先日プラスワン・マーケティングが展開するモバイルブランド「FREETEL(フリーテル)」のブロガーイベントに参加。
併せて同ブランドの最新モデルとなるSAMURAI REI(麗)をお借りして使用しています。
前回は外観デザインを中心に写真で紹介・チェックしましたが、今回は主にソフトウェアについて、実際に使ってみてのファーストインプレッションも絡めて触れていくことにします。
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記事の目次
SAMURAI REI(麗)の技術仕様
まずはじめにSAMURAI REI(麗)の技術仕様をおさらい。FREETEL公式サイトの製品ページにて確認できる主な技術仕様は次の通りとなっています。
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 高さ 145.8 x 幅 71.5 x 厚さ 7.2 mm |
重量 | 約 136 g |
OS | Android 6.0 (開発コード名:Marshmallow) |
SoC | MediaTek MT6753 1.3GHz Octa-Core |
メモリ | RAM 2GB/ROM 32GB |
バッテリー | 2,800 mAh |
ディスプレイ | 5.2インチ フルHD(1920×1080)IPS液晶ディスプレイ |
カメラ | リアカメラ:1,300万画素 フロントカメラ:800万画素 |
通信方式 |
LTE Cat 4 Wi-fi:802.11 a/b/g/n(2.4GHz/5GHz) |
その他 | SIMカード:Micro SIM x 1, Nano SIM x 1 SDカード:最大128GBまで |
ユニボディ構造のメタルボディという点がこのREIの大きな魅力のひとつですが、スペックも改めてチェックしてみると、動作周波数1.3GHのオクタコアプロセッサ、2GBのRAM、32GBのROM(加えてSDカードも使用可能)と日常使用においては十分な内容。
また約30,000円という比較的手頃な価格ながら、5.2インチのディスプレイは解像度フルHD(1920×1080)という点もポイントは高いと思います。
一方でやや残念なのはNFCに非対応となっていること。地味な部分ではありますが、最近ではワイヤレス接続で利用でき、かつNFCを用いて容易にペアリングが可能なデバイスの種類も少しずつ増えつつあります。
より便利に使える端末という意味で、今後の新機種にはぜひ搭載を期待したいところです。
ソフトウェアや基礎性能をチェック
ここからはホーム画面や設定画面、ベンチマークスコアといった基礎設計・性能に関する部分を見ていきます。
ホーム画面とUIデザイン
REIでは商品出荷時より現行ほぼ最新となるAndroid 6.0(開発コード名:Marshmallow)を搭載していますが、ここにはFREETEL UIと呼ばれる独自のUIデザインが組み込まれています。
ホーム画面における大きな特徴となるのはアプリドロワー(アプリ一覧)の概念がなく、インストールされているアプリはすべてホーム画面上羅列される形で表示されるということ。
ホーム画面上にはフォルダは作成できるので、多少のアイコン整理は可能です。
またAndroid機において、一般的に画面上端から下方向へスワイプすることで表示できる通知領域/クリックアクセスパネルも独自の作りこみが。
通知領域は通常と同様に画面上端から表示できますが、一方でクイックアクセスパネルは画面下端から引き出す設計となっています。
画面下から現れるクイックアクセスパネルには直近の利用アプリを表示できるアプリ使用履歴機能も。
普段からAndroidに慣れている方にとっては、このクイックアクセスパネルの呼び出しは慣れが必要となる点でしょう。一方でiOSに慣れている方にとっては馴染み深いといえるかもしれません。
ただ5.2インチと現行では平均(よりもやや下)のディスプレイサイズではあるものの、片手操作時に画面上端まで指を伸ばす際にはつらさがあるのも事実。そう考えれば、ユーザーの使いやすさを意識した非常に面白いUIデザインだと感じられます。
なおホーム画面にアプリがずらりと並ぶのは好みじゃないという場合に限れば、設定画面から使用するホームアプリを「Freetel Launcher」以外にしてしまえば、ホーム画面とアプリドロワーがわかれた標準的なAndroidのデザインで使用することも可能です。
ただしホームアプリを変更した場合でも、画面下から呼び出すクイックアクセスパネルの配置だけは変えることができません。
設定画面
設定画面のデザインもこれまでのFREETEL機とは異なる独自のものを採用。
ただ約3画面分ずらりと並ぶ設定項目にはパッと見ても真新しいものはほぼなく、設定方法自体は一般的なAndroidとの違和感もなく使うことができます。
RAM/ROMの空き容量
2GBのメモリ(RAM)と32GBのストレージ(ROM)を搭載するREI。初期状態でのそれぞれの空き具合もチェックしてみました。
まずはRAM。2GBの容量に対して空きは約0.75GB。半分ちょっとがはじめから専有されている状態です。
一方ROMはというと、32GBの容量に対して空きが約25GBほど。下の画面は少し内容がわかりづらいのですが、ROM32GBのうちシステム側で約7GBを専有。残りの25GBに対して176MBを使用中という意味になっています。
