ラップトップPCのバッテリーが劣化し、充電できる最大容量が減ってしまったため、バッテリー交換のメンテナンスを依頼することに。万が一の場合、パソコン内のデータが初期化される場合もあるとのことだったので、バックアップデータを作成しました。
この記事では備忘録も兼ね、Windows 10を搭載するパソコンのバックアップデータを作成する手順をまとめておきます。
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記事の目次
準備するもの
今回行うバックアップデータの作成作業は、大きく「回復ドライブの作成」「システムイメージの作成」の2工程となります。作業実施にあたり、事前に準備するものは以下の2つです。
- USBフラッシュメモリ(容量:32GB以上が望ましい)
- 外付けHDD(容量:パソコン内蔵のHDD以上が望ましい)
それぞれ新規に購入する場合も想定し、選ぶ際に押さえておきたい点をまとめておきます。
USBフラッシュメモリ
USBフラッシュメモリは回復ドライブの作成に使用します。
回復ドライブは万が一パソコンが起動すらしなくなってしまった場合に復旧ツールとして使えるもの。同じように使えるツールとしては「システム修復ディスク」も選択肢としてあるものの、こちらはツール作成にあたりCDやDVDといったメディア、およびそれらにデータを読み書きするディスクドライブが必要です。
今回私がバックアップデータを作成したパソコン(VAIO S11)を含め、携帯性を意識したラップトップPCではディスクドライブが内蔵されていないケースが多く、USBフラッシュメモリを使う回復ドライブのほうが作成・利用が容易といえます。
USBフラッシュメモリ自体に求められる容量は、バックアップデータを作成するパソコンの機種、あるいはシステム構成により異なります。参考までに今回私が作業を行なったPC(VAIO S11)では、8GBあればOKでした。
2017年5月時点においてネット上に見つかる情報を調べてみた限り、32GBあればほぼ大丈夫そうです。例えばAmazonでも1,000~2,000円ほどと手ごろに購入できるので、これから購入する場合は、容量が32GB以上あるものを基準として選ぶことをオススメします。
なお回復ドライブ作成時には、USBフラッシュメモリ内のデータはすべて削除されます。既存のものを使う場合は中に入っているデータを別の場所に避けておく、それが難しければ別途回復ドライブ作成用にUSBフラッシュメモリを購入することも考えておきましょう。
外付けHDD
外付けHDD(ハードディスクドライブ)はシステムイメージの作成に使用します。
システムイメージを作成すると、パソコン内のアプリ・ソフトウェアや各設定などをごっそりバックアップできます。数日前の状態に復元したい!といったとき、予めバックアップが作成してあれば、容易にデータが復元できます。
システムイメージのファイルサイズは数十~数百GB、場合によっては1TB以上となることも考えられます。用意する外付けHDDも、これが収まるだけの容量を確保しておく必要アリ、ということになりますね。
できれば余裕を持ち、バックアップするPCが搭載する内蔵ストレージ容量以上のものを用意できるとベストでしょう。
バックアップ作成前の注意点
バックアップの作成方法を説明する前に、作業前の注意点も確認しておきましょう。
時間に余裕のあるときに行う
注意点のひとつめは作業は時間に余裕があるときに行なうということ。
この後に説明する内容はバックアップの作成、そして復元と3つの作業になりますが、各作業ごとに所要時間として数十分~数時間がかかります。
実際の作業時間は使っているパソコン(機種)やシステム構成により異なるため、どのくらいかかるかはやってみないとわからないことを踏まえても、作業する際は時間にゆとりを持っておきたいもの。
中途半端にバックアップを作成しかけて、完了できずにキャンセル、なんて無駄な時間を使ってしまわないよう、作業時は時間に余裕のある時を選びましょう。
動作の問題点も含めてバックアップされる
ふたつめに今回紹介するバックアップの作成は、動作に問題が生じてから行なっても意味がないということ。
もともとおかしい動作などの問題点があり、その対処としてパソコンの初期化と再設定を考えている場合。今回紹介する方法にて、これからバックアップ(システムイメージ)を作成すると、問題点も含めたバックアップデータが作成されてしまいます。
つまり一度パソコンを初期化したのち、そのデータを使って復元すると、問題点も含めて復元されてしまうということ。これでは意味がありませんよね。
無駄な時間を使ってしまわないよう、今回紹介する内容はあくまで現状で動作に問題がないことを前提として行うべき作業である、ということを理解しておいてください。
バックアップの作成
さっそくバックアップデータの作成手順を紹介します。
回復ドライブの作成
まずは回復ドライブを作成。用意したUSBフラッシュメモリをパソコンに挿します。
