Samsung Galaxy Buds Liveのパッケージ

“そら豆”デザインがユニークな、Samsung製のフルワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds Live」。おしゃれなデザイン、シンプルな着用姿、周囲の音を遮りすぎないオープンイヤー設計、など気に入るポイントがたくさん。おもに徒歩移動や散歩のお供として愛用しています。

ぼく自身が使っているのは“日本未発売カラー”。海外から個人輸入したものです。

色違いで2つ目(2色目)を買い増しすべく、ebay(イーベイ)を通じて海外から個人輸入したところ、手元に届いたのが偽造品(いわゆる“ニセモノ”)という体験をしました。

後にあらためて同じ色の真正品(“ホンモノ”)を買い直したので、比較して気がついた真正品と偽造品の違いを一事例として紹介します。

海外製品の個人輸入を楽しむにあたり、参考情報として、少しでも役立てばなによりです。

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偽物の入手経路

記事中で触れる偽造品は、海外通販・オークションサイト「ebay(イーベイ)」を通じて米国の出品者から購入したものです。

この購入経路を選んだ理由は「珍しい色の新品が割安価格で入手できそうだった」から。

日本国内で発売されているGalaxy Buds Liveのカラーは3色(Mystic Black/Mystic White/Mystic Bronze)。“青色”のMystic Blueは海外限定カラーです。

さらに商品の販売価格は税別USD85.00(約9,300円)。送料が別にUSD14.00(約1,600円)設定されていましたが、合計しても支払総額はUSD99.00(約10,800円)でした。商品代金が16,667円未満のため(個人輸入扱いの場合は)免税扱いとなり、輸入消費税はかかりません。

参考までに、Galaxy Buds Live(型番:SM-R180N)の米国向け価格は税別でUSD169.99(約18,600円)。つまり海外現地向け価格から4割引で購入できたことになります。

ちなみに、商品説明には次のような注意書きがありました。

PLEASE READ BEFORE PURCHASING: I DO NOT accept refunds.

*International Version*

*This item is unopened, brand new & sealed*

(中略)

Everything works the same. The sound quality is excellent, brand new sealed in the original box, all original content, etc. The only difference is the firmware. So it is not compatible with the US Samsung wearables app. That is the only difference.

However, the great news is that it is compatible with all iOS and Android devices when paired via bluetooth. So whether you have a Samsung phone or not, it is still compatible. The sound quality is amazing!

内容はざっくり「グローバル仕様の未開封新品。返品不可。ファームウェアバージョンの関係で、米国向けに配信されているSamsungウェアラブルアプリとは互換性なし。ただしスマホの設定画面からBluetooth連携すれば、ワイヤレスイヤホンとしては問題なく使える」というもの。

過去に複数の海外向けSamsung製品を使ってきた経験から「公式アプリと互換性がない、ということはない(ハズ)。おそらく出品者がきちんと理解していないだけで、実際には問題なく使えるだろう。」と判断。購入を決めました。

ちなみに届いた商品は確かに未開封(封印シール付き)。この点(だけ)は事前の説明どおりでした。

本物と偽物の違い

偽造品と真正品を比べてみると、パッケージ、製品本体(ハードウェア/ソフトウェア)など、様々な違いに気づけました。ポイントは次のとおりです。

偽造品と真正品の違い

  • 開封前に気づけたこと
    • 外箱記載の情報がちぐはぐ
  • 比較して気づけたこと
    • つくりが全体的に粗い
    • 動作がおかしい

外箱記載の情報がちぐはぐ

偽造品のパッケージに貼られたシールで矛盾が発生していました。

▼製品情報を記載したシール(写真左)と正規品確認シール(同右)

Samsung Galaxy Buds Live(偽造品)のパッケージ

▼型番、正規品確認シールに注目

Samsung Galaxy Buds Live(偽造品)のパッケージ

シールに書かれた型番は「SM-R180NZNAXXV」。ここから「この製品はベトナム仕向けのGalaxy Buds Live。本体カラーは“銅色”(Mystic Bronse)」と読み解けます。

しかし購入したのは“青色”(Mystic Blue)。外箱にプリントされた製品イメージも、このあと紹介する中身も、間違いなく“青色”でした。この時点でまず矛盾しています。

また右位置に貼られた正規品確認シールは中国仕向けのものです。つまり左右のシールでも矛盾が発生しています。

正規品確認シールの銀色部分には検証コードが隠されています。メーカーサポートページに検証コードを入力することで、真正品か否が確認可能です。

試しにコインで削ってみると、コードが出現しました。

▼コードはきちんと印字されていた

Samsung Galaxy Buds Live(偽造品)のパッケージ

Samsungの中国向けのサポートページにコードを入力。検証結果は「您好!验证成功,此码验证次数为:多次((重複しています)」と表示されました。

▼コード、認証キー(4文字の文字列)を入力すれば検証できる

中国仕向けのSamsung製品の偽造防止検証ページ

▼「重複しています」と表示された

中国仕向けのSamsung製品の偽造防止検証ページ

正規品確認シール自体にも簡易の検証機能がついています。サポートページによれば「真正品ならば、シールの中段右にあるピンク色の四角を指で押さえる(=暖める)と、ピンク色が薄くなったり、消えたりする」とのこと。

実際に試してみましたが、この偽造品では色は変わりませんでした。

▼シール自体にも簡易の検証機能が付いている

Samsung Galaxy Buds Live(偽造品)のパッケージ

(注意して観察することで)未開封の時点でも気づけた違いは以上です。

つくりが全体的に粗い

印刷が粗い

偽造品ではパッケージの印刷に粗さが目立ちます。文字がかすれ気味だったり、文字の細部がカクついていたり、といった具合です。密度の高いプリントが苦手という印象も受けます。

