レビューズ公認ブロガーとして依頼をいただき、7月11日(土)に名古屋で開催された「Xperia Z4・Xperia A4 タッチ&トライ」アンバサダーミーティングに参加してきました。XperiaアンバサダーミーティングといえばこれまでXperia Z Ultra、Xperia ZL2、Xperia Z3と計3回参加してきましたが、前評判だけでいえば正直今回のフラッグシップXperia Z4は旧モデルからもっとも進化が少ないとも言われているモデル。
しかし今回実際に開発に携わった方から話を聞く中で、スペック表などからだけでは読み取れない進化が隠されていることを知ることができました。ということで、今回のイベントの内容をレポートしていきます。
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記事の目次
はじめに
Xperia Z4のCMでは「だから私は、Xperia」を合言葉に、何らかのこだわりを持ってXperiaを使っているユーザーの生の声をそのまま撮影した映像が使われています。また日本各地で行なわれている特設のタッチ&トライイベントブースにおいて、一般ユーザーの声も収録。こちらはSony XperiaのYoutubeにストックされています。
こんな強いこだわりを持って使ってくれるユーザーが増えてきたこともあり、2014年のAndroid OSにおけるシェアNo.1を獲得。
またソフトバンクのXperia Z3においては、”OSを問わず” 全スマホユーザーに調査したスマホ満足度アンケートで1位に輝いています。
そんなSonyが2015年の夏モデル国内3キャリアから発売するXperiaはスマホ2モデル、タブレット1モデルの全3モデル。Xperia Z4に関しては前回に引き続き3キャリアすべてから発売されてるモデルとなっています。
製品概要
ここからはXperia Z4について。まず動作のベースとなるCPUにはQualcomm社のSnapdragon 810 64bit Octa-Coreのものを採用。同CPUは先行して採用した他メーカー製端末の発熱性が高いといった問題が浮上していたものの、Sonyとしては「やはり最新のものを搭載したい」という思いで、このCPU搭載を決定。最新のOSバージョンと64bitの処理対応によって、スペックはまさに一つ先の世代へ足を踏み入れたといえるでしょう。
約2年前に発売されたZシリーズの初作Xperia Zと比較した際、この2年間で処理能力は約2〜3倍にも向上。
3Dグラフィック処理の性能も最大で約2.6倍まで進化しています。
さらには通信速度に関しても、LTE通信、Wi-Fi通信ともにより上位の規格に対応することで高速化。特にWi-FIの受信最大速度に関してはXperia Z4でMIMO(まいも)と呼ばれる複数のアンテナを同時に使用して高速化を図る技術の搭載でXperia Zと比べた際に約5.8倍となる大きな進化を遂げています。
また前作のXperia Z3から3キャリアで発売されるようになったことで話題となった、外観(ロゴの配置)の違いについても併せて解説されていました。いずれのキャリアから発売されたモデルも国内のおサイフケータイ(FeliCa)に対応していますが、うちソフトバンクに関してはICチップが入っている部分を示すマークが海外モデルと同じNFCマークに。海外モデルにより近い外観がよい、といった方にとっては今回もソフトバンクが最有力候補となりそうです。
端末デザイン
デザインについてはCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)、すなわち色、素材、仕上げへのこだわりがより強くなっています。例えばフレーム部分を例にとっても、本体カラーが同じXperia Z3と比較してもより金属特有の美しさを感じられるような仕上がりとなっています。こういった細かい部分にもこだわるために、開発は試行錯誤の繰り返しだったとのこと。
端末の中も少ないスペースを上手に活かして部品をただつめ込むだけでなく、外から見た時の見た目も美しくなるようレイアウト時に縦横の軸を意識して設計するという工夫が施されています。ディスプレイ上の通知ランプやSonyのロゴ、フロントカメラの位置が横軸で揃っているのはもちろん、この軸はリアカメラにも通じており、よくよく観察しないと気が付かないような部分にまでこだわりが感じられます。
コーナーパーツは今作から輝度がかなり上がっていますが、これも着色した樹脂素材をつくり(一次成形)、その上に透明な樹脂を重ねる(二次成形)といった加工法を採用。使用していく中でスレが生じても、着色部の色の輝きが失われない構造になっています。
Xperia Z3まで搭載していた側面のマグネットチャージ端子は廃止し、代わりにMicroUSBコネクタとキャップレス防水へと仕様変更。さらにSIMカードとmicroSDカードのトレイを1つにすることで側面に設けられた防水キャップもひとつに集約。これにより、従来以上にXperiaの ”板感” をより強めた、シンプルなデザインを実現しています。
