先日Huawei Japanが企画・開催した「Huawei P8 lite/TalkBand B2 ブロガー体験イベント」に参加した際、モニター機として Huawei P8 lite をご提供いただきました。今回はこの Huawei P8 lite の外観レビューおよびファーストインプレッションを整理しておきます。
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記事の目次
技術仕様
はじめに Huawei P8 lite の技術仕様を整理・確認。
項目 | 詳細 |
---|---|
サイズ | 高さ 約 143 ✕ 幅 71 ✕ 厚さ 7.7 mm |
重量 | 約 131 g |
OS | Android 5.0 Lollipop / Emotion UI 3.1 |
CPU | HiSilicon Kirin 620 64bit 1.2GHz Octa-Core |
メモリ | RAM 2GB / ROM 16GB |
バッテリー | 2,200 mAh |
ディスプレイ | 5インチ HD(1,280×720)IPS液晶 |
カメラ | リアカメラ:1,300万画素 フロントカメラ:500万画素 |
通信方式 |
【SIM1(or SIM2)】 【SIM2(or SIM1)】 Wi-fi:802.11 b/g/n |
その他 | SIMカード:micro SIM + nano SIM SDカード:microSDカード(最大32GBまで) |
Huawei P8 lite は日本国内向けとしては2015年6月に発表がされた端末。ブロガー体験イベントの際に担当者からも話があったキャッチコピー「3万円を切るオクタコアスマホ」のとおり、低価格なのに高性能という”コストパフォーマンス”その大きな魅力となっています。
OSはほぼ最新となるAndroid 5.0 Lollipopに独自のカスタマイズを施したユーザーインターフェース「Emotion UI 3.1」を搭載。また同価格帯の他社製端末と比較した際の差別化要素の一つとして、CPUにグループ会社HiSilicon(ハイシリコン)製のKirin 620を搭載している点が挙げられます。
リアカメラが1,300万画素、かつフロントカメラも時流を意識し500万画素という高画素のカメラを搭載。対応している周波数からも分かるとおり、日本国内向けモデルはNTTドコモ(とそのMVNO)の回線で使用することを考えて設計されています。
なおSIMスロットはDualスロットとなっていますが、同時に2枚のSIMカードを挿した場合は片方の通信が必ず2G(GSM)となってしまうため、日本国内において2回線の同時待受をすることはできません。一方でSIM2のスロットはnano SIMとmicroSDカードのスロット機能を兼ねており、microSDを利用する場合に挿せるSIMカードは1枚(micro SIM)のみとなります。
開封および同梱物の確認
こちらが Huawei P8 lite のパッケージ。今回いただいたモニター機の本体カラーはホワイトです。
パッケージのデザインは高級感があり、質感もなかなか。(スペック的には)上位モデルとなる Ascend Mate7 のパッケージにも同様の印象を受けた覚えがあり、このあたりは Huawei ならではの特徴といえそうです。
フタを開けると端末が登場。
端末本体は”刺さった”状態で収められています。
同梱物を並べてみました。端末本体のほか、USBケーブル、充電アダプター、イヤフォン、SIMピン、説明書/保証書類といったところ。
外観
続いて端末の外観を見ていきます。外観での大きな特徴の一つがディスプレイ左右の狭額縁仕様。初見の人が外観だけでこれを「3万円で買えるスマホ」と思う確率はあまり高くないのではないでしょうか。
ディスプレイ上部にはセンサー類や通知ランプ、受話口、フロントカメラを配置。
ナビゲーションキーはディスプレイ上に表示されるため、ディスプレイ下には HUAWEI のロゴのみが配置されています。
側面をぐるりと。上面にはマイクとイヤフォンジャック。フレームは金属製です。
右の側面には上(写真の右)から音量キー、電源キー、SIMカード(兼SDカード)スロットを配置。
2つあるSIMカードスロットは、そのうちのひとつ(上側。写真でいう右側)がmicroSDカードとの兼用仕様になっています。
下面にはスピーカーとMicroUSBコネクタ。
左の側面には特に何もありません。
背面。上位モデルのP8あるいはP8 Maxは1枚の金属から削りだして形成するユニボディー構造となっていますが、このP8 liteに関してはリアパネルなどを貼り合わせる構造に。ただし背面にはヘアライン仕上げの加工が施されており、”外観における高級さへのこだわり”が感じられます。
背面上部には1,300万画素のリアカメラとLEDフラッシュライトを配置。
Honor 6 Plus と比較
同じくHuawei製のハイエンドモデルである Honor 6 Plus と並べてみました。左がP8 lite、右がHonor 6 Plusです。Honor 6 Plusのディスプレイサイズは0.5インチ大きい5.5インチとなっており、P8 liteのほうが一回り小さいといったサイズ感。
厚さの差は0.2mmしかなく、ほとんど変わりません。ただP8 liteはスピーカーが端末下面にあるのに対し、Honor 6 Plusは背面に配置。アコースティックチャンバー構造のスピーカーを搭載している点なども含め、(スタンドなどを使わずに)テーブルに置いて音楽を再生する、といったケースにはP8 liteのほうが向いていそうな気がします。
端末の中身
初期状態での端末の中身もメモしておきます。
ホーム画面