▼偽造品(写真左)と真正品(同右)のパッケージ。真正品のほうが印刷が細かい。「AKG」のロゴデザインも忠実に描かれている

Samsung Galaxy Buds Liveのパッケージ

▼偽造品の印刷部を拡大したもの

Samsung Galaxy Buds Live(偽造品)のパッケージ

▼真正品の印刷部を拡大したもの

Samsung Galaxy Buds Live(真正品)のパッケージ

▼写真右のパッケージを別の真正品のものに交換。特徴を表すイラストはここでは一致している

Samsung Galaxy Buds Liveのパッケージ

付属品の扱いが雑

偽造品では付属品の取り扱いが雑です。束ね方や収め方に“とりあえず入れておけばOK”という印象を持ちました。書類の数も最低限です。

▼偽造品(写真左)と真正品(同右)の付属品。見た目に違いは明らか

Samsung Galaxy Buds Liveの付属品

製品の仕上げが粗い

偽造品は製品本体の仕上げにも粗さを感じます。充電ケースの外寸が微妙に違う(大きい)、充電ケースのヒンジがゆるい、イヤホン外装の質感が安っぽい、重量がカタログ値と異なる、といった違いを見つけました。

▼偽造品(写真左)と真正品(同右)の充電ケース。ぱっと見わからないが、外寸は偽造品のほうがわずかに大きい

Samsung Galaxy Buds Liveの充電ケース

▼フタを持ち上げたところ。偽造品はヒンジがゆるく安定しない

Samsung Galaxy Buds Live

▼偽造品(写真左)と真正品(同右)のイヤホン本体。偽造品は色がパーツごとに色味が違う。スピーカー用のメッシュやパンチ穴のつくりも粗雑

Samsung Galaxy Buds Live

▼真正品の重量。参考までに、メーカー公表の重量はイヤホン(2つ)+充電ケースで53.4g

Samsung Galaxy Buds Live(真正品)の重量

▼偽造品の重量。中身が詰まっていないから?なのか、軽い

Samsung Galaxy Buds Live(偽造品)の重量

動作がおかしい

ウェアラブルアプリで認識されない

偽造品はウェアラブルアプリできちんと認識されません。Android OS向けアプリでは、機器の検出・登録はできるものの、アプリからの接続(=機能の詳細設定)ができません。iOS向けアプリでは機器の検出・登録自体ができません。

▼Android OS向けアプリでは「接続」を選んでも接続できない

Galaxy Wearableアプリ

▼Galaxyスマホで表示したBluetooth設定画面。偽造品(赤枠内の一番下)だけイラストが異なる

Galaxy S21 Ultra 5GのBluetooth設定画面

▼Pixelスマホで表示したBluetooth設定画面。イラストは同じだが、偽造品(赤枠内の一番上)だけ初期状態での機器名称が違っている

Pixel 5のBluetooth設定画面

再生や停止時のビープ音がない

偽造品ではビープ音(ジェスチャー操作が認識されたことを通知する音)が異なります。

偽造品もBluetooth設定画面で連携すればワイヤレスイヤホンとして使用可能。タッチ操作での「再生/一時停止」といった簡単なジェスチャー操作も利用できました。しかしビープ音は真正品と異なり、非常にそっけない音です。

ケースに入れても音楽が止まらない

偽造品ではイヤホンを耳から外したり、充電ケースにしまったりしても、音楽が止まらず鳴り続けます。

Galaxy Buds Live(イヤホン本体)には装着している・していないをセンサーで自動検知し、耳から取り外した際には音楽再生を自動で停止する機能があります。しかし偽造品ではこの機能がただしく動きません。

▼この状態でも音楽が鳴り続ける。フタを閉めるとようやく止まる

Samsung Galaxy Buds Live(偽造品)

通知ランプの挙動が異なる

偽造品は通知ランプの挙動も異なります。有線充電時にランプが点灯しない、無線充電時のランプ点灯パターンが異なる(真正品では赤ランプ点灯。偽造品は赤ランプ点滅)といった具合です。

さいごに

「珍しい色の新品が割安価格で入手できそう」という理由でebayを利用したところ、偽造品が届くという体験をしました。

意図した偽造品の販売は一部に限られる(と願いたい)ものの、紹介した内容が一事例として、海外製品の個人輸入を楽しむために役立てば何よりです。

購入はAmazonがオススメ

(意図せぬ)偽造品の購入にはデメリットがたくさんあります。無駄な費用がかかる、返品・返金手続きの手間がかかる、購入〜到着〜使用開始までに要する時間が増える、製品本来の機能・性能が楽しめないなど。

見極めの手間なく、確実に真正品を入手したい場合は、やはり実績のある海外通販サイトやECサイトの利用をオススメします。

たとえば今回取り上げたGalaxy Buds Liveの“日本未発売カラー”。2021年5月時点ではAmazonのドイツ向けサイト「Amazon.de」で割安に販売されています。ぼく自身も複数回の利用経験があり、購入先のひとつとして個人的にもオススメです。

余談:偽造品は返金してもらえた

余談として、この記事で紹介した偽造品は最終的に返金対応してもらえました。

商品説明に「返品不可」とあったものの、ebayを通じて「返品理由:本物ではないため(Reason for return : Doesn’t seem authentic)」と申請。申請のコメント欄に(すでに所有していた)本物との違いを入力することで、販売者にも申請を受諾してもらえました。

スケジュールとしては、申請から1日も経過しないうちに返品が了承され、そこから約1週間でPayPalに返金が反映という具合です。

届いた商品が説明と明らかに異なっていたり、そもそも違うものであったり、ニセモノであったり。こうしたケースでは泣き寝入りせず、ダメ元でも返品・返金申請してみましょう。