2017年3月2日(木)に正式開業となった、台湾桃園国際空港-台北車站(たいぺい駅)間の移動に使える公共交通機関「台湾桃園国際空港MRT」。
ちょうど開業のタイミングで台湾を訪問しており、実際にこのMRTに乗車し、移動してみることができました。
この記事では台湾桃園国際空港MRT(以下、桃園MRT)の利用方法や車両の種類、実際に利用する中で感じた注意点を紹介していきます。
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記事の目次
MRT乗車場所の探し方
まずは「台湾桃園国際空港」(以下、桃園空港)および「台北車站」(以下、台北駅)それぞれのMRT乗車場所までのアクセス方法を簡単に紹介。
桃園空港のMRT乗車場所
桃園空港のMRT乗車場所は、タイガーエア台湾の発着ターミナルである第1ターミナルでの場合として紹介していきます。
基本的には案内板の「桃園機場捷運(Taoyuan Airport MRT)」を目指して進んでいきます。
入国審査や預け荷物の受け取りを済ませ、1階・到着ロビーへつながる扉を出たら、正面向かって左方向へ。
つきあたりを左に曲がり、出発ロビーへ移動します。
出発ロビーに到着後も直進し続けると、ロビーの端に下のフロア(地下1階)へつながる通路(動く歩道)が出現。これに乗り、下へ進みます。
ちなみにこの時は開業直後であったからなのか、空港内には案内板と別に、MRT乗り場への道順を示す看板も多く見かけることができましたよ。
ひとつ下のフロア(地下1階)へ降りると正面奥にフードコートが見えてきます……が、ここはすぐ左手にある通路でさらに下へと進みます。
あとはほぼ道なりに進むだけ。歩いて数分ほどで、MRT乗車場所(券売機や自動改札)が見えてきますよ。
台北駅のMRT乗車場所
次は台北駅のMRT乗車場所。
こちらは写真で細かく説明することは省略しますが、先ほど同様、案内板にある「桃園機場捷運(Taoyuan Airport MRT)」あるいは「機場捷運(Airport MRT)」の表示に従い進めば、乗車場所にたどり着けます。
ちなみに台北駅に5線乗り入れている既存のMRTとは異なり、桃園MRTの台北駅は別建屋になっています。
地下通路を通じて屋内移動は可能ですが、やや距離があること、他のMRTとは乗り場が異なることはあらかじめ注意しておきたいポイントですね。
桃園MRT・台北駅の改札は「普通車(普通車/Commuter)」「快速車(直達車/Express)」と異なる表示で2箇所設置されています。
▼「普通車(普通車/Commuter)」と書かれた改札口
▼「快速車(直達車/Express)」と書かれた改札口
これらは一応、どちらから入場しても、相互のホームへ行くことは可能です。ただし快速車と普通車のホーム自体は完全に分離されているため、間違ったホームに降りないようには注意したいもの。
あらかじめ利用する車両(快速車 or 普通車)が決まっている場合は、改札だけ選んで直進しましょう。そうすれば間違えることなく、それぞれのホームに降りることができるはず。
▼「快速車(直達車/Express)」用のホーム
運賃と利用方法
桃園MRTの運賃は、台北駅-桃園空港(第1ターミナル/第2ターミナル)間でTWD160(約600円)。快速・普通とも運賃は同じです。
空港と台北車站を結ぶバス(國光客運)の運賃が片道TWD115(約500円)TWD125(約500円。2017年4月20日時点)なので、MRTのほうが100円程度、高い設定ですね。
ちなみに台北駅-桃園空港(第1ターミナル)間を移動する場合の所要時間は、普通車で45分、快速車で35分ほど。
台北駅方面に向かうの普通車・快速車、および桃園空港方面に向かう普通車・快速車のいずれも、15分間隔で運行されています。
駅の券売機には紫と青、色の異なる2つの機会が存在。
紫の機械ではトークン(切符の代わりになるもの)が購入でき、青の機械ではEasyCard(悠遊カード。交通系の電子マネーカード)の購入や残高チャージが可能です。
▼切符の代わりに使うトークン
▼台北の街中でも使える場所が多く、持っておくと便利なEasyCard
改札から入場する際は、トークンとカード、いずれの場合も自動改札機にタッチして進みます。
一方退場する際は、トークンは投入口へ。カードの場合はタッチすればOKです。
日本で使われている交通系のICカードシステム(Suicaなど)と比べ、読み取りにかかる時間が長い点には注意が必要。いつもより気持ちじっくりと(ていねいに)読み取らせるのが、スムーズに改札を通過するコツですね。
ちなみに桃園空港など路線の末端ではない駅から乗車する場合は、同じホームの左右にひとつずつ、乗車口が設定されているはず。片方が台北駅方面へ向かうもの、もう一方は桃園空港のさらに奥へと向かうものなので、乗車口にも要注意。
それぞれの乗車口(ホームドア)の周辺を観察してみると「往臺北(To Taipei)」「往中壢(To Zhongli)」と表示が違うことがわかります。
