昨年末にMicrosoftのフラッグシップモデルである Lumia 950 XL RM-1085 を購入していました。今回はこのLumia 950 XLの外観フォトレビュー、中身のチェックおよびファーストインプレッションを紹介していきます。
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Lumia 950 XL RM-1085の技術仕様
はじめに Lumia 950 XL RM-1085 の技術仕様を整理・確認しておきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 高さ 151.9 ✕ 幅 78.4 ✕ 厚さ 8.1 mm |
重量 | 165 g |
OS | Windows 10 Mobile |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 810 2.0GHz Octa-Core |
メモリ | RAM 3GB / ROM 32GB |
バッテリー | 3,340 mAh |
ディスプレイ | 5.7インチ WQHD(2560×1440) AMOLEDディスプレイ Corning Gorilla Glass 4 |
カメラ | リアカメラ:2,000万画素 フロントカメラ:500万画素 |
通信方式 |
LTE Cat 6 FDD-LTE:Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/20/28 Wi-fi:802.11 a/b/g/n/ac、MIMO |
その他 |
SIMカード:nano SIM ワイヤレス充電(Qi規格)対応、外部入出力端子:USB Type-C |
Lumia 950 XL は Microsoft が昨年10月に発表した同社スマートフォンブランド Lumiaシリーズ のハイエンドモデルであり、フラッグシップモデル。Lumia 950シリーズとしてはLumia 950/Lumia 950 XLの2モデルが用意されており、今回レビューするLumia 950 XLはより大きなディスプレイ(5.7インチで解像度はWQHD)とコア数の多いプロセッサ(Qualcomm Snapdragon 810、オクタコア)を搭載する上位仕様のものになります。
OSには製品出荷時より最新となるWindows 10 Mobileを搭載し、充電等に用いる外部入出力端子にはLumiaシリーズとして初となるUSB Type-Cコネクタを採用。有線充電では急速充電にも対応し、またQi(チー)規格によるワイヤレス充電も可能です。またWindows 10 Mobileの目玉機能といわれるContinuum(コンティニュアム。外部モニターやマウス、キーボードと接続することでLumia 950 XLがパソコン本体のように使用できる機能)にも対応します。
今回はイギリスのガジェットショップHandtecにて購入。12月上旬に注文し(配送スピードより配送料の安さを優先したため)手元に届いたのが12月下旬。そこからおおよそ2週間ほど使ってみてのレビューとなります。
開封&同梱物チェック
こちらがLumia 950 XLのパッケージ。パッケージサイズは想像していたより大きく、縦 x 横 がおおよそ 18cm x 19cm ほど。購入した本体カラーはBlackで、パッケージにプリントされている本体イメージもBlackのものとなっていました。
モデル番号は RM-1085 。対応周波数も記載されており、またその横には(写真が切れていますが)製造国がベトナムとも書かれています。
パッケージを開けた様子。フタはスリーブケースのように横にずらして開閉するつくりになっています。
パッケージに同梱されていたものを並べてみました。Lumia 950 XL本体のほか、USB Type-Cケーブル、充電アダプター、説明書といったところ。
端末の外観
Lumia 950 XLはフレームや背面など、筐体の材質にはプラスチックを用いており、正直 ”高級さ” といったような質感はありません。
ディスプレイの上には ”Microsoft” のロゴが配置されています。
側面をぐるりと確認してみると、イヤフォンジャックが上面中央に配置されています。
また右面には電源キー、音量キー、カメラキーを配置。各物理キーも全体的な見た目を考慮して角を丸めているもの、残しているものがありますが、各ボタンにスピン加工などの特殊加工は特に施されておらず。最低限の加工を施したシンプルな仕上げとなっています。
下面には中央にUSB Type-Cコネクタを配置。
左面には何もありません。
リアパネルとフレーム(側面)は同じ素材を用いているということもあり、外観的な統一感はあるといえます。
リアカメラは6層のレンズから構成され光学式手ブレ補正機能も搭載する、有効画素数2,000万画素のPureViewカメラ。センサーサイズは 1/2.4インチ で、F値は f/1.9 です。LEDフラッシュライトも3連になっており、それも含めてカメラ部分はかなり大きめの縁取りがされています。
円状の部分だけ1〜2mm程度、飛び出ています。
プラスチックパーツの指ざわりはスベスベとしたマットな質感。皮脂汚れはやや目立ちやすそうな印象、かつ汚れが定着してしまうと掃除が大変だと思われ、定期的に掃除する或いはケースを装着して使用することが良さそう。
バッテリーは3,340mAhと容量も大きく、着脱も可能。下面に設けられた突起よりリアカバーは取り外すことができます。
カメラが上寄りの配置、そしてそのすぐ下にバッテリーは装着されているため、MicroSDカードスロットはUSB Type-Cコネクタのすぐそばに設けられています。
SIMカードスロットも同様。RM-1085はSingle SIMモデルとなっています。
Qiによるワイヤレス充電にも対応していることから、リアカバー裏にはそれ用の端子やアンテナパーツも見受けられます。
5.7インチのディスプレイを搭載しており、かつディスプレイ左右は特段ベゼルレスな作りでもありません。そのため手に持ってみると大きさはそれなりに。一方ディスプレイ上下に関してはベゼルがそこまで大きくなっておらず、縦に関しては比較的スリムな印象です。
