台湾のプリペイドSIM

5月末から6月初旬にかけて、台北で開催されていたイベント Computex TAIPEI 2016(コンピューテックス・タイペイ・2016)取材のため、台湾に行ってきました。

初めての台湾ということで、空港についてからおこなったことの一つが現地のプリペイドSIMカードの購入。

せっかくなので買えるだけ、ということで台湾桃園国際空港(以下、桃園空港)の到着ロビーで2事業者、街中のキャリアショップで1事業者、合計で3事業者のSIMカードを買って使ってみました。

実際に購入時の感想や現地で使ってみての印象をメモしておきます。

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台灣大哥大

まず桃園空港の到着ロビーで契約したのが台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM。日本の漢字表記では「台湾大哥大」、英語表記だと「Taiwan Mobile」となります。

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

今回の滞在は5月31日~6月5日の6日間。ただ台北到着が5月31日の深夜。SIMカード購入が6月1日ということで、5日間のデータ通信無制限+TWD50分の音声通話が利用できるプランを契約。

費用はTWD300(おおよそ1,000円)と、国内での回線契約と比べるとかなり安いですね。

桃園空港(第一ターミナル)の到着ロビー(1F)に設置されたカウンターでは、購入時にパスポートとその他に身分証明書が必要。今回は日本の運転免許証を提示して無事購入できました。

なお購入時にはSIMカードのサイズを選択する必要があります。

注意点として(台灣大哥大に限ったことではなかったのですが)ひとつのパスポートにつき購入できるSIMカードは1枚までとなっています。複数台の機器用にSIMカードも複数枚を購入したい場合は、異なるキャリアで1枚ずつ購入するなど注意が必要です。

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

APN設定についてはAPN名に【Internet】とだけ入力すればOK。ちなみに今回使用していたGalaxy S7 SM-G930FD(シンガポール向けモデル)では、SIMカードを差すだけで認識してくれました。

Galaxy S7 SM-G930FDではキャリアアグリゲーションを掴むとステータスバー上に表示されるアンテナピクトに「4G+」のマークが出ますが、いきなり空港内でCAを掴みました。

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

その場で実際にスピードテストしてみた結果がこちら。PING値が大きいのは接続先サーバを日本国内のものに固定していたからです。特徴として、ダウンロードに関しては尻上がりにどんどん速度が加速。見ていてかなり気持ち良い印象でした。

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

なんどか遊んでいたら100Mbps超えも頻繁に計測するようになりました。5日間という有限ではあるものの、この速度でデータ通信が使い放題、そして1,000円程度と考えればかなりコストパフォーマンスは高めですね。

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

ステータスバーに表示される事業者名は英語表記で「TW Mobile」となっていました。

台灣大哥大(たいわんだいかだい)のプリペイドSIM

2016年6月時点で台灣大哥大では2BandによるCAをサポート。ただ今回の訪台にあたり移動していた台北内のエリアでは、そのほとんどでCAを掴みっぱなしという驚きの状況でした。

今回持参していたGalaxy S7 SM-G930FDとの対応周波数の相性が良かったこともありますが、今回契約した3事業者の中でももっとも安定して快適に使える印象を抱いたのはこの台灣大哥大ですね。

遠傳電信

同じく桃園空港(第一ターミナル)の到着ロビーでもうひとつ契約したのが遠傳電信(ふぁーいーすとーん)のプリペイドSIM。日本の漢字表記では「遠伝電信」、英語表記だと「Far EasTone」となります。

Far EasToneのプリペイドSIM

こちらも契約プランは同じく5日間のデータ通信無制限+TWD50分の音声通話が利用できるプラン。費用は台灣大哥大と同じくTWD300(おおよそ1,000円)。空港ではいずれの事業者も同じ内容のプランを展開しているようでした。

同じく桃園空港(第一ターミナル)の到着ロビー(1F)に設定されたカウンターで購入しましたが、こちらも購入時にはパスポートと、その他にひとつ身分証明書を提示。

遠傳電信のSIMカードは自分でサイズを選んで切り取れるマルチタイプのものとなっています。なので購入時にSIMのカードのサイズは伝える必要がありませんでした。

Far EasToneのプリペイドSIM

Far EasToneのプリペイドSIM

APN設定も台灣大哥大と同じく、APN名に【Internet】と入力するだけで使用可能。

桃園空港では確認できなかったものの、台北市内を移動するうちにところどころでキャリアアグリゲーションを確認。ただアンテナピクトを確認すると「4G」のままとなっていました。

