スマホ/ケータイジャーナリストとして国内外のモバイル事情を追い続ける石川温(いしかわつつむ)氏の新刊「仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術」が朝日新聞出版より2017年3月7日(火)に発売されました。
早速購入して読んでみたので、書評をまとめておきます。
スマホとパソコンを使って日々作業をこなす方であれば、気付きや発見、そしてワクワクも感じられるかも?な一冊です。
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記事の目次
書籍の内容は?
はじめに本書の内容を簡単に。
この「仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術」は、スマホ/ケータイジャーナリストとして活躍する石川氏が、自ら使用するサービスとその選択理由を例として触れつつ、現在広く普及したツールの「スマホ」と「パソコン」を活用した仕事の能率向上方法を紹介するもの。
スマホ、あるいはパソコンを使った仕事の能率化をテーマとする書籍自体は無数にある中、この書籍のキモは「モバイル業界の最前線を追い続ける(=スマホで使える最新のアプリ・サービスも知り尽くした)」石川氏が、その興味・関心の対象である「スマホ」(とパソコン)を活用してのを手法を紹介することにあります。
本文は全8章の構成で、前半の6つの章はビジネス寄りの内容(能率化の話)。残る2章は“ネットとの付き合い方”といった内容なので、ここは仕事だけに限らず、スマホとパソコンを日々使うすべてのユーザーが幅広く興味を持てる箇所となっています。
私が感じた本書の魅力
ここからは読んでいて感じた本書の魅力を3つ、紹介します。
スマホ+PCの活用に欠かせない“基礎”からスタート
仕事の能率向上をうたう本書ですが、スマホとPCをセットで活用するにあたり、もっとも基礎となるクラウド環境(クラウドサービス)の選び方からわかりやすく説明されています。
スマホの強みといえば多種多少な機能とともに「常時インターネットに簡単にアクセスできる」ことであり、スマホとPCを連携して活用するためにクラウドサービスの利用は欠かせないポイントです。
ただクラウドといってもGoogle、Apple、Microsoft、Dropbox……といったところを筆頭に、現在では多くの企業が無料からのサービスを提供中。使うものを選ぶにしても、各サービスの特徴やメリット・デメリットがイマイチ理解しきれない、なんてこともあるはず。
そこで主要クラウドサービスそれぞれにどういった特徴があるか、どういった使い方に向くのか。さらには石川氏のオススメ、実際に使っているものとその選択理由まで触れられています。
それぞれの違いだけでなく、例として石川氏自身の選択理由も書かれている点は、これからクラウドサービスを学んで使い始める方、これまでなんとなくな理由で使うサービスを選んでいた方にとっても参考にしやすい(使い方をイメージしやすい)ポイントだと思います。
なお本書では、これを踏まえた上で仕事の能率化というテーマを「(パソコンとデータを共有し)いかにスマホだけで仕事をこなしていくか」という“新のテーマ”へ掘り下げながら進んでいきます。
他人のバッグを覗くようなワクワクがある
雑誌やブログでよくある「他人のカバンの中身を紹介」する企画。自分の持ち物と比べてどんな便利なものを使っているのか。憧れのあの人はどういったものを選んでいるのか。ついつい気になって読んでしまう人も多いですよね。
本書では、これと同じワクワクも感じることができます。業界の第一線で活躍するジャーナリストの方が書いた記事は頻繁に目にすることがあっても、その方が使うツールやアプリを知れる機会はほとんどないのではないでしょうか。こういった点を楽しみに読むこともできる内容です
前述のクラウドサービス同様、ツールやアプリについても石川氏が選んだ理由が書かれているため、こちらも自分にあうものなのか、判断する参考にできます。
なお個人的には、もし紹介されている中に気になるものが見つかれば、即試してみることもオススメしたいところ。スマホ向けのサービスやアプリは、すぐにインストールして使い始められることも大きな魅力ですしね。
かくいう私も、中で紹介されていたサービスのうちのひとつ「office Lens」は活用できる場面が多いと感じ、すぐにインストールして使ってみています。
もともと「なんとなく名前は聞いたことがある」というアプリでしたが、実際に機能と利用シーンを知ることで、あらためて試してみるよい機会になりました。
ちなみにこのOffice Lensは発表会やイベント参加後にレポートを書く、といったブロガーやライターには役に立つ可能性の高いアプリなので、気になればぜひチェックしてみてくださいね。
最後にひとつ注意点として、このワクワクの部分だけは、人により感じる度合いが異なる点でもあります。
ブログを書く、ライターとして文章を書く、といったことを日々行っている私の立場では感じたワクワクはかなりのものでしたが、一方で例えば「文章は主に読むもの」と位置づけている方には同じ印象は感じにくいことでしょう。
疲れずサクサク進める読みやすさがある
そして最後に触れておきたい魅力はズバリ、読みやすさ。
本書は200ページ弱の内容となっており、おもには文章(重要な部分はハイライト付き)、ところどころに写真付きで説明といった構成がとられています。
私自身、本を読むのは遅いほうで、読むことに集中して時間を確保しても、数日かけてまだ読み終わらないことが結構多くあります。そんな中でも本書の読了までに要した時間は3時間ほど。かなりスムーズに読むことができました。
「クラウド」「アプリ」「Wi-Fi」などの用語はもちろん登場するので、読むにあたり最低限の知識(単語の意味の理解)は必要です。ただその基礎さえあれば、ですます調の柔らかい文体も含め、スルスルと読み進められるでしょう。
一方で「中身がないのでは?」なんていう人もいるかもしれませんが、そうではありません。
私は最近だと紙の本と電子書籍が選べる場合は紙の本を選ぶことが多いのですが、この場合は気になった(あとでメモする)部分はページの角を折りながら、なるべく読むのを止めないでまず読み通すことにしています。
この流れで読み終えたとき、折り目の数が大変なことになっていました(笑)
一般のスマホユーザーよりは長時間スマホに触れ、活用している自負が(一応)私自身もありますので、多くの方にとっても発見や気付きとなるポイントが含まれた内容であろうと思います。
さいごに
私自身が興味・関心を持っている分野の著名なジャーナリストであること、ブログやライターとして外部のメディアに記事を書くなど、日常の作業に取り入れられる内容が多そうなこと。
もともと本書に惹きつけられる要因はいくつかありましたが、実際に読んでみてあらためて、多くの気付きや発見、そしてワクワクを感じることができた1冊でした。
ここでは細かく触れませんでしたが、ほかにも「フェイスブックの後始末」「どのサイトにも設置されているTwitterのつぶやくボタンの活用」といったことはとくに印象深く頭に残っていますね。
「仕事の能率を上げる」と書かれた本書ですが、純粋にスマホ+PCの活用方法(の例)を学ぶ書籍としてもオススメです。