Windowsのスタートメニューから【アプリ一覧】→【Windowsシステムツール】→【コントロールパネル】の順に選択。コントロールパネルを開きましょう。
コントロールパネルのメインメニューにて【システムとセキュリティ】をクリック。
【セキュリティとメンテナンス】を選びます。
ウィンドウ右下に出てくる【回復】をクリック。
【回復ドライブの作成】と書かれた項目を選びましょう。
【システムファイルを回復ドライブにバックアップします】にチェックが入っていることを確認したら【次へ】をクリック。
パソコンが回復ドライブ作成に使えるUSBフラッシュメモリを探し始めますので、このまま数分待ちます。
USBフラッシュメモリが認識されていることを確認したら【次へ】をクリック。
「USBフラッシュメモリ上のデータがすべて削除される」旨の注意メッセージがでます。問題なければ【作成】を選びましょう。
これで回復ドライブの作成がはじまります。今回回復ドライブの作成に要した時間は30分ほど。機種やシステム構成により、数十分から数時間かかる場合もあるようです。
回復ドライブの作成が済むと「回復ドライブの準備ができました」と表示されます。右下の【完了】をクリックして、ウィンドウを閉じましょう。
これで回復ドライブが作成できました。USBフラッシュメモリの中を確認すると、フォルダとファイルがいくつか保存されています。
なおこの後は、USBフラッシュメモリは取り外しても大丈夫です。
システムイメージの作成
つぎにシステムイメージを作成。外付けHDDドライブをPCに接続します。
回復ドライブ作成の際と同様に【スタートメニュー】→【アプリ一覧】→【Windowsシステムツール】→【コントロールパネル】と進み、ここで【バックアップの復元(Windows 7)】をクリック。
画面左側に表示される【システムイメージの作成】を選びます。
バックアップの作成場所を聞かれるので、用意したハードディスク上になっていることを確認して【次へ】を選択。
バックアップの作成に必要な容量、既存のシステムイメージ(バックアップデータ)が上書きされる旨の注意文を確認し、問題なければ【バックアップの開始】をクリックしましょう。
これでシステムイメージの作成がはじまります。今回システムイメージの作成に要した時間は20分ほど。機種やシステム構成により、数十分~数時間かかるケースもあるようです。
「バックアップは正常に完了しました」のメッセージが出れば、システムイメージの作成は完了となります。
このあとに「システム修復ディスクを作成しますか?」とメッセージが表示されますが、これは先に作成方法を紹介した「回復ドライブ」が代わりとして使えます。回復ドライブを作成済みであれば【いいえ】を選んでOKです。
システムイメージを作成したHDDの中にはフォルダが1つ作成されていました。
ここまで済めば、外付けHDDは取り外して大丈夫です。
バックアップからの復元
せっかくバックアップを作成したので、システムイメージからの復元方法もあわせて試してみました。今回はパソコンが起動中の場合からの手順を載せておきます。
システムイメージの復元
まずは忘れず、システムイメージが保存されている外付けHDDをパソコンに接続しましょう。
続いてスタートメニューから【アプリ一覧】→【設定】の順に選択。
【更新とセキュリティ】をクリックします。
続いて【回復】→【今すぐ再起動する】の順に選択。このあとすぐに再起動が始まるので、未保存のアプリなどがあれば、事前に保存・終了しておきましょう。
再起動後はトラブルシューティングの画面が開くので【トラブルシューティング】→【詳細オプション】→イメージでシステムを回復】の順にクリックしていきます。
回復するイメージのアカウントを選択。
アカウントのパスワードを入力します。
復元するシステムイメージの選択画面になるので、最新版を指定(あるいは【システムイメージを選択する】から任意指定)して【次へ】をクリック。
【次へ】を選びます。
【完了】をクリック。
復元により現在のパソコン上のデータが上書きされる旨、注意文がでます。このまま復元する場合は【はい】を選びましょう。
これでシステムイメージの復元が始まります。今回システムイメージの復元に要した時間は20分ほど。機種やシステム構成により数十分~数時間かかる場合もあるようです。
復元が終わると再起動を促すメッセージが表示されます。【今すぐ再起動する】あるいは1分間放置しておくと自動で再起動が行われます。
無事再起動できれば、システムイメージを使ったデータの復元は完了です。
さいごに
作成したバックアップデータを使う機会はなるべく訪れてほしくないものですが、万が一パソコンがおかしくなってしまった場合、事前に回復ドライブやシステムイメージを作成していると、容易に復旧できる可能性が高まります。
今回はメンテナンスを依頼する準備として作業を行いましたが、定期的に時間をつくり、バックアップ作業を行なう習慣をつけておくとより安心してパソコンが使い続けられますね。ぜひ参考にしてみてください。