Xperia Z3(ディスプレイサイズ:5.2インチ)と並べてみたところ。Lumia 950 XLはディスプレイ下部に大きなスピーカーを設けていない、といったこともあり特に下のベゼルが狭くなっています。
ソフトウェア
ホーム画面は従来のWindows Phoneと同様、タイル式のデザイン。
通知エリア/クリックアクセスエリアはディスプレイ上端から中央に向かってスワイプをすると下がってきます。1画面上に通知とクイックアクセスボタンが縦に並んで配置されています。
初期設定ではアクセントカラーがブルーになっていますが、こちらは設定画面から自分ごのみに選択可能。このあたりはWindows Phone 8.1などと大きく変わりありません。
ホーム画面を左方向(右から左)にスワイプするとアプリ一覧が表示。プリインストールアプリはかなり少なめですが、Candy Crushが入っている点にやや驚き。
ソフトウェアは Windows 10 Mobile であることがソフトウェアのバージョン情報画面でも確認できます。
音声アシスタント機能のCortana(コルタナ)は日本での検索にも対応。下の画面では試しに「明日の天気を教えて」と声に出して伝えてみましたが、認識までそれほど大きなタイムラグもなく、しっかり検索結果を表示してくれました。
Windows Phone 用にも一応 AnTuTu Benchmark がリリースされているので、参考までにベンチマークも測定。アプリのバージョンがかなり古くAndroidなどと単純に比較できない気がしたので、とりあえず今回は手元にあったWindows Phone 8.1 搭載の Lumia 830 と比較。プロセッサのスペック(動作周波数、コア数)やメモリ容量が大きく異なることもありますが、数値自体は3倍に迫る結果となりました。
虹彩認証機能
Lumia 950 XL には虹彩認証機能が搭載されており、ディスプレイ左上(写真の赤く光っている箇所)に赤外線カメラが搭載されています。
この虹彩認証機能は端末のロック解除に使用可能。赤外線を用いての認証になるので、メガネ越し、あるいは電気を消した室内でも(若干精度は落ちるものの)画面に触れずに端末のロック解除が可能です。
またこの虹彩認証は対応アプリのロック解除にも使用可能。例えばパスワードの管理アプリとして有名な1Passwordには現在Windows 10 Mobile向けのベータ版アプリ「1Password Beta」がリリースされています(アプリストアからインストール可能)が、その設定画面内には生体認証(biometric)をアプリのロック解除方法として使用するための設定も。
1Password Beta の場合は、1Password Beta 自体が一度起動されRAM上に残っている状態で他の画面を開き、再び1Password Betaに戻ってきた際にマスターパスワードを入力する代わりに虹彩認証が使えるといった設定が可能となっています。指紋認証などと比べると勝手は悪いものの、こういった機能があるだけで煩わしいパスワードの入力回数を減らすことができるのは非常に便利。1Passwordを使っている私としても非常に嬉しく部分です。
カメラ
最後にカメラ。Lumiaシリーズのカメラは比較的きれいに撮影できること、またプリインストールされているカメラアプリで細かい設定ができること、で定評があります。このLumia 950 XLに関しても基本的にそういった点は踏襲されている印象。こちらは初期状態でのカメラUI。
シャッターボタン(画面右のカメラアイコン)を左にスワイプするとホワイトバランス、フォーカス、ISO感度といった項目を一画面でまとめて手動設定することも可能です。
また写真撮影時に補助機能としてあると助かる補助線も複数種類が用意されています。
なおスペック上は2,000万画素の表記とされていますが、静止画を撮影する際の画像サイズは4:3比の1,900万画素が最高となっているようです。
ここからは撮影例をいくつか載せておきます。いずれも撮影した画像データをリサイズしたのみで、それ以外の編集は一切行っていません。なおアプリを追加インストールしていない状態ではHDR(ハイダイナミックレンジ合成)は使用不可となっているため、とりあえずここで紹介するのはすべてHDRオフで撮影したものとなります。
比較的きれいに撮れることで定評のあるLumiaシリーズのカメラですが、それはこのLumia 950 XLでも変わらないといった印象を受けました。もちろんこだわりたい場合は手動で細かい設定を施すことも可能ですが、そういったものを利用せずとも上記のような写真は撮影することが可能です。明るいところでの写真撮影から料理、さらには夜景までかなりきれいに撮れていることがわかります。
ファーストインプレッション総括
端末デザインに関してはじめは Lumia 830 のようにフレームだけでも金属製にして欲しかったという気持ちがあったものの、リアパネルも含めて「ディスプレイとそれ以外の箇所」にて統一が図られている、という意味では使う中でそこまで気にならなくなりました。ただ欲をいえば、Nokia時代のLumiaシリーズのようにせめてもう何色かカラーバリエーション(特にポップな色)があると嬉しかったかな、といったところ。
一方ソフトウェアに関してはWindow Phone 8.1と比較すると基本的なアプリが使いやすくなっている印象があります。今回特にコノ点に関しては触れていませんが、中でも個人的に大きかったのは最新のOfficeを搭載することでOutlookでGmailのアーカイブ機能が使える(スワイプでアーカイブできる)ようになったこと。操作に関しては慣れも大きく影響しますが、こういったよく行なう操作がワンタッチで行えるのか、複数回のタッチや操作を要するのか、で日常使用においてのストレスの感じ方は大きく変わってきます。高性能なカメラも含め、これでようやくWindows Phone のみの1台持ちも試してみる気にもなれる、といった感じです。
なお気になるポイントとなるContinuumに関しては現在Microsoftのディスプレイドック(HD-500)を手配中なので、これが届き次第、複数環境における使い勝手を確認後に改めて紹介できればと思います。