南海電鉄・なんば駅に設置されたVisaタッチ決済対応の自動改札機

南海電気鉄道株式会社(以下「南海電鉄」)が運賃の決済方法として導入している「Visaのタッチ決済」。このサービスとGoogle Pixel Watchを使い、関西空港-なんばの区間を電車移動してみました。Google Pixel Watchでも特に問題なく利用可能でした。

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南海電鉄での「Visaのタッチ決済」

南海電鉄では2021年4月3日(土)より「Visaのタッチ決済」での運賃支払いに対応する実証実験を開始。そこから約1年9ヶ月の期間を経て、2022年12月12日(月)には正式導入(=サービス継続と導入エリア拡大)を案内していました。

南海電鉄の“Visaのタッチ決済対応駅”(※正式導入時は23駅)では自動改札機にVisaのタッチ決済用デバイスが併設されています。

クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどVisaブランドで発行されたICチップ付きカードを入場時・退場時に自動改札機の決済デバイスにかざすことで、運賃をタッチ決済できます。利用方法は街中でVisaのタッチ決済を利用する場合と変わりません。

Google Pixel Watchで利用する

利用のながれ

Google Pixel Watchでも(一部のカードを登録すれば)Visaのタッチ決済が利用できます。

Google Pixel WatchでVisaのタッチ決済を利用する手順は次のとおり。

「Google Pixel Watch」でVisaのタッチ決済を利用する流れ

  1. Google Pixel Watchに対応カードを追加(登録)しておく ※初回のみ
  2. 「Visaのタッチ決済で支払う」旨を伝える
  3. Google Pixel Watchのリューズを2回押しする(=Google Payアプリを起動する)
  4. 支払いに使うカードが表示されていることを確認する
  5. 決済デバイスにGoogle Pixel Watchをかざす

今回のケース(=南海電鉄の運賃支払いにVisaのタッチを使うケース)では決済デバイスが“無人”の自動改札機であり、実際には上記3〜5の3つの手順で利用できました。

なお2023年2月現在、Google Pixel Watchに登録できるカードの種類はかなり限定されています。

ぼく自身はソニー銀行のVisaデビット付きキャッシュカード「Sony Bank WALLET」を登録して使っています。

利用した感想

今回は南海電鉄(空港線)にて関西空港駅-なんば駅の区間を移動する際に計2回(往路および復路)、Visaのタッチ決済を利用。

Google Pixel Watchを使ったVisaのタッチ決済でも、特に問題なく乗車(入退場)できました。

実際にGoogle Pixel Watchで利用して気になったことは3点。

まず決済のために若干の手間がかかります。具体的には決済デバイスにかざす際に都度、事前にGoogle Pixel WatchでGoogle Payアプリを起動しておかなければなりません。1回の乗車に対して入場時と退場時で計2回、それぞれリューズの2回押し操作が必要です。

また駅により決済デバイスの配置も異なるため、特に初めて通過する自動改札機ではかざす位置の確認も欠かせません。今回のケースでは関西空港駅の自動改札機が一体型スタイル、なんば駅の自動改札機は支柱による後付けスタイルでした。

▼関西空港駅の自動改札機

南海電鉄・関西空港駅に設置されたVisaタッチ決済対応の自動改札機

▼なんば駅の自動改札機

南海電鉄・なんば駅に設置されたVisaタッチ決済対応の自動改札機

そしてFeliCa(フェリカ)を用いた日本国内向けの交通系IC決済サービスに比べると読み取り時間は長いです(※2023年2月現在)。

なおVisaのタッチ決済に対応する自動改札機はQRコードを用いたデジタルきっぷにも対応。見た目がすこし物々しくなっています。この影響もあってか、他の自動改札機と比べれば利用者は少なく見えました(空いていました)。

さいごに

そもそも南海電鉄では交通系ICカードが利用可能です。南海電鉄発行のICカード「PiTaPa(ピタパ)」、JR西日本発行のICカード「ICOCA(イコカ)」、そして「Suica(スイカ)」や「PASMO(パスモ)」などの他交通系ICカードサービスとの相互利用にも対応しています。

日常から上記いずれかのサービスを利用している場合、あえてVisaのタッチ決済を選ぶ理由はないかもしれません。今回もまず「Visaのタッチ決済で乗車してみたい」という動機があり、そこから「(どうせならGoogle Pixel Watchを使いたい)」となって試すに至りました。

当面はインバウンド旅客(海外からの旅客)がメインターゲットとなるのかも。関西空港を経由して来日したり、高野山(寺院)があったり、インバウンド旅客が利用するケースは想像できますよね。

ぼく自身は今後は「旅行中のお金の管理を日常生活とは分けて管理したい」など特別な理由がある場合を中心に活用していきます。