TCLコミュニケーションが有するAlcatel Onetouchブランドにおいて初となるスマートウォッチ Alcatel Onetouch Watch を入手、使用開始して1ヶ月半になります。今回はこの Alcatel Onetouch Watch の機能や使用感を整理してレビューすることにします。なお実際に1ヶ月半ほど使ってみての印象としては 活動内容の記録と最低限の通知確認が主な用途であれば、購入価格も含めて十分オススメできる製品 といえるでしょう。
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記事の目次
外観と装着感
Alcatel Onetouch Watchは現在 Black/Red と White の2カラー、S/Mサイズ と M/Lサイズ の2サイズがバリエーションとして存在しており、私が現在使用しているのは Black/Red の S/Mサイズ。
開封時の外観レビューでも触れていますが、時計の文字盤のフレーム素材は金属素材。しっかり磨かれた質感が見た目からわかり、安っぽさはありません。見た目に関しては正直、下手なAndroid Wearよりも断然に上といえます。
バンド部分の材質はシリコン系。こちらもスマホのケースなどで見かけるチープなものでなく、かなりしっかりとした質感で、デザインも非常に細かくきれいに仕上がっています。スマホとの接続はBluetoothで行ないますが、連携時にはNFCタグが利用可能。タグはバンドに搭載、という少し変わったつくりになっています。
バントと本体(文字盤)の固定には十字ビスを用いており、市販のバンドとの互換性はありません。カジュアルスタイル、あるいはスポーツウォッチとして使用するにはおしゃれといえる一方、スーツなどのフォーマルスタイルに合わせるのは難しいでしょう。
サイズは無断階での調整が可能。実質はバンドの内側に設けられた凹凸の凹の部分を利用して固定する形。凹と凹のスパンが約4mmほどになっており、1mm単位など本当に細かい調整は難しい(凸の部分でも一応固定することは可能)ですが、おそらくそこまで気になる方はあまりいないのではないか、というのが個人的な感想です。ですので、入手する場合にはバンドサイズ(S/Mサイズ or M/Lサイズ)だけ確認しておけば、あとはかなり快適に身につけられるでしょう。
文字盤は円形に見えるディスプレイの下部分がやや欠けた状態になっており、この欠けた部分にホームボタンが仕込まれています。タッチの感度はごくごく普通で、使っていてストレスを感じることはありません。後述する各機能を呼び出す際、および各機能から時計表示に戻る際では反応を返してくれるエリア(タッチを認識してくれるエリア)が上下にややズレますが、これもそれぞれの画面に合わせて微調整されているといった印象。クセを理解すればむしろ使いやすく感じます。
文字盤面は縁の部分がラウンド形状となっており、全面を覆うことができる保護フィルムはなかなか見つからないでしょう。私はビザビに作成してもらった、液晶ディスプレイ部分のみを保護するフィルムを貼って使用しています。どうしても全面を守りたい、ということであればグラスコートなどを使って 保護フィルムを貼る以外の方法 を検討することになります。
バンドサイズは前述のとおりS/Mサイズ、M/Lサイズがあります。私自身、手首はどちらかといえば細いほうだと思うものの、S/Mサイズでもサイズ調整をすると余っている(長くするほうへ調節できる)長さは結構あるので、成人男性でも十分小さい方のサイズで使用できる可能性は高いです。このあたりはAlcatel Onetouch Watchの商品ページに実寸が確認できるキットが用意されていますので、気になる方はそちらで。
ただし手首は細めだけど手のひらのサイズは大きめという方は注意が必要です。バンドを占めるためのバックル部がそれほど長めにはできていないため、バンドの長さを短めに設定すると脱着に手間がかかる(手のひらが通せない)可能性があります。
これにもややコツがあり、ディスプレイを手のひら側に向けて脱着するとかなり容易に行なうことができます。
利用できる機能
アカウントの登録
Alcatel Onetouch Watchでは、(現状においては)アプリの追加インストールによる機能追加はできません。基本的には はじめから使える機能が使える機能のすべて ということになります。今後機能の追加があれば、それはおそらくソフトウェアアップデートにて対応することになるでしょう。
