Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

Samsung Electronics(サムスン電子。以下、Samsung)から発売中のフルワイヤレスイヤホン第二世代モデル「Gear IconX(2018)」を購入。2017年末から約1ヶ月半使ってきました。

そこでこの記事ではSamsung Gear IconX(2018)(型番:SM-R140)のデザイン設計から使い勝手まで、実際に使って感じたことをレビューします。

今Gear IconX(2018)に持っている印象は「意識を高め、運動をより楽しくしてくれるイヤホン」。既にウォーキングやランニングなど運動習慣がある方はもちろん、「これから運動習慣を身に着けたい」「運動を楽しみ継続できる工夫が欲しい」方にもオススメの製品です。

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パッケージと同梱物

日本向けにも2017年11月から国内正規品が発売中のGear IconX(2018)。ただ日本で発売中の本体カラーは1色(Black)のみ。海外も含めて用意されたカラーバリエーションは全3色(Black/Gray/Pink)です。

今回は見た目のビビッドさに惹かれ、日本未発売のPinkカラーが欲しくなったため、入手については米Amazon.comを利用し個人輸入。

ちなみに日本版も米国版もベースとなる型番は同じ「SM-R140」。技適マークの有無など細かな違いはありますが、基本的な機能などは変わりません。

▼明るいピンクの本体色は黒地のパッケージにとても映える

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼外フタと内フタを開けると左右のイヤホンとケースが登場

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼米国向け製品のパッケージ内容物一式

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

Gear IconX(2018)(米国版)のパッケージ内容物:

  • イヤホン1組(左右)
  • 充電ケース
  • イヤーチップ(S/M/L)
  • ウイングチップ(S/M/L)
  • USBケーブル(Type-C)
  • USBコネクタ(A to B)
  • USBコネクタ(A to C)
  • 説明書/保証書類

イヤホンのつけ心地に大きく影響を及ぼすイヤーチップとウィングチップは各3サイズを同梱。

また充電ケースへの給電元デバイスとしてモバイルバッテリーから充電器まで様々選べるよう、USBケーブルや変換コネクタは充実しています。

ケースとイヤホン本体のデザイン

Gear IconX(2018)(=イヤホン)未使用時はケースに収納しておくのが基本。イヤホンだけでなくケースにもバッテリーを搭載しており、収納している間にケース→イヤホンへ給電されます。

▼充電ケースは楕円形。上には立体デザインのSamsungロゴ

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼前面にはフタを開けるボタンとイヤホンの充電インジケーター

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼背面。写真左からケースの充電インジケーター、充電端子、無線ペアリングボタン

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼手のひらには収まるが、ポケットに入れるとぽこり盛り上がるサイズ

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

ケース重量はイヤホン収納時の実測値が70g。携帯する際「重さ」に対して邪魔と感じることはありません。ただケースの形状は嵩張るため、衣服のポケットなどに入れての持ち歩きにストレスをいだくことはあるかも。

▼ケースを開けた様子

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼フタはおおよそ90度開く

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼ケース→イヤホンへの給電は専用端子を通じておこなわれる

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼イヤホン(右耳用)。外側の三角デザイン部はタッチパネルとして機能

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼内側には充電端子、装着状況を判断するセンサー

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼イヤチップとウィングチップはラバー製。交換は容易にできる

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

Gear IconX(2018)は“フルワイヤレスイヤホン”であり、左右のイヤホンが完全に独立した設計の製品。ケースにはイヤホン2個(左右一組)が収納されており、個別に左右の耳へ装着します。

イヤホンの重量はひとつあたりが実測値で7gで、こちらも重さにストレスを感じることはナシ。イヤホンの外装にはつや消しを施した樹脂が使われており、指で掴んだ際にも滑りにくくなっています。

なおウィングチップの下には、万が一Gear IconX(2018)の動作がおかしくなった場合に役立つリセットボタンが配置されています。使用前にウィングチップを交換する際は、あわせてリセットボタンがどこにあるのか確認しておくとよいでしょう。

装着するとどう見える?

最近では製品の種類も増えてきたフルワイヤレスイヤホン。どの製品を選ぶか?の判断ポイントとしてひとつ欠かせないのは「装着している姿がまわりからどう見えるか」ではないでしょうか。

参考までに私自身がGear IconX(2018)を装着した様子を撮影した写真を紹介しておきます。

▼正面:「耳に何か着けている」ことは前から見てもわかる

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼左右:ウィングチップも隠れ、見た目はとてもシンプル

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼イヤチップとウィングチップのサイズが適切なら脱落の心配もない

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

今回はGear IconX(2018)の本体色がもっとも目立つPinkということもあり、正面から見た際にも「耳に何か着けている」ことはしっかり確認できます。ただ見た目は“違和感を覚えるもの”ではなく、割りと自然に見えることがわかりますね。

国内で発売されているBlackカラー、あるいは海外で発売中の残り1色(Grayカラー)はいずれも落ち着いた色味。より目立たず使いたいなら、BlackかWhiteいずれかの購入がオススメです。