Xperia Z3からXperia Z4への進化点として、さらに薄く、さらに軽くなっている点も挙げられます。特に薄さを実現するためにひとつポイントとなるのはカメラの組み込み方。従来はカメラの上に複数の部品を積み重ねて実装していましたが、今回はこれを大きく省き、カメラの上にはほぼ直接背面ガラスが配置されています。実際にリアカメラ部分を見てみると、カメラのレンズを覆うガラスと背面ガラスが一体化して見える(部品の境目がわからない)デザインになっています。
カメラ機能
Xperia Zシリーズのカメラといえば「Gレンズ」「Exmor RS for mobile」「BIONZ for mobile」。夫々が高性能であるレンズ・イメージセンサー・画像処理エンジン三位一体で表現する美しさがウリとなっています。
Xperia Z3からの大きな改善となっているのが料理撮影。Xperia Z3までのカメラはプレミアムおまかせオートで撮影した写真がやや青がかってしまうことがあり、特に料理撮影に関しては 美味しくなさそうに写ってしまう という不名誉な意見も聞かれていました。Xperia Z4ではプレミアムおまかせオートに新たに 料理モード を搭載。被写体として料理を認識すると、よりおいしそうに撮れる調整をしてくれるようになりました。
また時流ももちろん逃しません。昨今のセルフィー(自撮り)ブームを意識して、フロントカメラには有効画素数が約510万画素の高性能カメラを採用。
撮影角度もより広角にすることで、背景も含めた撮影、複数人での自撮りといったこともよりやりやすくなっています。
またフロントカメラでもプレミアムおまかせオートを搭載。総合的にみたときに大きく性能が向上したフロントカメラに仕上がっています。
フロントカメラでセルフィーを撮影する際のシャッター方法としては本体側面についているシャッターボタンも使えますが、ボタンを押す際にブレなども生じてしまいがち。Xperia Z4ではセルフタイマーの3つの種類(0.5秒、2秒、10秒)から選択可とし、より撮影に集中できる仕組みになっています。
またセルフィーに強いカメラを活かして新たに搭載された機能のひとつがスタイルポートレート。
撮影した顔に自分で選んだ効果を付けることで、よりセルフィーを楽しむことができます。
同じく撮影した顔にイメージを合成して楽しめるARマスク。
マスクのタイプは複数用意されており、これまで以上にセルフィーを楽しく使うことができます。
また従来までのカメラアプリも当然使用できます。
オーディオ
DSEE HX、ハイレゾ再生、ヘッドホン音響補正、デジタルノイズキャンセリングといったものに加え、Xperia Z4では新たにLDACもサポート。
Xperia Z3では高品質の音源を再生する場合は音響機器を有線で接続する必要がありましたが・・・
Xperia Z4では新たにサポートしたLDACにより、Bluetoothで接続した音響機器でも高品質の音楽を楽しむことが可能になりました。
LDACはより音質のよいコーデック規格で、従来比で約3倍となるデータ伝送料をほこります。
従来はBluetooth接続の音響機器でハイレゾ音源を再生すると、CD音源相当の音質へ変換(この過程で劣化)して伝送するためハイレゾの音質を楽しむことができませんでした。これをLDAC規格をサポートすることでデータ伝送料があがり、音源を変換することなく試聴することが可能となります。
また使っているヘッドホンの特性をモニターし、その特性によりあった補正を”自動”で掛けてくれる機能も搭載。
さらにノイズキャンセリングヘッドセットで周囲の雑音を把握するために搭載されているマイクを活用したバイノーラル録音にも対応。
バイノーラル録音は実物を見てもらったほうがイメージがつきやすいと思いますので、イベント内で実際に撮影した動画を載せておきます。一応説明だけしておくと、中央に映っている人が指を差した方向で人が拍手をするとともに、はさみをチョキチョキと動かしています。
動画で見て(聴いて)いるのに、どの方向で音が鳴っているかがはっきりと分かり、かつはさみの音のように小さなものでもハッキリと録音することができています。この機能に関しては、イベントに参加した参加者たちの中でもかなり驚きの声が上がっていました。
ディスプレイ
カメラでの三位一体同様、ディスプレイでもTRILUMINOS DISPLAY for mobile、X-Reality for mobileといったSonyがBRABIAの開発で培った技術を搭載。
新開発のLive Color LEDを採用することで、従来のLCDよりも赤と緑の色域が広がっており、より絶妙なニュアンスの色も表現できるように。
またX-Reality for mobileによって、ぼやけてしまった輪郭、データ圧縮による画素の劣化も補正し、本来あった質感やディテールを再現。インターネット動画のような低ビットレート(低画質)映像も高精細に再現します。
画面の明るさも映像全体に対して調整するのではなく、各画素ごとに自動調整することで、明るさと細部の再現性を両立しています。
ディスプレイ輝度はXperia Z3と比べて16%向上。
ディスプレイ上にメモリを内蔵することで、消費電力も抑える設計となっています。
また大きく改善されたのがタッチパネル。これまでも防水仕様であったXperia Zシリーズでは、水場まわりで使用される機会も多かったのですが、濡れた状態で触るとタッチなどの操作に誤動作が起きる(もしくは反応しない)といった課題がありました。それを今作では水の静電容量と指の静電容量を判断し調整することで誤動作を低減。濡れても操作しやすい仕様となっています。