使える機能の中に活動内容の記録があり、これらのデータはクラウド上に保管することになります。そしてこのデータを保管するにあたってはアカウントの登録が必要です。管理用のアカウントにはAlcatel Onetouchのアカウントの他、Google、Facebook、Twitter、QQ(キューキュー)、Weibo(ウェイボー)、WeChat(ウィーチャット)といった外部サービスのものを利用することも可能です。
ウォッチ側から利用できる機能
Alcatel Onetouch Watch上で利用できる機能は次のとおり。
- スマホに届いた通知の表示
- 天気予報の確認
- アクティビティと睡眠時間の記録
- 心拍数の測定
- ラップタイムの計測
- ストップウォッチ
- 音楽再生のコントロール
- コンパス
- スマホカメラのリモートシャッター
- ウォッチフェイス(文字盤デザイン)の変更
- スマホの呼び出し
- 振動のON/OFF切り替え
- フライトモードのON/OFF切り替え
- ディスプレイ照度の調整
- ディスプレイ配色の変更
各機能を使う場合は時計表示の画面からホームボタンを押して遷移するアプリドロワーを開きます。アプリドロワーのインターフェースデザインはシンプルですが、お世辞にもセンスがよいとはいえません。とはいえ、この画面自体は操作する本人(自分)以外が目にすることはほとんどないので、そこも含めればあまり気にする必要はないかもしれません。
スマホに届いた通知の表示
連携しているスマホが受信したメールやメッセージの受信通知、通話の着信をリアルタイムで受け取ることができます。Alcatel Onetouch Watch自体にはスピーカーが搭載されていないため、受け取ったことは 本体が振動 することで教えてくれます。
こちらはメールやメッセージアプリ等の通知表示画面。アプリごとの切り替え、複数たまっているメールの切り替えは画面スワイプで行ないます。この画面以外も含め、スワイプ時の挙動はヌルヌル(なめらか)よりサクサク(かっちり)に近い印象。動作自体はやや鈍さはありますが、特にストレスになるというレベルではありません。
通知を受信した際もその内容がディスプレイに表示されることはなく、あくまで ”何か来たこと” が “装着してる本人にだけ分かる” 仕様です。通知内容を確認するためには画面を点灯させ、操作する必要があります。時計本体に加速度センサーが搭載されているため、画面の点灯は 自分の目の前に時計も持ってくる か 本体横のボタンを押す のいずれかで行ないます。センサーを使って点灯させる場合は、結構はっきりと手を動かさないときちんと動作しないこともあり、ここはややストレスを感じます。
またAndroid Wearのように、通知をスワイプで消すことはできません。時計側から通知を消したい場合は、連携しているスマホ上で通知を消す必要があります。ただメールが複数件溜たまった場合などは新しいメールが上にくる仕様となっているため、”個人的には”そこまで不便さは感じません(通知を常に消したい人は気になるでしょうね)。
こちらは着信時に表示される画面。Alcatel Onetouch Watch上でできるのは、着信音を消す、着信を切るのいずれかです。着信に出るためには連携しているスマホを取り出す必要があります。
なおAlcatel Onetouch Watch本体に転送する通知の種類は、専用アプリ Move より設定することが可能です。
天気予報の確認
連携しているスマホの位置情報を使って、当日を含めた5日分の天気、最高気温および最低気温を確認することができます。
1画面につき1日、というレイアウトになっており、異なる日の情報を確認するには画面を左右にスワイプする必要があります。
アクティビティと睡眠時間の記録
Alcatel Onetouch Watchはアクティビティトラッカーとして活動記録と睡眠時間を記録することができます。当日分の記録内容は時計本体で、過去分以降も含めた内容はスマホにインストールした専用アプリ Move より確認します。
活動記録として確認できるのは以下4項目。
- 消費カロリー
- 歩数
- 移動距離
- 運動時間
このうち消費カロリーと移動距離に関しては、アカウント登録後にMove上で設定する身長、体重、性別、年齢とAlcatel Onetouch Watch側で記録する歩数、運動時間を基に算出しているものと思われます。なお上記4項目は、それぞれがさらにウォーキングとランニングに分けて記録されます。
こちらはAlcatel Onetouch Watch上で当日の活動記録を表示した状態。
