この度ご縁がありまして、スマートフォンブランドALCATEL ONETOUCHの日本国内での取り扱い元となるTCL Communication Japanより、現在日本国内において発売されている同社フラッグシップモデル ALCATEL ONETOUCH IDOL3 をお貸しいただくことになりました。今回はこのIDOL3の外観レビューとファーストインプレッションなどをお届けします。
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記事の目次
ALCATEL ONETOUCH IDOL3の技術仕様
最初にALCATEL ONETOUCH IDOL3(日本国内モデル)の技術仕様を整理・確認しておきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 高さ 152.7 ✕ 幅 74.14 ✕ 厚さ 7.4 mm |
重量 | 約 141 g |
OS | Android 5.0 Lollipop |
CPU | Qualcomm Snapdragon 615 64bit Octa-Core(1.5GHz Quad-Core + 1.0GHz Quad-Core) |
メモリ | RAM 2GB / ROM 16GB |
バッテリー | 2,910 mAh |
ディスプレイ | 5.5インチ Full HD(1,920×1,080)443ppi |
カメラ | リアカメラ:1,300万画素 フロントカメラ:800万画素 |
通信方式 |
FDD-LTE:Band 1/3/7/8/19/20 Wi-fi:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz) |
その他 | SIMカード:micro SIM SDカード:microSDカード(最大128GBまで) |
ALCATEL ONETOUCH IDOL3は日本国内では2015年8月末に発売(希望小売価格は税込みで46,224円)された端末で、ALCATEL ONETOUCHブランドにおいてはフラッグシップの位置づけとなるスマートフォン。開発した企業は中国・TCL Communication Technologyとなっており、ブランド自体はフランスで生まれたものとなっています。ただこの端末自体は海外だと少し前に既に発売されており、おそらく一番早く発売がされたのはアメリカの2015年5月。私自身、過去に米国モデルを個人輸入して使っていました。
日本国内モデルと米国モデルのもっとも大きな違いは対応している周波数で、当然ながら日本国内モデルは日本での使用を前提としてローカライズされた仕様になっています。FDD-LTEにおける対応バンドも日本国内で使用できる内容になっており(米国モデルは日本国内ではLTE通信ができない仕様だった)、かつ3Gにおいては800MHz/900MHzをサポートすることでNTTドコモやソフトバンク(およびこれらのMVNO)のSIMカードを挿しても使用できるようになっています。
スペックを見ていくと、OSにはほぼ最新となるAndroid 5.0 Lollipopを搭載し、CPUにはQualcomm Snapdragon 615 64bit Octa-Core(1.5GHz Quad-Core + 1.0GHz Quad-Core)を採用。実行用メモリはRAMが2GB、ROMが16GBとなっており、現行ではミッドレンジ〜ハイエンドに位置する内容です。
この端末の最大の特徴といえるのがシンメトリック(上下対称)な端末デザインとリバーシブル機能。端末の上下を逆さまにした際に画面上の表示がすべて反転することで、上下を逆さまにした状態でも普通どおりに使用することが可能です。こういった上下の反転機能はタブレット端末では色搭載されているものも見かけますが、スマートフォンとして搭載したのはこのALCATEL ONETOUCH IDOL3が初めてとなっています。
その他、再生している音楽のDJのように演奏して楽しむことができるDJ MIX機能なども搭載されており、少し違った使い方(遊び方)ができる端末にもなっています。
外観
こちらがALCATEL ONETOUCH IDOL3。本体カラーのバリエーションは3色(ダークグレイ/メタリックシルバー/ソフトゴールド)存在しており、今回お借りしたのはダークグレイです。
フロントパネルの上下にはHARMAN InternationalのスピーカーブランドJBLの音質認証を受けたフロントスピーカーを2つ搭載。
側面をぐるりと見ていきます。フレームはプラスチック製となっており、ヘアライン加工のような細かい線の模様がデザインされています。上面にはイヤフォンジャックを配置。
右側にはボリュームキー。
下面にはmicroUSBコネクタ。
そして左側には電源キーとSIMカード/SDカードスロット。