ホーム画面は4ページ。Emotion UIの特徴のひとつが「アプリドロワーの概念がない」ということ。そのため、インストールされたアプリはすべてホーム画面上に並べられます。
アイコンもEmotion UIによって背景が付けられたものになってしまうため、このあたりは人によって好みがわかれるところでしょう。
なおいくつかのアプリはフォルダで整理されていますが、プリインストールアプリの中にミラーや拡大鏡、懐中電灯といったものが含まれている(=あると便利な機能がプリインストールされている)のもHuaweiならではのユーザビリティに対する考え方といえます。
通知領域もEmotion UI独自のデザインになっています。画面上部のタブをタッチすることで「通知」「ショートカット(トグルスイッチ」のページを切り替えることができます。
設定画面
設定画面もEmotion UIによってデザインがカスタマイズされており、画面上部の「一般」「すべて」をタッチすることで表示件数を変更することが可能。モーションコントロール、ナビゲーションバー、ワンハンドUIといったあたりは操作性の向上を考えて追加されている設定項目です。
メモリ(RAM/ROM)の空き容量
P8 liteのメモリ容量はRAMが2GB、ROMが16GB。
初期状態におけるRAMの空きは1.1GB。
ROMの空き容量は約9.7GBとなっています。
ソフトウェアバージョン
OSバージョンはAndroid 5.0 Lollipop。
ベンチマークスコア
端末の性能の目安として、ベンチマークスコアの測定も行ないました。いつもどおり、AnTuTu Benchmark、Geekbench 3、3DMarks(Ice Storm Unlimited)の3つのアプリを用い、それぞれ5回ずつ測定した平均を出しています。
AnTuTu Benchmark
まずはAnTuTu Benchmarkの測定結果。P8 liteに搭載されているCPU(Kirin 620)は64bit対応となっているので、ここでは32bitモード、64bitモードの両方で測定しています。
こちらが32bitモードでの測定結果。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
UX | マルチタスク | 3,414 | 3,393 | 3,410 | 3,425 | 3,409 | 3,410 |
Dalvik | 2,821 | 2,862 | 2,876 | 2,862 | 2,807 | 2,845 | |
CPU | 整数演算 | 3,407 | 3,448 | 3,460 | 3,610 | 3,254 | 3,435 |
浮動小数点演算 | 3,499 | 3,830 | 3,773 | 3,527 | 3,442 | 3,614 | |
Single-thread integer | 1,238 | 1,236 | 1,236 | 1,236 | 1,213 | 1,231 | |
Singe-thread float-point | 1,192 | 1,196 | 1,192 | 1,190 | 1,197 | 1,193 | |
RAM | RAM演算能力 | 3,089 | 3,083 | 2,715 | 2,711 | 3,091 | 2,937 |
RAM速度 | 2,666 | 2,795 | 2,792 | 2,595 | 2,800 | 2,729 | |
GPU | 2Dグラフィックス | 1,656 | 1,656 | 1,655 | 1,656 | 1,656 | 1,655 |
3Dグラフィックス | 8,634 | 8,564 | 8,471 | 8,414 | 8,310 | 8,478 | |
IO | ストレージのI/O | 1,737 | 1,658 | 1,698 | 1,620 | 1,631 | 1,668 |
データベースのI/O | 685 | 685 | 685 | 685 | 680 | 684 | |
TOTALスコア | 34,038 | 34,406 | 33,963 | 33,531 | 33,490 | 33,885 |
そしてこちらが64bitモードでの測定結果。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
UX | マルチタスク | 4,149 | 4,142 | 4,157 | 4,130 | 4,157 | 4,147 |
Dalvik | 2,789 | 2,795 | 2,759 | 2,775 | 2,781 | 2,779 | |
CPU | 整数演算 | 5,767 | 5,473 | 5,156 | 5,419 | 5,149 | 5,392 |
浮動小数点演算 | 4,284 | 4,163 | 4,079 | 4,589 | 4,135 | 4,250 | |
Single-thread integer | 1,209 | 1,210 | 1,210 | 1,208 | 1,209 | 1,209 | |
Singe-thread float-point | 981 | 982 | 981 | 981 | 982 | 981 | |
RAM | RAM演算能力 | 2,274 | 2,024 | 2,116 | 2,012 | 2,031 | 2,091 |
RAM速度 | 1,762 | 1,777 | 1,770 | 1,782 | 1,787 | 1,775 | |
GPU | 2Dグラフィックス | 1,656 | 1,656 | 1,656 | 1,656 | 1,656 | 1,656 |
3Dグラフィックス | 8,518 | 8,449 | 8,521 | 8,522 | 8,527 | 8,507 | |