睡眠時間(上の2枚目の写真の右側)に関しては自動計測になっておらず、就寝前および起床後に自分で画面上のスイッチを押す(=モードの切り替えをする)必要があります。実際に押すことを忘れてしまうと睡眠内容の記録をとることができません。他社メーカーのアクティビティトラッカーではこの切替を自動で感知してくれるものも多いだけに、物足りなさは感じます。今後(ソフトウェアアップデートまたは次回作)での改善を期待したいところ。
またこちらはスマホ側(Move上)にて表示した過去の記録。歩数、消費カロリー、移動距離、活動時間、睡眠時間のいずれも基本的な画面構成は同じです。
クラウド上に保管されているデータ(過去ログ)は日単位、週単位、月単位、年単位に表示を切り替えることが可能。年単位で確認した際に(本製品すら発売されていない)2011年まで遡ることができることから、今後継続使用していった場合でも年単位での遡りができる可能性は高そうです。
なお5つの記録項目には、それぞれ1日あたりの目標値を定めることができます。
また各項目個別ではなく、それぞれを組み合わせた1日の流れを確認することも可能です。
心拍数の測定
Alcatel Onetouch Watchの本体背面(手首に隣接する側)には心拍計が搭載されており、それを用いて心拍数を測定が可能です。測定は手動で行ないます(自動で定期的に測定されるわけではありません)。
測定結果はディスプレイに表示されるとともに、過去の測定結果も含めた確認はスマホ側(Move)で行なうことができます。測定結果は時間帯別(1時間単位)で記録されるため、同日に複数回(朝・昼・晩など)測定した場合は3回分の結果を後から確認することが可能です。
ラップタイムの計測
ランニングや自転車などのアクティビティで使用することのあるラップタイムの計測にも対応しています。
操作画面には現在のラップタイムおよびラップの記録、記録の停止の2ボタンのみが配置されたシンプルなデザイン。
実際に記録したラップタイムについてはAlcatel Onetouch Watch上で全体の運動時間、平均移動速度、移動距離、歩数を確認できる他、記録したラップでのランキングも表示可能。
なお測定できるラップは30ラップまで。31ラップ目に移行はできるものの、そこからはラップ記録ボタンが動作しない(ラップ停止しかできない)といった雑さのある残念なつくりに。こちらも今後のソフトウェアアップデートなどでの改善に期待。
ストップウォッチ
ラップタイム測定とは別に、通常のストップウォッチとして使用することも可能です。
音楽再生のコントロール
連携しているデバイス上での音楽再生をコントロールすることができます。ウォッチ上からできる操作は再生/一時停止、曲送り/戻し、ボリュームの調整です。ボリュームの調整に関してはディスプレイ周囲に沿ったスライダーを指で動かして行ないます。
操作できる音楽アプリはiOS、Androidそれぞれの純正音楽プレーヤーに設定されているようで、iPhoneの場合はMusicアプリ、Androidスマホの場合はGoogle Play Musicが対応しています(Google Play Music以外に音楽再生アプリがプリイントールされている場合はこの限りではないかもしれません)。残念な点はLINE MUSICやAWAといったサービスのコントロールはできないところでしょうか。
電子コンパス
電子コンパス機能も搭載しています。
利用開始前にはアクティベート(ウォッチを手首に装着した状態で八の字に動かす)が必要です。精度に関して細かく確認はしていませんが、ざっと使ってみた感じでは大きな問題はなさそうです。
スマホカメラのリモートシャッター
連携しているスマホのリアカメラのシャッターを遠隔で切ることができる機能です。
こちらはウォッチ側から機能を立ち上げると、スマホのカメラが自動で起動します。CM1など、メカ機構が複雑になっている端末でも動作の確認は取れました。
カメラアプリ自体はこのリモートシャッター機能用の独自のもの(おそらくMoveに内蔵されている?)で、実際に撮影できる写真の画素数は約200万画素で固定です。フォーカス位置はカメラ側で自動で行なわれます(手動での設定不可)。フォーカス位置を固定できないことから、スマホを三脚で固定して自撮り、といった用途には向きません。
ウォッチフェイス(文字盤デザイン)の変更
ウォッチフェイスの簡易な変更であれば、ウォッチ側から行なうことも可能です。こちらは変更画面。
こちらが実際のウォッチフェイス。
なお文字盤デザインなど大きな変更についてはスマホ(Move)上で設定し、同期することになります。
文字盤デザイン変更の流れは 背景デザイン(デザイン または カラー)の選択→時刻表示方法(アナログ、デジタル)の選択 という2つ。背景デザインは結構な数がデフォルトで用意されています。