たとえば台北駅の方向に行きたい場合は「往臺北(To Taipei)」とかかれた乗車口から車両に乗ればOKです。
なお次にくる車両が普通車(普通車/Commuter)なのか、快速車(直達車/Express)なのかは、ホーム内などに設置されたモニターなどで確認できますよ。
車両の内装をチェック
普通車と快速車。名前からなんとなく、停車駅の数と所要時間が異なることは想像がつくはず。ただこの他にもうひとつ、この2つの車両には異なるポイントがあります。それが内装のスタイルです。
それぞれの車内の様子を写真に撮影したので、実際に見てみましょう。
普通車(普通車/Commuter)
普通車の内装はこちら。日本の通勤電車、あるいは台北のMRTでも見る向かい合わせに座席が並ぶスタイルです。
快速車(直達車/Express)
快速車の内装はこちら。ボックススタイルの4人がけ席や荷物置き場が確認できますね。席はすべて自由席なので、空いているところに好きに座って大丈夫です。
一部の車両限定で充電設備が付いていることも
なお快速車についてはまれに、4人がけ席にスマホなどの充電機器が設けられていることも。
▼黒い方にはMicro USB端子、白い方にはLightning端子がついている
▼Micro USB端子は裏表を気にせず使える設計
各充電機器は、盗難防止のワイヤーで括り付けられているだけ。どうやってスマホを充電するのか?ということですが、テーブルと各充電機器に内蔵されたワイヤレス充電システムを用います。
▼テーブルにはワイヤレス充電器が内蔵されている
▼スマホに充電機器を挿してテーブルに置くと、充電機器を通じてスマホなどに給電される
ちなみにこのとき、Qi(チー)規格対応のスマホ(Galaxy Note5)を直接テーブルに置いての充電も試みましたが、こちらはきちんと機能してくれませんでした。
要注意:車内は飲食禁止
普通車・快速車ともに、乗車に際して知っておくべきと思った注意点が、車内は飲食禁止であるということ。
とくに快速車の場合、2人がけ席には紙カップやペットボトルを置くための溝が丁寧に設けられたテーブルが付いていますが、それでもあくまで車内は飲食禁止。
車内の表示には「見つけた場合はTWD1,500~7,500(約5,500~27,000円)の罰金を科す」なんてことも書かれています。
くれぐれも注意したいところですね。
終電の時刻をチェック
私がタイガーエア台湾を使って仙台から台北に行く時がまさにそうですが、移動にLCCを利用する場合、フライト時刻が深夜にかかる場合がありますよね。そうなると桃園空港到着後にまだ、桃園MRTが動いているのか否かで、移動の段取りが大きく変わるはず。
台北駅方面へ向かう桃園MRTの終電の時刻表(※撮影日:2017年3月8日)も見つけたので、参考までに載せておきます。
なお写っているのは台湾現地時間で書かれた、桃園空港・第1ターミナルの発車時刻です。日本時間、あるいは第2ターミナルの発車時刻と間違えないよう、注意してくださいね。
これで見ると、桃園空港(第1ターミナル)→台北駅方向の終電発車時刻は、快速車が22時44分、普通車が23時37分となっています。
なお始発・終電時刻の最新情報は桃園捷運の公式サイトで確認できます。
あると心強い日本語版の利用ガイド
街中も含め、様々な場所に日本語での表示を見かける台北エリア。桃園MRTにおいても、駅構内に、日本語表記の利用ガイドが設置されている場合があります。
▼三つ折りカラーのリーフレット
▼印刷は両面。片側には運賃情報などが記載
▼反対面には乗車方法や路線図、運賃表
もし移動中のスケジュールに余裕があれば、こういったリーフレットが設置されていないか、探してみるのもよさそうですね。慣れないうちは、心強い見方になってくれるかも。
桃園MRTからの車窓をタイムラプス動画で紹介
せっかくなので、桃園MRTの車内から見える景色(一部区間)を動画で撮影してみました。
台北駅→桃園空港へ向かう最中に撮影したもので、天気や窓の色の関係で映りこそ暗めですが、景色が変わっていく様子はわかるはず。
タイムラプス撮影なので時間は約10数秒と短め。気になればぜひ、確認してみてください。
さいごに
これまで仙台から台北へ行く際は、桃園空港から台北市内への移動はバス以外の手段を使ったことがありませんでした。ここに料金も大きく変わららない別の移動手段が誕生したことは、個人的にも素直に喜べるものです。
ちょうど仙台国際空港-台湾桃園国際空港を結ぶタイガーエア台湾のフライトも、フライト時刻の見直しが行われたところ。これにより、往路便(仙台→台北)の降機後も、余裕を持って桃園MRTが使えるようになりました。
次回の訪台時には、ぜひまた桃園MRTを活用しての移動にチャレンジしてみたいと思います。
これから台湾に旅行予定がある!なんて方も、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。