SIMカードの種類はmicroSIM。SIMカードとSDカードはひとつのトレイに並べて載せる仕様となっており、手前にSDカード、奥にSIMカードを載せて差し込みます。
背面。
リアパネル中央には idol も文字がデザインされています。なおリアパネルの素材もプラスチックであるものの、こちらにもヘアライン加工が施してあり、素材の安っぽさはかなり感じにくくはなっています。
リアパネルの左上には1,300万画素のリアカメラ、そしてその下にLEDフラッシュライトを配置。
一方下は特に何もないすっきりとしたデザインです。
ディスプレイサイズが5.5インチあり、現行のスマートフォンの中でもサイズは大きいほうとなりますが、ディスプレイ左右のベゼルがやや狭くデザインされており、数字の割には大きさは感じません。また素材にプラスチックが比較的多く使われている、という点から本体の重量は意外と軽いといった印象。フレームはそれとなくカーブしており、手に持った時の馴染みも悪くありません。
初期状態での中身
引き続き初期状態での端末の中身を確認していきます。
ホーム画面
初期状態でのホーム画面のページ数は2ページ。ホームアプリには ONETOUCHランチャー と呼ばれるALCATEL ONETOUCH独自のものがプリインストールされています。
ONETOUCHランチャーでホーム画面に作成できるフォルダは、1画面に表示されるアプリの数が8つとなっており、それ以上のアプリを入れた場合はフォルダ内でページ式に整理されるようになっています。
ホーム画面のページ数は少ないものの、並べられているアプリの数はやや多め、といった印象。
通知領域とクイックアクセスパネルはAndroid 5.0 Lollipopのデザインを基本的に踏襲しており、そこにこの端末ならではの機能である リバーシブル機能 のスイッチなどが追加されています。
プリインストールアプリ
アプリドロワーを開いて確認できたプリインストールアプリの数は49個。ただしアンインストールできるアプリも比較的多く、そのあたりは親切的といえるかもしれません。
設定画面
設定画面のデザインも基本的にはAndroid 5.0 Lollipopのものを踏襲しています。その中に ジェスチャ や フリップカバー 、LEDインジケーターなどとった独自項目がいくつか見受けられます。
実行用メモリ(RAM/ROM)の空き容量
初期状態における実行用メモリの空き容量も確認しておきます。ALCATEL ONETOUCH IDOL3の実行用メモリの容量はRAMが2GB、ROMが16GBです。
まずはRAM。元の容量2GBに対して空き容量が約1.1GB。実質的に使える容量と比べれば空き容量は半分以上あり、比較的優秀な方ではないかと思います。
続いてROM。元の容量16GBに対して空き容量は約9.7GB。割合的にはこちらも空き容量が多めといった印象。ROM全体の容量がやや小さめ(16GB)といった点は若干気にはなるものの、microSDカードを挿してストレージ容量を拡張することは可能なので、工夫すればあまり問題はないように思います。
ソフトウェアバージョン
OSバージョンはAndroid 5.0.2 Lollipop。
その他
その他設定画面で見つけたALCATEL ONETOUCH IDOL3ならではの設定項目をいくつか紹介します。
ジェスチャ機能
ALCATEL ONETOUCH IDOL3には画面をタッチする、本体側面に設けられたハードキーを押す、といった以外にもいくつか操作方法(ジェスチャ機能)が組み込まれています。これらは設定画面内の ジェスチャ の項目から設定(ON/OFFの切り替え)をすることが可能です。
リバーシブル機能
ALCATEL ONETOUCH IDOL3の最大の特徴であるリバーシブル機能。機能のON/OFF切り替えは先程のクイックアクセスパネルで行なうことができる他、設定画面内の ディスプレイ の項目からも変更することが可能。ここでは併せて表示を上下反転させる際のアニメーションも選ぶことができます。
Func機能
ALCATEL ONETOUCH IDOL3のロック画面上には、デフォルトで一般的にサッと起動できると便利であろう5つのアプリのショートカットが配置されています。設定画面の 画面ロック の項目から Func機能 をON/OFFしてあげることで、この表示/非表示を切り替えることができます。なお表示する機能は多少選択ができるものの、残念ながら、表示するアプリを完全に自分好みの任意のものに変更することはできません。
Eye-D
最近は端末のロック解除方法も指紋認証や虹彩認証など変わったものが搭載されるようになってきましたが、ALCATEL ONETOUCH IDOL3にも白目の血管を画像登録して認証に使用する Eye-D と呼ばれる生体認証機能が搭載されています。設定はこちらも設定画面内の ロック画面 から行なうことが可能です。
ベンチマークスコア