使ってわかったポイントを紹介

続いてGear IconX(2018)を実際に1ヶ月半使ってみて感じたポイント。紹介するのは7つ。

音響機器としての再生能力は「標準レベル以上」

イヤホン=音響機器であり、機能面でまずチェックが欠かせないのは音質。

Gear IconX(2018)はBluetoothイヤホンとして普通に使う場合にも、標準レベル以上の音楽再生性能を備えています。音は高音域、中音域、低音域で突出したものがないバランス重視。音圧にストレスをいだく“硬さ”や“強さ”はなく、長時間の使用でも聴き疲れしにくいです。

ただし音の広がりは弱めに感じます。広いコンサートホールなどで録音されたライブ音源を再生してみると、音はわりと耳元で鳴っている印象。

Galaxyデバイスとセットで使う場合「UHQアップスケーラー」は使用不可ですが、音質を個々人向けにカスタマイズできる「Adapt Sound」は使用が可能。

▼UHQアップスケーラーは使用不可。Adapt Soundは使える

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

また「サラウンド」「コンサートホール」などのエフェクトも有効化できるので、たとえば「もう少し音の広がりを強くしたい」といった場合には、これらエフェクト機能を活用してアレンジしてみるとよいでしょう。

なお1ヶ月半の間はほぼ毎日、1日2~3時間以上は使ってきましたが、完全に分離された左右のイヤホンでの「音ズレ」にはまだ一度も遭遇していません。音がズレた音楽を聞き続けると音酔いして気分が悪くなる心配もあるだけに、このストレスがないことは評価しています。

運動時の使用も「外音取り込み」で安心

インイヤー設計のイヤホンは脱落しにくさとともに遮音性ももたらします。ただしこれは単純に音楽を楽しむ際には嬉しいポイントですが、運動時に使用する場合は周囲の音を遮ることが身の危険に繋がることも。

そこで活用したいのが「周囲の音」を意図的に取り込む機能。設定を有効にすると、イヤホン外で聞こえる音のうち、おもに高音域を中心に音が取り込まれます。

▼周囲の音を“意図的に”取り込む機能が用意されている

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

周囲の音を有効にすると、電車内のアナウンス、後ろから接近する車の走行音などはかなり聞き取りやすくなります。一方で強風時の風切音も「ガサガサッ」とかなり大きい聞こえてはしまいますが……。

幸い機能のオン/オフ切り替えはイヤホンのタッチパネルへの操作だけで切り替えできるように設計されています。シーンに応じて使い分けがしやすい設計は非常によく考えられており、好印象です。

“慣れさえすれば”便利に使えるタッチパッド

左右のイヤホンはいずれもタッチパネルを搭載。全6種類のジェスチャーで操作ができます。各ジェスチャーに割り当てる機能は変更できません。

▼基本操作は6種類と多いが、慣れさえすれば便利に使える

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

曲の再生/ポーズ、曲送り/曲戻し、音量アップ/ダウンなど直感的にわかるジェスチャーになっていることはよい一方、6種類というジェスチャーの種類は多く、使いこなすまでには慣れが必要です。

操作のコツは「タップはゆっくり、スワイプはすばやく」。使う中でジェスチャーを覚えてしまいさえすれば、あとはかなり自然に使えます。

バッテリー保ちは公表値と大きなズレなし

連続使用時間の公表値はGear IconX(2018)内に楽曲データを保存し再生する「スタンドアロンモード」で最大6時間。スマホからストリーミング再生する「ストリーミングモード」で最大5時間。実使用でのバッテリー保ちにも大きなズレは感じません。

イヤホンの充電状況はケース外側に設けられたインジケーターで確認。赤点灯が充電中、緑点灯が充電完了とひとめで理解でき、わかりやすいです。

▼インジケーターランプは赤が充電中、緑が充電完了を示す

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

充電完了後はしばらく経過するとランプが消灯。あらためて充電状況を確認する際はケースのフタを開閉すれば、ふたたびインジケーターが点灯します。

使用前・使用後の紛失には要注意

ケース内のイヤホン収納ポケットは、左右のイヤホンごとに合わせたつくり。左右でイヤホンを入れ違える心配、充電端子の接触不良もありません。

ただ使用前後のフタが開いた状態でケースを傾けてしまうと、イヤホンが脱落する恐れはあり。

▼収納時は穴におさめフタで押さえる。マグネット付きだが固定力は弱い

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

ケースとイヤホンの表面はともにつや消し仕上げ。持ちやすく滑りにくいですが、ケースとイヤホンを固定用に備わったマグネットの磁力は弱め。何かの拍子に外れて紛失しないよう、注意が必要です。

毎日の運動を楽しくさせるコーチング機能

他社製フルワイヤレスイヤホンと比べた際に“Gear IconX(2018)ならではの特徴”となるのは、運動をサポートする「コーチング機能」が使えること。

使用前の設定はGear Managerアプリにて。またコーチング機能を使ったトレーニングの内容(運動データ)はS Healthアプリに保存されます。

▼Gearアプリ内の「Gear IconX」用メイン画面

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼コーチング機能の「ペースセッター」が運動状況やアドバイスが音声案内してくれる