その他の役立つ機能
端末デザインの より薄く、より軽く を実現するためにはやはり何かを削る必要があります。今作でその対象となったのがバッテリー。前作と比較すると容量がわずか(170mAh)ながら減っています。しかしここに関してはただ使用時間が減りました でなく、バッテリー周りのマネジメントをより最適化することでカバーされています。
その代表となるのがSTAMINAモード。機能自体は従来より搭載されているものではありますが、指定したアプリケーションの待機中における動作を制限することでバッテリー消費を抑え、結果的に待ち受け時間を長持ちさせることが可能です。
2モデル前のXperia Z2より搭載されている日本語入力ソフトウェア「POBox Plus」はさらに進化。PCキーボードと同じ配列のQWERTY入力においてもフリック入力をサポートしています。英数字記号、大文字小文字といったものが混ざった文字列もスワイプを活用することでキーボードを切り替えること無く入力することが可能です。またアルファベッドの予測変換にも対応しています。
またPOBox Plusに搭載された かんたんキーボード は、表示がより見やすく分かりやすくなっており、スマホ初心者であっても自分が求める機能を簡単に探しだすことができます。
初心者向けとして好まれる シンプルホーム も画面デザインを一新。
またメールやカレンダー、ダイヤル画面といった基本となるユーザーインターフェースもOSバージョンの変更に併せて、より使いやすい構成へと変更されています。
ビデオアプリ、TV SideViewアプリ、SONY製のブルーレイディスクレコーダーを合わせて使えば、放送中あるいは録画した番組をXperiaで使用することも可能に。さらにフルセグの録画もできるようになりました。
PS4のリモートプレイにも対応しているので、PS4本体やTVモニターから離れた場所でもPS4で遊べます。
アクセサリー
スマホと一緒に使うアクセサリーとして少しずつ浸透しつつあるスマートウォッチ。SonyのSmartWatch 3では5月下旬にOSアップデートが行なわれ、いくつかの機能が新たに追加されています。
UIが刷新されたことで各アプリや機能へのアクセスが簡単に。
また画面に触れずとも、手首の回転動作だけで画面操作が可能になっています。
また今後、サーフィン用アプリ「なみある?アプリ サーフィン&波情報」や・・・
ナビゲーションアプリの定番といえるゼンリンの「いつもNAVI for Android Wear β」もリリース予定。
「いつもNAVI for Android Wear β」に関しては矢印、レーダー、スマートターン・バイターンといったモードに対応。
さらに 某ロボットアニメに登場するキャラクターに似ていて可愛らしい と話題になっているのが Smart Bluetooth Speaker BSP60。
最大の特徴は話しかけることで日付や時刻、スケジュールの確認、電話の発着信などが可能となっている(ボイスコントロール機能を搭載している)こと。またミュージックダンスモードにすると左右上部に配置されたカバーを開閉したり、前後左右に動きまわったりと、実際にダンス(!)も踊ります。
本体価格が38,000円(税込)とやや値は張りますが、スマホと連携して新しい使い方ができるスピーカーとしては非常におもしろい製品といえます。
イベントに参加してみて
前評判として前作となるXperia Z3からほとんど進化がないといった意見も聞かれていたXperia Z4。個人的にもネット上で収集した情報を元に見ている限りではまさに同じ印象を持っていたものの、実際に詳しく説明を聞いてみると、主だって露出している情報以外の部分が思っていた以上に使いやすく進化していることが感じられ、正直イベント参加前後でXperia Z4に対する印象が大きく変わってしまいました。
あとこういったタッチ&トライイベントに関して毎回感じるのは、もちろんイベント後に最新端末をモニター機として借りられることも大きな魅力ではありますが、それ以上に開発に携わった中の人から生の声が聞けるというのがよいということです。中の人でないとなかなか知らない話が聞ける(実際オフレコとなった話もありました)というのももちろんあり、またやはり自分たちで試行錯誤し、自信を持って世に送り出した製品ということで、話をする中で伝わってくる熱量が半端ないです。
今後も新機種発表のタイミングなどで定期的に同様のイベントが開催されていくと思いますが、ネットで情報を調べる、実店舗で実機に触れて確認することとはまた異なった発見がたくさん感じられるだけに、興味がある人はまず一度、参加してみることをオススメします。
当日気になったその他のもの
その他、当日イベントに参加して個人的に興味をもったことを別記事に分けて整理してみました。よろしければ併せて読んでみてください。
モニター機、お借りしました
ということで1ヶ月間使わせていただけるモニター機をお借りしてきました。スマホはau版のXperia Z4 SOV31のCopper、その横にあるのはSmartWatch 3のライムです。これらに関しては引き続き使用して性能・機能のほどを確認していくことにします。
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