「HTC One M9+」のベンチマークスコアを測定していたところ、当初想定とは大きく異なる、非常に興味深い結果となりました。検証も含めて通常よりも詳しく確認してみたので、そのあたりを整理しておくことにします。
記事の目次
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プロセッサの種類と発熱
「HTC One M9」ではQualcomm製のSnapdragon 810を搭載していましたが、「HTC One M9+」はこれがMediaTek製のhelio X10(MT6795)に変更となっています。
Snapdragon 810と言えば高負荷を掛けた際の発熱問題が注目されていましたが、helio X10に関してもそこそこ発熱はします。下はアプリをまとめてインストールした際の端末温度ですが、それなりに上がっていることが分かります。ただし手で持てないレベルまではいきませんでした。
ベンチマークスコア
それではここから実際にベンチマークスコアを測定した結果を紹介していきます。
AnTuTu Benchmark
はじめはAnTuTu Benchmarkにて測定。「HTC One M9+」に採用されているMediaTek helio X10も64bitでの処理に対応しているため、測定結果は64bitモードと32bitモードの2つを載せておきます。
64bitモードで37,815、32bitモードで34,976と予想よりもかなり低い結果となりました。ひと世代前のフラッグシップモデル相当(あるいはそれ以下)ということで一瞬目を疑ったのですが、なんど測定してみても結果は変わらず。ネット上で少し調べてみたところ、端末発表前のベンチマークスコアのリーク画像が見つかったのですが、それと非常に似た数値となっています。
HTC One (M9) Plus specs revealed by AnTuTu – GSMArena.com news
「HTC One M9+」ではディスプレイの解像度がWQHD(2K)になっているため、それの影響でスコアが低いという可能性は考えられますが、例えばNexus6などもディスプレイの解像度は同じくWQHD。Nexus6のベンチマークスコアがこれよりもかなり良いことを考えると、仕様や性能の差であるのか?とも考えられる結果に。
Geekbench 3
次はGeekbench 3。
こちらではシングルコア、マルチコアのいずれにおいても一世代の前のフラッグシップモデルよりは良い結果となっていますが、やはりHTC One M9などと比較するとやや性能不足な印象を受けます。
3DMarks
続いては3DMark。
ベンチマークスコアは10,901とかなり低い結果に。こちらも参考までにHTC One M9のスコアを出すと22,713となっていますので、約半分という内容になっています。同じスコアの端末を探してみるとNexus4などが出てくることからも、スコアの低さが分かります。
Quadrant
最後はQuadrant。正直これの結果に一番驚きました。
スコアが4,609で、HTC One Xとほぼ同じという結果に。さすがにここまでくるとベンチマーク測定アプリ自体が正常に動作していない可能性も考えれます。ちなみにこちらも参考までにHTC One M9のスコアを出しておくと31,554となっています。
CPUの動作状況
ベンチマークスコアを測定する中でさすがに違和感を覚えたので、ベンチマークスコア測定中のプロセッサの動作状況を観察してみることにしました。ベンチマークスコアの測定にはGeekbench 3を、プロセッサの動作状況観察にはCPU-Zを用いています。
こちらがベンチマークスコア測定中のプロセッサの動作状況を実際に観察した様子。
動画を確認すると分かる通り、オクタコア構成であるにも関わらず、4つ以上のコアが動いているのはごく稀な状態で、基本的には2〜3コアのみが稼働していることが分かります。
ちなみにこちらは同じくオクタコア構成のHTC One M9にて、同様にプロセッサの動作状況を観察した様子。プロセッサの挙動が全く異なることが分かると思います。
「HTC One M9+」に搭載されたCPUがこういう動作をするように設定されているのか、MediaTek helio X10の設計がこうなっているのか、はたまた私の入手した個体だけたまたまこういった動作になのか(あるいは偽物?)。現時点では判断要素が少ないためもう少し情報収集と確認作業が必要となりそうですが、非常に興味深い結果となりました。
最後に
実際に操作していての動作は実使用においては問題ないレベルではあるものの、期待とは少し異なるスコア、そして挙動をすることが分かりました。このあたりはまた実際に使用しつつ、詳しく確認していければと思います。
GTO CO.,LTD.
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