IO | ストレージのI/O | 1,665 | 1,697 | 1,764 | 1,647 | 1,754 | 1,705 |
データベースのI/O | 690 | 685 | 690 | 690 | 690 | 689 | |
TOTALスコア | 35,744 | 35,053 | 34,859 | 35,411 | 34,858 | 35,185 |
TOTALスコアの平均は34,000前後といった結果に。余談ですが、TOTALスコアでは64bitモードのほうが1,000以上高得点をたたき出しているものの、個々の項目ではスコアが上がっているものもあれば、逆にスコアが下がっているものも見受けられます。このあたり、AnTuTu Benchmark側の仕組みも気になるところです。
Geekbench 3
次はGeekbench 3での測定結果。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Single-Core Score | Total | 590 | 593 | 595 | 594 | 593 | 593 |
Integer | 705 | 717 | 717 | 718 | 720 | 715 | |
Floating Point | 465 | 463 | 468 | 464 | 463 | 464 | |
Memory | 610 | 606 | 609 | 609 | 601 | 607 | |
Multi-Core Score | Total | 2,730 | 2,822 | 2,808 | 2,888 | 2,832 | 2,816 |
Integer | 3,587 | 3,855 | 3,922 | 4,017 | 3,911 | 3,858 | |
Floating Point | 2,796 | 2,758 | 2,653 | 2,760 | 2,725 | 2,738 | |
Memory | 885 | 887 | 890 | 889 | 890 | 888 |
シングルコアでの平均が593、マルチコアでの平均が2,816。シングルコアではNexus7(2013)相当ですが、マルチコアではGalaxy S5と同等の数値を出しており、確かに(本体価格の安さを含めた)コストパフォーマンスはかなり高いといえる内容です。
3DMarks
最後は3DMarksで3Dグラフィックの描写力を中心にチェック。
項目 | 1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|---|
Score | 5,629 | 5,699 | 5,662 | 5,687 | 5,581 | 5,651 |
Graphics Score | 5,212 | 5,205 | 5,189 | 5,197 | 5,202 | 5,201 |
Phiysics Score | 7,822 | 8,529 | 8,318 | 8,488 | 7,492 | 8,129 |
Graphics Test 1 (FPS) |
19.8 | 19.8 | 19.8 | 19.7 | 19.8 | 19.7 |
Graphics Test 2 (FPS) |
26.4 | 26.4 | 26.3 | 26.4 | 26.4 | 26.3 |
Physics Test (FPS) |
24.8 | 27.1 | 26.4 | 26.9 | 23.8 | 25.8 |
Score平均は5,651。スコアとしてはKDDIの2012年秋冬モデルである AQUOS PHONE SERIE SHL21、あるいは ASUS ZenFone 2の下位モデル(ZE550CL)と同等レベルとなっています。通常の処理性能はかなりのものですが、グラフィック描写の激しいゲームなどでは性能の高さはあまり期待できなさそうです。
触ってみて感じたこと
本体自体はイベントの際にまず触っていたのですが、手にとっての第一印象は 軽い&サイズが手頃でよい ということ。
5インチサイズのディスプレイということで、数値だけで見るともう少し大きくてもよさそうなのですが、ディスプレイ左右の狭額縁が効いており、片手持ちでもかなりしっくりくるサイズ感になっています。
併せて4.6インチサイズのXperia Z3 Compactと比較するとサイズは一回り以上大きいのに、重量はわずか2gしか違わないなど、本体の軽さが前述のしっくりさをさらに印象強くしています。解像度も同じHDであることを考えれば、より画面の大きいP8 liteはよりスマートフォンとして活用しやすい端末ともいえる気がします。
また個人的に最近気になるのがカメラ。イベント中にも説明を聞きながら色々と撮影して試してみましたが、セルフィー撮影はかなりコスパの高い(そして便利に、楽しめる)仕上がりのように感じています。一方リアカメラに関しては料理の写真などをいくつか撮影してみて、性能はよいが現状においてはそれなりといった印象。このあたりは改めて紹介する予定です。
ただ本機に関しては「3万円(税抜)を切るオクタコアスマホ」と説明を聞いていたものの、Amazon.co.jpなど実売価格を調べてみると27,000円前後(税込)となっており、この価格と性能を含めて考えれば、まさにコスパの高さが輝く1台といえるでしょう。もちろん用途にもよりますが、SIMフリースマートフォンを初めて使うデビューユーザーにもしっかりとオススメできる製品のひとつ、という印象を受けました。
最後に
以上、外観レビュー、端末の中身およびファーストインプレッションをご紹介しました。次回はリアカメラで撮影した写真について、掘り下げて紹介していきます。
Huawei
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