性能の目安として、ベンチマークスコアを測定してみました。測定にはAnTuTu Benchmark、Geekbench 3、3DMarksといった3つのアプリを用いて、それぞれ5回測定した平均を算出しています。
AnTuTu Benchmark
ALCATEL ONETOUCH IDOL3に採用されているCPU(Snapdragon 615)は64bitに対応したものとなっていますので、ここでは32bitモード、64bitモードの両方で測定した結果をそれぞれ載せておきます。まずは32bitモード。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
UX | マルチタスク | 3,284 | 3,696 | 3,703 | 3,680 | 3,815 | 3,635 |
Dalvik | 2,769 | 2,953 | 2,902 | 2,885 | 2,916 | 2,885 | |
CPU | 整数演算 | 2,520 | 2,550 | 3,018 | 2,785 | 2,888 | 2,752 |
浮動小数点演算 | 2,366 | 2,411 | 2,745 | 2,615 | 2,666 | 2,560 | |
Single-thread integer | 1,515 | 1,550 | 1,548 | 1,546 | 1,551 | 1,542 | |
Singe-thread float-point | 1,472 | 1,482 | 1,483 | 1,481 | 1,482 | 1,480 | |
RAM | RAM演算能力 | 1,914 | 1,973 | 2,289 | 2,012 | 2,089 | 2,055 |
RAM速度 | 1,861 | 2,052 | 2,023 | 2,062 | 2,092 | 2,018 | |
GPU | 2Dグラフィックス | 1,649 | 1,649 | 1,649 | 1,650 | 1,650 | 1,649 |
3Dグラフィックス | 7,170 | 7,037 | 7,140 | 7,197 | 7,132 | 7,135 | |
IO | ストレージのI/O | 852 | 752 | 1,826 | 840 | 1,526 | 1,159 |
データベースのI/O | 645 | 665 | 655 | 660 | 655 | 656 | |
TOTALスコア | 28,017 | 28,770 | 30,981 | 29,413 | 30,462 | 29,528 |
続いて64bitモードです。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
UX | マルチタスク | 4,526 | 4,489 | 4,302 | 4,560 | 4,476 | 4,470 |
Dalvik | 2,859 | 2,869 | 2,850 | 2,774 | 2,791 | 2,828 | |
CPU | 整数演算 | 4,246 | 4,935 | 4,748 | 5,350 | 4,779 | 4,811 |
浮動小数点演算 | 2,816 | 3,207 | 3,068 | 3,306 | 3,082 | 3,095 | |
Single-thread integer | 1,509 | 1,508 | 1,507 | 1,508 | 1,508 | 1,508 | |
Singe-thread float-point | 1,224 | 1,215 | 1,224 | 1,214 | 1,222 | 1,219 | |
RAM | RAM演算能力 | 1,440 | 1,650 | 1,539 | 1,620 | 1,509 | 1,551 |
RAM速度 | 1,935 | 1,940 | 1,934 | 1,952 | 1,926 | 1,937 | |
GPU | 2Dグラフィックス | 1,649 | 1,649 | 1,646 | 1,650 | 1,649 | 1,648 |
3Dグラフィックス | 7,148 | 7,152 | 7,016 | 7,057 | 7,144 | 7,103 | |
IO | ストレージのI/O | 1,779 | 1,409 | 1,413 | 1,273 | 1,834 | 1,541 |
データベースのI/O | 660 | 660 | 650 | 650 | 665 | 657 | |
TOTALスコア | 31,791 | 32,683 | 31,897 | 32,914 | 32,585 | 32,374 |
64bitモードにおけるTOTALスコアの平均は32,374。価格帯的に近く、同じOcta-CoreのCPUを搭載しているHuawei Ascend Mate7で過去に測定した結果と比較すると、数値的には低めになっています。
Geekbench 3