一方、時刻の表示方法は以下の3パターンからの選択となります。配色自体は背景デザインによって若干変わる場合があります。
また背景デザインには自分で用意した写真、カメラで撮影した写真などを用いることも可能。
スマホの呼び出し
連携しているスマホを探すための機能もあります。時計側で機能を起動すると、連携しているスマホがアラート音を発します。アラート音を止めるには時計側、あるいはスマホの画面に表示されているボタンをタップすればOK。
アラート音の調整はできません(かつ音も大きい)ので、試しに使ってみる、といった場合は周囲の状況に注意しましょう。
振動のON/OFF切り替え
スマホで受信した通知は時計本体が振動することで伝えられますが、この振動のON/OFFを切り替えることも可能です。ただ振動をONにしておかないとリアルタイムで通知に気づくことが難しいため、あまり使い道はないかもしれません。
フライトモードのON/OFF切り替え
電波を発する機器ですので、フライトモードのON/OFF機能も搭載しています。
ディスプレイ照度の調整
ディスプレイ照度の調整はトグル方式で3段階から選択することが可能です。下の写真では、右にいくにつれて照度が上がっています。
ディスプレイ配色の変更
各機能の呼び出し画面の配色(ベース色)を白、黒の2色で変更することも可能です。
その他
その他、スマホ(Move)上で設定して利用できる機能としてアラーム(指定した時間で時計が振動)、端末の置き忘れ防止機能(連携した端末と離れると時計が振動)といったものがあります。
バッテリー持ちと充電のしやすさ
バッテリー残量の確認は時計のディスプレイ上およびスマホ(Move)上にて行なうことが可能。下の画像はMove上での確認画面ですが、残量はイラストでの表示となります。
バッテリー持ち(連続使用時間)の公表値は2〜5日間と幅がありますが、実際に使っている感覚としては、受信する通知が多いと2日、少なくて3〜4日程度といったところ。
バッテリーの充電はベルトに内蔵されているUSBコネクタで行なうため、別途充電パッドやUSBケーブルを持ち歩く必要がありません。パソコン作業中などは手首に時計を装着していると邪魔になることもあるので、そういった合間のタイミングに簡単に(USBケーブルなどを別途繋がなくとも)充電ができる点はかなり便利です。個人的にもこのポイントは非常に優秀に思います。
使用するにあたって気になる点
ここまで触れてきた機能や使い勝手以外で、使用するにあたって気になる(事前に知っておくべき)点は以下3つ。
- 技適マークが確認できていない
- 時計および専用アプリのいずれも日本語表示に非対応
- 画面の常時点灯が不可(タイムアウトは5秒・10秒・15秒)
専用アプリの表示に関しては、iOS版、Android版のいずれにおいても 日本語表示不可となっています。
また画面の点灯に関しては最近のAndroid Wearが時刻の常時表示に対応しているだけに、使い勝手という意味で非常に物足りないところ。タイムアウト時間は設定変更が可能ですが、これも選択肢が 5秒、10秒、15秒 の3つしかないので、この課題を解決してくれるものとはなりません。
総合的にみた評価
従来のスマートウォッチと比較した場合に価格が安く(最安15,000円程度で購入可能)、かつその割にデザインも悪くない。またバッテリーの持ちもよい、という部分は非常によいポイントといえます。一方で時計の常時点灯が不可、睡眠記録は手動でモード切り替えが必要、といったところは時計としてもアクティビティトラッカーとしても中途半端ともいえるのかと。バッテリーの持ちと時計としての使いやすさは反比例することはわかりますが、できれば最低限時計としての使いやすさをより追求してくれるとよかったように感じます。
仕様の細かい部分に人それぞれ好き嫌い(気にならない/気になる)がわかれそうですが、低コストで活動記録と通知の確認をメインに活用したい、といった方には十分オススメできる製品とはいえるでしょう。
最後に
以上、かなり長くなりましたが、Alcatel Onetouch Watch を1ヶ月半使ってみてのまとめでした。
Alcatel Onetouch Watchは現在のところ日本国内では販売されておらず、購入するのであれば海外のAmazonやガジェットショップを利用することになります。ただ海外だと小さい方のサイズ(S/Mサイズ)はあまり見かけないので、このサイズが欲しいということであれば 転送代行サービスを利用してAmazon.comで購入する、あるいはExpansysで購入する といった方法になると思います。
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