RAM容量に関しては全体で2GBに対して半分弱くらいが空きスペースとして残っており、感覚的には「こんなものだろう」と納得できる内容。
またROMは元々32GB搭載という点が大きく、空きも十分といったところ。SIMカードスロット2との排他仕様ではあるものの、MicroSDカードを使用すれば最大128GBまでの容量拡張も可能なため、ストレージの容量不足で困ることはそうそうないでしょう。
ベンチマークスコアの測定結果
基礎性能の参考値として、ベンチマークスコアも測定してみました。今回は「AnTuTu Benchmark(v6.1.4)」「Geekbench 3」「3DMark(Ice Storm Unlimited)」「3DMark(Sling Shot using ES3.1)」の4つを使用。それぞれ複数回測定は行なった上で結果に大きなブレがないことを確認し、その一例をそれぞれ紹介していきます。
AnTuTu Benchmark(v6.1.4)
まずはAnTuTu Benchmark(v6.1.4)での測定結果。
トータルスコアは37,000台となりました。4つの項目を個別にチェックしてみると、3Dグラフィック処理に関する点数がわりと低め。ベンチマークスコアを測定中に画面上に表示される映像もカクつきが見られました。
他機種との比較によるランキングでは、まわりが1世代前のものもあれど、いずれもハイエンドということもあって、REI自体はもっとも低いスコアという扱いに。
Geekbench 3
続いてはGeekbench 3にて、CPUの性能をチェック。
シングルコアでのスコアが600台、マルチコアでのスコアが2,800台となりました。
各コアは動作周波数も1.3GHと決して高くはなく、単体で見れば2~3世代前のハイエンドモデルと同程度といった結果に。
ただしコア数は8つと多いため、マルチコアでのテスト結果ではより上位(新しい)端末の中に食い込んでいるといった状態になりました。
3DMark
最後は3DMark。こちらはIce Storm UnlimitedとSling Shot(using ES3.1)の2つで測定。
先にIce Storm Unlimitedでの測定結果がこちら。
スコアは6,800台となりました。元々先に測定していたAnTuTu Benchmarkの結果を見てそこまで高得点は出ないであろうと予想はしていたものの、やはり3Dグラフィック系の処理は得意ではないといった印象。
なお併せて測定したSling Shot(using ES3.1)での結果はこちら。
スコアは約200ほどとなりました。参考までに現行のトップハイエンドといえるSamsung Galaxy S7(Exynos 8890搭載モデル)のスコアが2,100台となっていることを考えれば、価格相応といった評価になるのではないでしょうか。
特徴的機能や気になったポイント
ここからはREIの特徴といえる機能、個人的に気になったポイントをいくつか紹介していきます。
FREETELボタンとナビゲーションキー
REIのディスプレイ下に配置されている物理ボタン「FREETELボタン」は指紋認証センサーとしてはもちろんのこと、実際に操作として行えるアクションは次のようなものが用意されています。
- 1回押し:端末のスリープ解除、ホームへ戻る
- 2回押し:アプリの使用履歴を開く
- 軽くタッチ:「戻る」の操作
- 長押し:Google Nowの呼び出し
ようはAndroid OS搭載機を使うにあたって最もよく使う操作一式がこのボタン一つで行える設計です。
そのため、物理ホームボタンを搭載するほとんどの機種が備える「戻るキー」あるいは「アプリ使用履歴キー」といったものは物理キーとして個別に搭載されていません。
よく使う=基本的な操作が異なるという点では、下から飛び出るクイックアクセスパネル同様、慣れるまでに時間を要する設計と言えるかもしれません。
ただ使い分けさえ自然とできるようになってしまえば、こちらはより操作性が向上するであろうものかと思います。おもしろい仕掛けであり、独自性という意味では、このREIにおいて個人的にもかなり気に入っているポイントのひとつといえます。
ボタン自体もしっかりとしたクリック感があるので、操作していての誤動作やわかりにくさはほとんどありません。
また、どうしても通常のナビゲーションキーで使いたいという場合は、設定画面からディスプレイ上にソフトナビゲーションキーを表示することもできます。
ただひとつだけ個人的に惜しいと感じたのが、ソフトナビゲーションキーを表示した場合でもFREETELボタン自体の機能を制限できないということ。
今回FREETELボタンを使う中で気がついたことですが、私の場合、普段何気なくホームボタンに指を乗せていることが多いようです。ようは無意識に「戻る」の操作をしてしまうことが多いということですね。
必要な場合にはナビゲーションキーを表示できる、という細かい配慮が非常にうれいいポイントなので、併せてFREETELボタン自体の動作も多少制御できるようになると、より使いやすさを感じる方が多い、魅力的な機能になると感じました。
ソフトウェアアップデートなどでどうにかできそうな機能だけに、今後に期待したいところです。
指紋認証の使いやすさ
