の申請はインターネット上で行ないます。申請の条件を満たしていれば、手続きにあたっては手元にパスポートだけ用意しておけば大丈夫です。
まずは以下の常客證申請ページ(英語サイト)にアクセスします。
申請ページを開いたら、画面下部にある青文字「Yes, I understand the content and requirement above, and want apply.(上記内容を理解した上で申請します、の意)」をクリック。
申請するための必要情報を入力する画面が開きます。
各項目が示す内容をグループ別に整理しておきます。
Applicant Information
申請者の情報を入力する欄です。各項目の意味する内容は次のとおり。
- First Name/Given Name(名)
- Last Name/Family Name(姓)
- Date of Birth(生年月日)
- Sex(性別)
- Nationality(国籍)
- Email Address(Eメールアドレス)
- Home Address(現住所)
- Cell Phone Number(携帯電話の番号)
- Home Telephone Number(自宅電話の番号)
大体の項目はパスポートに書かれている内容をそのまま写して書くだけで大丈夫です。パスポート取得済みということを考えるとわかりそうですが、念のため現住所と携帯電話の番号、自宅電話の番号について書き方(例)を書いておきます。
〒123-4567 宮城県仙台市青葉区ふが町8-9-10 マンションふが1112号室 の場合
↓
#1112 Mansion Fuga, 8-9-10, Fugafuga-cho, Aoba-ku, Sendai-shi, Miyagi, 123-4567, Japan
住所を日本語から英語に置き換える際は、基本的に逆順にして書いていきます。
090-1234-5678 の場合
↓
90-12345678
2016年11月時点において日本国内で運用されている携帯電話は090、080および070の3桁の番号から始まります。常客証の携帯電話の番号欄には、頭の0(ゼロ)をひとつ省き、それ以降を入力します。
022-123-4567 の場合
↓
Telephone Country Code:+81
Telephone Number:221234567
ここではまずはじめにTelephone Country Code(国番号)の欄に、日本の国番号である「81」を入力。続いてその下のTelephone Numberの欄に、頭の0(ゼロ)を省いた番号を入力します。
この欄は携帯電話の番号でも大丈夫でした。「090-12345678」の場合であれば、国番号は変わらず「81」、電話番号欄に「9012345678」と入力すればOKです。
Document Information
申請にあたって必要となる書類の情報を入力する欄です。日本在住の日本人の場合、観光を目的とした短期での台湾に対してはビザは不要。ここでは主にパスポート情報を入力することになります。
- Passport Number(パスポート番号)
- Passport Issuing Country(パスポート発行国)
- Passport Issuance Date(パスポート発行年月日)
- Passport Expiration Date(パスポートの有効期限)
- Identity Card Number(身分証番号)
- Visa Type(ビザの種類)
- Visa Number(ビザ番号)
今回申請にあたり私が入力したのは上の5つの項目。基本的にはパスポートを確認すればすべて迷わず入力できる項目です。
最後(5つ目)のIdentity Card Numberには、パスポート番号をもう1度入力。
ビザ関連の2項目については、台湾訪問目的が「観光」であればVisa Typeは「Visa-Exempt(ビザ免除)」を選択。Visa Numberは未入力とします。
Recent 3 times to visit Taiwan in 1 year Information
直近1年間に台湾を訪問した際の日付(年月日)を入力する欄です。
Another Passportと書かれたNO/YESを選ぶ欄は「直近12ヶ月の台湾訪問時に複数のパスポートを使ったか?」と質問されています。
パスポートの有効期限切れや再発行などで途中パスポート番号の変更があり、この後に申告する3回の訪問年月日で番号の異なる複数のパスポートを使用している場合はYESを選択。その下のOther(Old)Passport Numberに古いパスポートのパスポート番号を入力します。
申告する3回すべてで同じパスポートを使っている場合はNOを選べばOKです。
NO/YES回答欄の下にあるのは直近3回の訪問年月日を申告する欄。
- Entry Date 1(1つ目の訪問年月日)
- Entry Date 2(2つ目の訪問年月日)
- Entry Date 3(3つ目の訪問年月日)
こちらはパスポートに押されている入国審査時のスタンプ日付を確認すれば、特に困ること無く入力できますね。
Honk Kong and Macau, mainland chinese residents please fill in the fields below.