Far EasToneのプリペイドSIM

CA接続時の通信速度は以下のような感じ。

Far EasToneのプリペイドSIM

ステータスバー上に表示される事業者名は英語表記で「Far EasTone」となっていましたね。

Far EasToneのプリペイドSIM

今回訪台した2016年6月時点においては既に3つのBandを束ねた3CCA(3 Component Carrier Aggregation)もサポートしていたのですが、5日間使ってみた中では3CCAは確認できず。

回線速度に関しては使っていてストレスを感じることはありませんでしたが、台灣大哥大と比べると、今回は速度やCAの提供エリアなどではやや劣っている印象を抱きました。

中華電信

今回最後に契約したのが中華電信(ちゅうかでんしん)のプリペイドSIM。日本語表記はそのまま「中華電信」、英語表記だと「Chunghwa Telecom」となります。

こちらのみ、スケジュールの都合で空港内では購入できず、後日街中にあるキャリアショップで契約となりました。

中華電信のプリペイドSIM

空港で価格表をチェックしていた時には台灣大哥大、遠傳電信と同じく定額無制限プランがあったため訪ねてみたものの、そちらは契約できるお店が限られているとのことで選択できず。

既に購入済みであった他のSIMカードだけでも通信に不便はなかったので、1GBのデータ通信(有効期間:60日間)がついたプランで契約。

費用は(確か)TWD300(おおよそ1,000円)だったと記憶しています。空港で販売されているプランと比較すれば、旅行など短期滞在時にはやや向いていないプランですね。

中華電信は台北市内でも比較的キャリアアグリゲーションをしやすかった他、3CCAでの接続も実際に確認できました。Band7/8/3の3波でのCAが確認できたのが下の写真。

中華電信のプリペイドSIM

この時にスピードテストをした結果がこちら。この状態で複数回テストを試みたものの、基本的に通信速度に大きなバラつきはありませんでした。3波掴んでいても、数が多いだけ速度が早いとは限りませんね。

中華電信のプリペイドSIM

今回契約したプランがデータ通信容量1GBということで、他の2事業者と比べればあまりたくさんテストをすることはできませんでした。が、こちらも少なくとも使っていてストレスを感じるレベルではありませんでした。

まとめ

2016年7月10日時点における、今回利用した3事業者のLTE対応バンドを改めて整理してみると以下のとおりになります(情報元:台灣大哥大公式サイト内のQ&Aより)

事業者名 対応周波数
台灣大哥大 4G(FDD-LTE):B3/28
遠傳電信 4G(FDD-LTE):B3/7/28
中華電信 4G(FDD-LTE):B3/7/8

今回は持参した機種が台湾での2CCA、3CCAにも対応するモデルであったことから、いずれもストレス無く使用できた印象。

中でも今回持参したGalaxy S7 SM-G930FDとの相性の良さもあり、個人的に一番信頼して(より快適に)使うことが出来たのは台灣大哥大でした。

ちなみにほぼ瞬間的ではあったものの、4G+の表記より珍しい(?)G(GSM)の表記も見られました(笑)

GSMを掴む

なお今回は契約できなかったものの、台湾では他にも亞太電信台灣之星という事業者も存在。

桃園空港(第一ターミナル)の入国審査前エリアには、この2事業者のSIM販売カウンターも見かけることができました。次回以降、フライトの到着時刻の都合が合えば、契約を試みたいと思います。

余談

今回たまたまメイン機として使っているGalaxy S7 SM-G930FDをそのまま持っていたわけですが、LTEの対応周波数が幅広く、サポートするCAの組み合わせがよかったこともあり、SIMカードを挿していろいろと試すには非常によい機種であったと思います。

同モデルに関してはExpansys(香港向けモデル)やETOREN(シンガポール向けモデル)といった海外通販サイトで比較的安く(かつ12ヶ月の保証付きで)購入が可能。

最新スペックかつ海外でも幅広く使える機種が欲しいという方には、個人的にも改めてオススメできる1台であると感じました。