NFCを利用してスマートフォンと接続し、アプリ起動のショートカットなどの機能を追加できる物理ボタン型アクセサリー DIMPLE.IO 。ずいぶん前にクラウドファンディングサービス INDIEGOGO を通じて支援(注文)しており、現在実際にXperia Z3に装着して1ヶ月程度使用しているので、外観や設定できる内容、実際の使い心地などを簡単に整理しておきます。
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そもそも支援をしたのが2014年5月。受け取ったのが2015年9月頃だったと記憶しています。この手のクラウドファンディングサービスより支援できるガジェットは配送予定が当初予定より大きくズレる(というかほぼ未定では?と思うほどに延びる)ことも多く、そういった意味ではまだ手元に届いただけマシかな、というのが正直なところ。届いたパッケージには「誤送の場合はこちら(ラトビア)まで返送して下さい」などと記載されていました。
支援プランも複数用意されており、支援額によって入手できるモデル(ボタンが4つ乗ったモデル、2つ乗ったモデルがある)や数量が異なります。今回私が入手したのはボタン4つのモデルが1つ、ボタン2つのモデルが2つ。カラーは全9色(グレー/オレンジ/ブルー/ブラック/レッド/グリーン/ホワイト/パープル/イエロー)から自由に選択可能で、今回はすべて違うものにしてみました。
外観
パッケージから取り出したところ。想像ではシリコン系の比較的柔らかさのある素材が用いられており、エアパッキンを触るような感覚かと(勝手に)思っていましたが、実際に届いた本体の質感はプラスチックに近いようなより硬さのあるもの。一応いずれのモデルも上に DIMPLE.IO と文字がデザインされています。
緑色はなんだか枝豆みたいですね。
本体の厚さも想像以上に薄いです。全体的な厚みは1mm程度、ボタンの頭頂部までを含めても2mm弱といったところでしょう。
端末への取付方法もシンプルで、両面テープで貼り付けるだけ。ジェルパッドなどだと使ううちに粘着性の低下、あるいはそもそも劣化によって使えなくなってしまう可能性もありますが、両面テープであれば使いきりではあるものの、貼り直しする場合は自分で両面テープを貼り直すだけでOK。DIMPLE.IO自体は200万回の操作(ボタンのプッシュ)が可能なようにできており、この寿命を考えるとこの両面テープ方式のほうが理にかなっており、よいと思います。
ボタンが4つ乗ったタイプをXperia Z3のリアパネル上部に貼り付けた様子。これだけボタンが並んでいる(横長)だとフロントパネル側に貼り付けることは難しかったので、手で持った際に指先が届く(であろう)場所に貼ってみました。両面テープは一般的に市販されているものと同様で粘着力は十分。夏場に車のダッシュボードに置いておくなどしない限り、普通に使っていて剥がれてきてしまうといったことはほとんどないでしょう。
設定
DIMPLE.IOの設定(接続と各ボタンへの機能の割当)手順はパッケージ裏面にも記載されていますが、基本的には「専用アプリをスマホにインストールする→スマホのNFCをONにする→NFCでDIMPLE.IOを認識させる→専用アプリで各ボタンに機能を割り当てる」といった流れになります。
専用アプリはGoogle Playで【DIMPLE.IO】で検索すれば簡単に見つかります。こちらはアプリ初回起動時の画面。設定方法はこの画面上でもチュートリアル形式で表示されます。
スマホのNFCをONにした状態で、使用する(接続する)DIMPLE.IOをNFCタグに近づけます。あとは画面の指示にしたがって進めていくだけ。
接続が終わるとこの専用アプリのメイン画面が表示されます。ここからは各ボタンに機能を割り当てていきます。最初に機能を割り当てたいボタンを押します。
すると現在そのボタンに割り当ててある機能がリスト表示されます(下の画像は何もまだ割当されていない場合の表示です)。ここで【Add】を選択します。