香港、マカオおよび中国本土に居住している場合にのみ入力が必要な項目です。日本在住の日本人であれば入力不要な項目ですので、ここは飛ばして大丈夫。
- Permit Number(許可番号)
- Permit Issuance Date(許可発行年月日)
- Permit Expiry Date(許可有効期限)
Other Information
その他の情報ということで、台湾滞在の目的や滞在中の住所など、入国登記表(Arrival Card)に記入するような情報を入力していきます。
- Purpose of Visit(滞在の目的)
- Address in Taiwan or Hotel Name(滞在先の住所またはホテル名)
- Telephone Number in Taiwan (option)(台湾での電話番号)※任意入力
- Verify Code(確認コード)
Verify Codeについては、入力欄の横に表示されている数字(4桁)をそのまま入力すればOKです。
ここまでに説明した項目をひととおり入力し終えたら、画面最下部にある【Apply】をクリック。すると入力した情報の確認画面が開くので、内容に間違いがなければ【Print】をクリック。あとは紙に印刷すれば申請・発行は完了です。
こちらが実際に発行された常客証のイメージ。
なお申請した常客証の有効期限は発行から1年間。期間を空けて、有効期限内に複数回の台湾訪問予定がある場合はPDFファイルとして保存しておき、使用時に都度印刷する(使い終わったらシュレッダーにかける)とよいかと思います。
使用方法
発行した常客証を実際に使ってみましょう。
常客証を使う場所は台湾到着後、入国審査を行なう際。常客証は事前に紙に印刷して持っておく他、併せてパスポートと入国登記表(Arrival Card)も通常通り用意しておきます。
台湾の空港に到着したら、入国審査の検査カウンターにて「Speedy Immigration Inspection」と表示されているところを探しましょう。2016年11月に私が利用した際は、検査カウンター上の電光掲示板に黄色い文字で上記英語の文字が表示されていました。
検査カウンターでは常客証、パスポート、入国登記表(Arrival Card)の3つを検査員へ渡します。なお虹彩と指紋の登録は通常の検査カウンター同様に必要です。
審査が済むと、パスポートとともに常客証も返却してもらえます。
実際に使ってみて
実際に常客証を使用して入国審査を受けてみた感想ですが、正直これまで(通常の検査カウンターを利用していた時)と比べて、審査に要する時間は大幅に短くなりました。
具体的にはまずカウンターに並んでいる列の長さが短い。これまでは自分が登場していた飛行機、同じ時刻に到着した他の便も含め、常客が長い列をつくって審査をも待っている状態でしたが、今回常客証が使えるカウンターに並んでいたのは私の前に3~4人ほど。
またひとりにかかる審査もスピーディーな印象。私自身、今回は列に並んでから入国審査を通過するまで、わずか3~4分しかかかりませんでした。
最後に
申請がインターネット上からできるという簡単さ、そして実際に常客証を使用することで得られるメリット(入国審査全体に要する時間の短縮)はとても魅力的です。
LCCだと台湾到着が深夜になるケースもあり、こういった場合は空港から市街地までの移動に使えるバスも行列ができていることが多いです。少しでも早くバスの待機列に並べるという意味でも、定期的に台湾に訪れるのであれば、積極的に活用してみたいものですね。
なお定期的な台湾訪問の予定があるのであれば、事前にインターネット上からリチャージできる台灣大哥大(台湾モバイル)のプリペイドSIMカードはかなり便利です。興味があれば、併せてぜひチェックしてみて下さい。