FREETELのスマホとしてはこれまでフラッグシップモデルのSAMURAI KIWAMI(極)にのみ搭載されていた指紋認証機能。このREIではディスプレイ下に配置されたFREETELボタンに内蔵される形で搭載されています。
FREETELボタン自体はフロントパネルよりやや奥まった形で配置されており、指を置いた際に奥まった部分に指がピタリとはまるような印象。ボタン自体も楕円形状で面積が広く、指が起きやすいという意味でも好印象です。
認証用に登録できる指(指紋)の数は最大5つまで。
登録方法は指紋認証機能を搭載する他の端末同様、センサー部に指を押し当てることで行ないます。
登録時に読み取りが問題なく進めば、最短10回ほど、指をセンサーに押し当てるだけで一つの指(指紋)の登録が完了。指の縁などの登録はない、だいぶシンプルな設計になっています。
なお最大5つまで登録できる指紋情報は、1つの指紋を5回登録するといったことにも対応。認証に使う指が限定されている場合は、同じ指を複数回登録しておくことで認証精度を向上させるといったことも可能となっています。
最後に気になる指紋認証の精度と速さについてですが、認証速度自体は特にストレスを感じることがなく、よくできているように思います。
一方で認証精度については、登録時に指紋の縁の部分などを登録する工程がない分、センサー(FREETELボタン)が指でがっちりと覆い被さないと精度が落ちる印象も。
個人的にはボタンのフットプリントが大きいことでの指の収まりのよさが好印象なので仕方がないと割り切っていますが、認証精度という点で他の機種と比較すれば、特段優れているとはいえないというのが正直なところです。
APN情報のプリイン数が多い&設定が楽
FREETELではスマホだけでなく回線(SIMカード)サービスも提供しており、端末を購入する人の多くは回線とのセットで購入・契約する方が多いのではないかと思います。
今回私も端末(REI)の他にデータ通信用のSIMカードをセットでレンタルしていますが、SIMカードを入れてまず驚いたのがプリインストールされているAPN情報が非常に多いということ。
3画面分を超える量のAPN情報がはじめから登録されています。
自社で回線サービスもて提供しているのであれば、初期登録しておくAPN情報も自社の分だけでよいのでは……なんてことも考えてしまいますが、このあたりはユーザーの手間を少しでも省くといった思いが感じられます。
またAPN情報に関して驚いたのはこれだけではありません。今回FREETEL SIM以外のSIMカードもいくつか挿しながら使用していますが、多くのSIMカードに関しては、SIMカードを挿したタイミングで自動認識→APN情報を自動選択といった動作が確認できています。
SIMカードを挿し替えると以下の様なメッセージが表示され……
「はい」を選択するとAPN情報が自動で選択され、すぐにモバイルデータ通信を利用できるようになります。
詳しくはまた別な記事で書くつもりですが、この動作自体は国内向けに提供されているSIMカードだけでなく、海外のSIMカードを挿してもきちんと動作してくれます。
好きな端末に好きなSIMカードを挿して使える。こういったSIMフリー端末の魅力のひとつを汲みとったよい仕組みではないかと思います。
フリック操作での文字入力に関する問題点
クイックアクセスパネルを下から呼び出すUIデザインに変更したことで、フリック操作での文字入力時に、無駄にクイックアクセスパネルが表示されてしまうといった問題がいくつかのブログなどで報告されていたので、こちらも確認してみることに。
私自身は普段からGoogle日本語入力を使用しており、かつREIも標準の文字入力アプリがGoogle日本語入力となっていたのでそのままテストしてみたのですが、結果として、私個人的には特段使いにくさは感じませんでした。
確かに最下段のキーの中央より下くらいの位置をドラッグし、上方向に引っ張るとクイックアクセスパネルは出てくるのですが、普段通り文字入力をしていても、そもそもそうなるケースがないという結果に。
万人がそう使えていないという意味では改善の余地が大いにある部分ですが、使う人によってはそれほど気にならない可能性も、というのが個人的に試してみて感じたところです。
なおクイックアクセスパネルが出てきてしまうという場合は(不本意ですが)ナビゲーションキーを画面に表示するだけでだいぶ症状を軽減することができるかと思います。
こちらもソフト側の調整でどうにかできそうな気がするだけに、今後のソフトウェアアップデート配信とそれによる解決を期待したいところです。
最後に:ファーストインプレッションまとめ
REIを手元にお借りしてから約2週間。
ここまで使ってみてのトータルでの印象は、これまでFREETELがリリースしてきた端末の中でも間違いなく上位に食い込むであろう、魅力を有した1台であると感じています。
30,000円なら十分安く感じられる外観デザイン。そしてチャレンジングかつユニークなUI設計・機能の採用は何よりおもしろみがあります。テレビCMなどの効果も含め、今後関心を持つ方もより増えてくるだろうと予想します。
もちろん中には「もう一歩、かゆいところに手が届ききらない」という部分もあるので、そちらは今後ぜひ、ソフトウェアの更新などによる対応を期待したいところです。
なお今回特に触れなかったカメラ機能に関してもこだわりを謳うポイントがあるので、こちらはまた後日紹介していければと思います。