すると何を割り当てるか?の選択画面に遷移します。DIMPLE.IOに割り当てられるのは「指定したアプリを起動する」「設定を変更する」「指定したURLを開く」「リアカメラのLEDフラッシュライトを点灯させる」「指定した電話番号へ通話を発信する」「再生や一時停止といったマルチメディアの操作に使う」「写真を撮影する」などといった感じ。なお現状においてボタンを押した際にこれらの機能を動かすことができるのは端末のロックが解除されている場合のみ。スリープ時やロック時にボタンを機能させる場合には端末のroot化が必要です。
こちらはアプリの指定画面。
設定変更の機能は現時点では「Wi-Fi」「Bluetooth」「画面の回転」の3つから選ぶことになります。
またアクションは「ONにする」「OFFにする」「トグル(押す毎にON/OFFを切り替える)」の3つ。
「指定したURLを開く」機能を割り当てる際は、URLを直接入力して指定します。
マルチメディアの操作機能の割当。
なお設定画面で上に表示されているパーセント表示は、そのボタンに割り当てられる容量を表しています。この容量が100%を超えなければ、2つ以上の機能を1つのボタンに割り当てることも可能。
ただしこれは短押しと長押しで起動する内容を使い分けるといったことができるわけではなく、あくまでボタンを押した際に設定した複数の機能が同時に起動されるだけ。
複数のアプリを起動することによるメリットはあまり考えづらく、例えば「画面のローテーションONとYoutubeアプリを組み合わせる(動画を見る際に画面も横方向に傾ける)」「Bluetoothのトグルと音楽再生アプリを組み合わせる(Bluetoothのイヤフォン・ヘッドフォンを使って音楽を聴く)」といったような使い方が最も現実的ではないでしょうか。(※記事末に追記あり)
使い勝手
まず実際に使ってみると、設定した機能を呼び出すためには少し長めにボタンを押す必要があります。感覚的には「ポチっ」というより「ポチー」といった感じ。ボタンを押したことがきちんと認識されるとペアリングしたスマホが振動する仕組みとなっており、この ”気持ち長めに押す” といったことをきちんと意識すれば不具合などは特に感じません。
またボタンの材質が硬いことで、今回の私のように端末の背面に貼って片手持ちで押すといったことはやややりづらい印象。人差し指〜小指までではなく、親指で押せるフロントパネル側に貼り付けるほうがより片手での操作はしやすいといえるでしょう。
ただこの硬さが悪いことばかりかといえばそうでもなく、ボタンが硬いことでポケットなどに入れた際の誤動作(意図せずボタンが押されてしまうこと)はかなり起きづらくなっています(少なくとも1ヶ月使って一度もそういったケースはなし)。
こういった外付けのボタンを設けれるアクセサリーとしては他にPRESSYなどが比較的有名ですが、スマホに有線でイヤフォンなどを接続して使う機会も多い、という方にとっては間違いなくこのDIMPLE.IOのほうが使いやすい(面倒でない)といえるでしょう。
個人的にはこれから購入してみようと考えている人には使い勝手の面から2つのボタンを搭載したモデルを選ぶことを断然オススメします。フロントパネルに貼る場合は4つボタンのモデルを貼り付ける空きスペースがないことがほとんどで、またリアパネルに貼る場合もボタンが4つもあると現在自分がどのボタンに触れているのか指ざわりだけでパッと認識するのはほぼ不可能。結果的にリアパネル側を目視で確認するという意味のない行為が必要となる可能性がとても高いです。
最後に
2015年11月16日時点においては、日本向けのAmazon.co.jp、あるいは海外のAmazonを探してみてもマーケットプレイスでの取り扱いなどは見当たらないため、購入する場合はDIMPLE.IOの公式サイトから注文することになります。特定の機能だけよく使う人にとっては便利に使える可能性が十分にあるアクセサリーだけに、気になった場合は注文してみる価値も充分ある製品といえるでしょう。
追記:2015年11月20日
一つのボタンに複数アプリをまとめて登録した際の挙動に関して、設定画面で ”THIS IS A POPUP WINDOW” の項目にチェックを入れることで、同時起動ではなく、ボタンを押したようにアプリランチャー(登録したアプリから起動するものを選択)として使うことができることを確認しました。
こういったランチャー機能はアプリ(ソフトウェアボタンなど)でも追加できるため、人によって便利と思うかそうでもないかは分かれそうですが、少なくともDIMPLE.IO自体の使用の幅は広がりそうですね。