Huawei Technologies(華為技術/ファーウェイ。以下、Huawei)が2018年3月に発表したライカトリプルカメラ搭載スマホ「P20 Pro」。海外ではすでに発売中であり、私もグローバル仕向けのDual SIMモデル(型番:CLT-L29)」を購入し使っています。
これまで外観デザイン、ソフトウェア、AOD(Always on Display)機能などを紹介してきましたが、今回からは最注目のカメラ機能に焦点を当て、レビューしていきます。
紹介したいポイントが多くあるため、まずこの記事では有効画素数を「1,000万画素」「4,000万画素」に設定した場合での撮り比べをテーマに紹介。
SPONSORED LINK
撮影モード毎に表示項目が変わる
撮り比べた写真を比較していく前に、カメラ機能についてまずざっくり紹介。
カメラアプリの撮影画面は中央にプレビュー(カメラに写っている様子)、左右に撮影設定・撮影モード・シャッターが配置されたUI設計。撮影モードを変更すると表示される内容も変わります。
▼オートモード(写真上)とプロモード(同下)の撮影画面
またカメラアプリの設定画面に表示される項目も「どの撮影モードを選んだ状態で設定画面を開いたか」により、表示される項目が変わります。
▼オートモードで開いた設定画面
▼プロモードで開いた設定画面
解像度やGPSタグのオン/オフなど共通で表示される項目もあれば、そうでない項目もあり。各モードを使う際にはそれぞれで設定画面を開き、どんなことができるのか確認してみるとよいでしょう。
解像度の標準設定は10MP
P20 Proが背面に搭載するメインカメラは、Leica(ライカ)との協業で開発されたトリプルレンズカメラ。それぞれ4,000万画素のカラーカメラ、2,000万画素のモノクロカメラ、800万画素の望遠カラーカメラとなっています。
初期設定の解像度(有効記録画素数)は1,000万画素(10MP)の設定で、4,000万画素で記録するためには設定変更が必要です。
▼4,000万画素で記録する場合は設定を変更する必要あり
解像度を4,000万画素の変更すると、撮影画面から望遠倍率の切り替えボタンが消えます。
▼1,000万画素設定(画像上)と4,000万画素設定(同下)の撮影画面
使い分けとしては、通常は1,000万画素に設定しておき標準撮影と望遠撮影ができる状態に。4,000万画素ので記録したい場合にのみ都度設定を変更する、という方法がオススメです。
10MPと40MPで撮り比べ
1,000万画素設定と4,000万画素設定で写真の仕上がりに大きな差は生まれるのか。もっとも気になるこのポイントを確認するため、撮影シーンや被写体を変えつつ撮影した写真を11枚用意してみました。
掲載する写真はすべて「オートモード」で撮影。写真にはリサイズ加工(サイズの縮小)のみ施しています。2枚並ぶ写真は「1,000万画素設定で撮影」→「4,000万画素設定で撮影」の順なので、ぜひ違いを比べる参考にどうぞ。
▼曇天の日中に撮影した仙台駅西口の風景
▼晴天の日中に撮影した建物
▼曇天の日中に撮影した仙台駅東口の風景
▼晴天の夜間に撮影した仙台駅西口の風景
▼曇天の日中に撮影した蒸気機関車
▼晴天の日中に撮影した公園の遊具
▼晴天の日中に撮影したパンジーの花
▼晴天の日中に撮影したサクラの花
▼晴天に日中に撮影したパンジーの花
▼明るい屋内で撮影したキウイフルーツタルト
▼明るい屋内で撮影したサンドイッチ
見比べてみると「1,000万画素設定」「4,000万画素設定」の違いは写真にもしっかり現れました。
1,000万画素設定で撮影した写真は“パキッとした仕上がり”に。被写体のディテール(輪郭)がよりくっきり視認でき、低画素でも高い対応ISO感度(最大ISO感度は102400)を活かした写真ができあがります。全体的に非常にバランスよくまとまる印象です。
一方で4,000万画素設定で撮影した写真は“ふわっとした仕上がり”。輪郭やディテールを無理に引き出すことなく、明暗の色調をより自然に残した印象です。
違いを強く感じたのは夜景など暗いシーンでの写真撮影。
1,000万画素設定では電光看板の明るさも、闇に沈みがちな窓枠のディテールもよりはっきり視認できるバランスのよさ。
4,000万画素設定では一見、窓枠が闇に溶けてしまったようにも見えます。しかしよく見ると自然なままに、確かにそこにディテールが存在している。そんな繊細さが感じられます。
写真のできあがりの違いを理解した上でもやはり、日常でパシャパシャ撮影するスナップ写真は、全体が手頃にバランスよく記録できる1,000万画素設定で撮影。あとからじっくり見返したいようなシーンは4,000万画素設定に切り替えてしっかり撮る。こんな使い分けがオススメです。
今回紹介した11パターン、全22枚の写真はリサイズ前のデータをFlickrにアップロードしています。PCディスプレイや外部モニターを使って引き伸ばし、細部までチェックしてみたい場合には、ぜひ以下リンク先の写真もチェックしてみてください。
- 1,000万画素設定で撮影した写真はこちら
Huawei P20 Pro (10MP,Auto-AI-mode) | Flickr - 4,000万画素設定で撮影した写真はこちら
Huawei P20 Pro (40MP,Auto-AI-mode) | Flickr
写真の見分けには純正ギャラリーアプリ
今回1,000万画素設定と4,000万画素設定で写真を撮り比べた際、後から「この写真はどのモード・設定で撮影したものだったか」と戸惑う場面がありました(苦笑)
同様にもし後から写真撮影時のカメラ設定を確認したくなった場合には、プリインストールされているHuawei純正のギャラリーアプリを活用してみましょう。
撮影時データを確認したい写真を開いて右上の「インフォマーク」をタップすると、オートモードやマニュアルモード(プロモード)のいずれで撮影したかを問わず、撮影時のカメラ設定が確認できます。
▼右上の「i」マークをタップすると撮影時のカメラ設定が確認できる
▼焦点距離(標準撮影?望遠撮影?)やISO感度、HDRやワイドアパーチャーなどの撮影モードも判別できる
撮影時の設定値や機能オン・オフだけでなく、ヒストグラムが表示されるあたりに“カメラスマホ”としてこだわりも感じることができます。
まとめ
“ただLeicaトリプルカメラを搭載したスマホ”というだけでなく、仕様・機能として「4,000万画素のイメージセンサー」「最大ISO感度がISO102400」などスマホカメラとしては驚くような要素もたくさん詰まったP20 Pro。
カメラの記録有効画素数が初期設定で「1,000万画素」設定であったことから今回はまず撮り比べからレビューしてみましたが、あらためて「1,000万画素設定」「4,000万画素設定」で異なる仕上がりになることが確認できました。
またとくに印象的だったのは、異なる仕上がりになる1,000万画素設定と4,000万画素設定のいずれで撮影した写真も、現行の他社製品から頭3つくらい飛び抜けたレベルの高さにあると感じられたこと。
今後の国内発売も期待したいP20 Proですのが、ぜひどこかのタイミングで一度入手し、進化したLeicaカメラの魅力を味わってみてください。