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼ペースは事前に複数種類から選択可

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

あらかじめ音声ガイダンスの内容、コーチングのペースを設定しておけば、コーチング機能はGear IconX(2018)のタッチパッド長押しだけで使い始められます。

長押し操作ではほかに「音声コマンド(Googleアシスタントの呼び出し)」「トレーニングの詳細(読み上げ)」「周囲の音(オンオフ切り替え」もおこなえます。

▼長押しし、使う機能が読み上げられたら指を離す

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

余談ですがひとつ残念なのは、長押しから呼び出せる「音声コマンド」でGoogleアシスタントが起動できるものの、音声での指示にはGear IconX(2018)側のマイクが使えないこと。スマホ側のマイクに聞き取らせる必要があります。

不具合かと思い接続のやり直し、設定項目の確認をしてみましたが状況は変わらず。Gear IconX(2018)だけで呼び出し→指示→音声案内まで完結するとよいのですが……。

↑ ソフトおよびハードリセットを数回試したところ、音声コマンド(Googleアシスタント)呼び出し後の声による指示をGear IconX(2018)側のマイクで拾ってくれるようになりました!

コーチング機能では設定したペースと実際の移動速度などを比べ、目標に対して速度が遅ければ「もう少しペースを上げましょう」など適時音声で案内をしてくれます。頻度がやや高く感じるくらい。音楽メインにトレーニングしたい場合は、音声案内はオフがよいかも(笑)

コーチング機能を使いおこなった運動の内容は、トレーニング終了の操作をおこなうとS Healthに記録。S Healthの画面ではトレーニング時間や移動距離、時間別の速度などを確認できます。

▼ペースセッターで記録したトレーニング内容(例)

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

ペース設定は大きくウォーキング・ジョギング・ランニングの3区分向け。またウォーキングの中にもペースの異なる複数のプログラムが用意されています。

ちなみに私自身がよく使うのはウォーキングのコーチング。最近では毎日ほぼ欠かさず12,000歩以上を目標に歩いており、また歩く速さにも自信があります……が、強度が高いウォーキングのコーチングを試してみたところ当日夜から翌日にかけて見事に筋肉痛になりました(笑)

自分にとって強度の足りないコーチングでは意味がないですが、プロ~セミプロレベルのアスリートでない限り、その心配はいらないのではないか?と思いますよ。

Samsung Connectでデバイス管理はシンプルに

私が2018年1月現在使っているデバイスは、スマホがGalaxy Note8、スマートウォッチがGear Sport、そしてイヤホンがGear IconX(2018)。

一度「複数デバイスをひとつのメーカーに統一して使ってみたい」と考えていたので意図的に統一したのですが、ここであらためて存在を意識するようになったのがSamsung純正アプリ「Samsung Connect」。

Bluetoothで無線接続したデバイスを統合管理できるアプリで、これを活用すると通知領域をシンプルに整理できます。

▼「Samsung Connect」なら通知エリアもスッキリまとまる

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼通知パネル上に表示するデバイスは任意で選べる

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

▼アイコンやデバイス名タップでGearアプリもすぐ呼び出せる

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

見た目はシンプルに整理。でも各デバイスの設定画面呼び出しは容易。この使い勝手の良さはデバイスのメーカー統一&純正アプリ使用の恩恵といえそう。

一方で残念だったのはGearシリーズを複数同時に使う場合も、各デバイス間でデータは同期・統一されないこと。

Gear IconX(2018)とGear Sportを両方着用すると、それぞれのデバイス間でトラッキングデータは共有されず、各デバイスで記録したデータが別個に記録されてしまいます。

▼Gear IconXとGear Sportを装着。運動内容は別個に記録された

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

これにより「歩数が合算値になる」などの不具合はないことはせめてもの救い。デバイス間でのデータ同期・統一も可能なよう、今後の改善に期待したいですね。

あとがき

手に取り試すフルワイヤレスイヤホンとしては、Apple AirPodsに続く2製品目。デザイン設計から大きく異なる製品ですが、Gear IconX(2018)では音楽を楽しむイヤホンとしての基本機能をベースに、運動時の活用が強く意識されていることを使ってみて改めて感じました。

正直フルワイヤレスイヤホンに優先して求めることが「音質のよい音響機器」であるなら、他社製品も十分に検討すべきでしょう。

一方「普段使っているスマホがAndroid機」「運動時に“楽しく”使えるフルワイヤレスイヤホンがほしい」のであれば、数あるフルワイヤレスイヤホンの中からGear IconX(2018)を優先して検討する価値は十分アリ!といえる内容です。

Samsung Gear IconX(2018) SM-R140

ちなみにですが、一応iOSデバイスともBluetoothペアリングは可能。(ストリーミングモードに限られますが)音楽を再生してイヤホンとして使えます。

フルワイヤレスイヤホンとしての基本機能を持ちつつ、運動時(とくにウォーキング)に活用できる機能が詰まったGear IconX(2018)。日々の健康管理を目的に運動習慣を大切にしている私にとってはとくによい買い物となりました。私同様、意識を高め、運動をより楽しみたい方はぜひお試しあれ。