Samsung Electronics(以下、Samsung)の2017年におけるフラグシップスマートフォン「Galaxy S8+」。従来機種より高評価となるメインカメラは今作も健在で、撮影シーンを問わず高いクオリティの写真が残せます。
中でも大きな魅力のひとつが食べ物を美味しそうな「飯テロ写真」として記録できる食事モード。ただし初期設定のままで使うと撮影シーンや構図によっては不要なボケが生まれてしまうことも。
そこでこの記事ではSamsung Galaxy S8/Galaxy S8+のメインカメラ・食事モードで使える「ラジアルブラー効果」について解説します。この効果を理解して、撮影シーンや構図を問わず“飯テロ写真”を楽しみましょう!
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標準ではフォーカスポイントを中心にボケる
食べ物はオートモードでも十分おいしそうに撮影できるGalaxy S8シリーズのメインカメラ。これを“より飯テロな写真”に仕上げられる機能として、別に食事モードも用意されています。色味を全体的に暖色寄りにすることで、食欲をそそる見た目に仕上げる撮影モードですね。
▼オートモードで撮影
▼食事モードで撮影
ただしこの食事モード、標準設定だけで使っていると少し困る場面も。
例えば上の2枚の写真はいずれもトーストの上に乗ったバターがフォーカスポイント(フォーカス位置)となっていますが、食事モードではそこを中心として外側にいくほどボケが生まれていることがわかります。とくに傾向が顕著に見て取れるのは左側のレタスで、ディテールがぼんやりとなっていますね。
お皿を正面から撮影している(=どの食べ物もカメラとの距離は同じ)のに、場所によってボケが生まれていることは、冷静に考えると不自然でもあります。
ラジアルブラー効果を切り替える
そこで食事モード使用によるボケを抑えたい!という場合は、標準では有効(ON)に設定されている「ラジアルブラー効果」を無効(OFF)にして撮影してみましょう。
設定変更自体はカメラ起動中のプレビュー画面から簡単におこなえます。
▼食事モードにしたら画面端の水滴マークをタップ
▼メッセージとともに水滴マークに取消線が入る
標準では有効に設定されているこのラジアルブラー効果、名前のとおり「フォーカスポイントを中心としてその周囲を放射状にボケさせる」ものです。同じ撮影距離でありながらボケが発生していた原因はまさに、ラジアルブラー効果が有効になっていたからというわけ。
食事モード(ラジアルブラーOFF)で撮影した写真を見てみましょう。
▼食事モード(ラジアルブラーOFF)で撮影
食事モード(ラジアルブラーON)と食事モード(ラジアルブラーOFF)それぞれで撮影した写真もあらためて並べておきます。
▼ラジアルブラーON(上)とラジアルブラーOFF(下)
ラジアルブラー効果を無効にすれば、色味は食事モードのままで、レタスやベーコンエッグもボカさず、はっきりとディテールをとらえて記録できます。
ここではあわせて、オートモードと食事モード(ラジアルブラーOFF)それぞれで撮影した写真の比較も載せておきます。
▼オートモード(上)と食事モード・ラジアルブラーON(下)
この2枚で比べてみても、食事モード(ラジアルブラーOFF)で撮影した写真では、ディテールを損なうことなく、色味だけ暖色寄りに仕上げられていることがはっきりわかりますね。
奥行きを活かす写真ではボケ具合の調整にも
ラジアルブラー効果の切り替えがもっとも効果を発揮するのは、同じ距離にある複数の被写体(食べ物)をすべてはっきり記録したい場合。逆にいえば奥行きを利用して周囲をボカし、メインの被写体の存在を強調したい場合はラジアルブラーONでの撮影が有効です。
とはいえGalaxy S8シリーズのメインカメラが採用しているレンズはf/1.7と明るいもの。実はラジアルブラーを無効にしても、前後は意外としっかり(そしてキレイに)ボケてくれます。
ですのでもし奥行きを利用した写真を撮影する際にもフォーカスポイント前後のボケ味が強すぎると感じれば、ラジアルブラーを無効にすることはボケ具合の調節として有効な方法になりますよ。
▼食事モード(ラジアルブラーON)で撮影
▼食事モード(ラジアルブラーOFF)で撮影
上の2枚の写真はいずれも手前のレタス(赤いパプリカの左下あたり)がフォーカスポイントになっています。いずれも後方のトーストやハムエッグは自然にボケていますが、1枚目(ラジアルブラーON)の写真ではレタスも手前側がややボケていることがわかりますね。
さいごに
基本的に扱いやすく、高い性能かつバランスのよさを感じて使えるGalaxy S8シリーズのメインカメラ。ただし食事モードにおいては初期設定そのままに使っていると、シーンや構図によって不自然なボケが生まれてしまいます。
そこで今回紹介したラジアルブラー効果の切り替えの出番となるわけですね。
切り替えボタンは、端末を横向きに持ち、両手でカメラを構えると意外と視界に飛び込みにくい場所に配置されています。そのため存在自体に気が付いていない方も意外と多いのではないでしょうか(つい先日まで私もそのひとりでした)。
ラジアルブラー効果の使い分けができるだけで、より様々なシーン・構図で飯テロ写真が楽しみやすくなります。ぜひチェックして、飯テロ写真を量産しちゃいましょう!