続いてはGeekbench 3にて測定。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Single-Core Score | Total | 652 | 654 | 657 | 633 | 635 | 646 |
Integer | 842 | 840 | 823 | 835 | 824 | 832 | |
Floating Point | 550 | 526 | 546 | 526 | 540 | 537 | |
Memory | 480 | 542 | 548 | 446 | 448 | 492 | |
Multi-Core Score | Total | 2,383 | 2,376 | 2,514 | 2,615 | 2,540 | 2,485 |
Integer | 3,286 | 3,359 | 3,580 | 3,726 | 3,651 | 3,520 | |
Floating Point | 2,340 | 2,198 | 2,328 | 2,492 | 2,367 | 2,345 | |
Memory | 665 | 767 | 754 | 641 | 666 | 698 |
Totalスコアの平均はシングルコアで646、マルチコア(8コア)で2,485という結果に。例えばシングルコアでは大きく差があるGoogle Nexus 5(CPUはQualcomm Snapdragon 800)とでも、マルチコアであれば肉薄していることがわかります。現行のハイエンドに比べれば当然劣りはするものの、描写の激しいゲームなどを頻繁にする、などといった使い方でなければ特に問題なさそうな性能といえるでしょう。
3DMarks
最後は3DMarks。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
Score | 7,206 | 7,270 | 7,362 | 7,618 | 7,775 | 7,446 |
Graphics Score | 7,702 | 7,882 | 7,606 | 7,923 | 8,129 | 7,848 |
Phiysics Score | 5,882 | 5,717 | 6,618 | 6,715 | 6,746 | 6,335 |
Graphics Test 1 (FPS) |
39.4 | 40.2 | 40.1 | 40.6 | 41.8 | 40.4 |
Graphics Test 2 (FPS) |
29.1 | 29.9 | 28.1 | 29.9 | 30.6 | 29.5 |
Physics Test (FPS) |
18.7 | 18.1 | 21.0 | 21.3 | 21.4 | 20.1 |
Score平均は7,446。3Dグラフィックスなどの描写はあまり得意とはいえず、実際にベンチマークスコアを測定している際に表示されるグラフィック(特にAnTuTu Benchmarkを使用した際)にややぎこちなさが感じられる部分はありました。
ファーストインプレッション
(この端末自体初めて触るわけではないので正しくはファーストインプレッションとはいえないものの)改めて手にしてみると端末自体の質感は材質の割に安っぽさは感じないといった印象。確かに金属やガラスといった材質を用いている端末と比べるとどうしても安さは感じられますが、その中でもヘアライン加工のように少しでもそういったように見えない工夫がされていることがわかります。また使っている材質のぶん軽いというのはやはり魅力的で、5.5インチという大きさがありながらも比較的扱いやすいと思います。
そして肝心の中身(操作性)についてですが、これは前述のベンチマークスコアの結果よりはかなりよいと感じています。まだそれほどたくさんのアプリをインストールしていないということも関係しているとは思いますが、スクロールなどの動作にもカクつきはなく、非常になめらかに”ぬるぬる”と動いてくれます。
そうした場合に一番ネックとなりかねないのは本体価格かな、という気がします。日本国内では現在同価格帯にHuaweiやASUSといったメーカーからよりスペックの高いモデルが投入されています。そういった端末と比較した時に差別化となる部分はリバーシブル機能の使いやすさ(あるいは個人的にはDJ MIX機能の楽しさ)になってくると思います。逆にいえば、こういった機能に魅力を感じるのであれば、十分にオススメできる1台といえるでしょう。
最後に
今回はALCATEL ONETOUCH IDOL3を改めて触ってみての外観レビューとファーストインプレッションを紹介しました。今回端末をお借りするにあたり、搭載されている機能を目で見て実感できるようなアプリをインストールしていただいています。このあたりについてはまた追って紹介していきます。
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