前回Nexus4/Nexus7(2013)をAndroid4.4.2へ手動アップデートしようとしたのですが、カスタムリカバリーでの書き込みの時点でエラーが出て、アップデートをすることが出来ませんでした。
少し考えた上でその理由として思いついたのが「既にrootを取得していること」と「カスタムリカバリーのバージョンが古いこと」の2点でした。
そこで一度端末をファクトリーリセット(出荷時の状態への初期化)し、また最新版のカスタムリカバリーを導入することで手動アップデートを完了することができないか再度挑戦してみました。
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作業の流れ
今回は端末をファクトリーリセットしてから手動アップデートを試みますので、作業全体の流れとしては以下の通りになります。
- 端末内のアプリ・データのバックアップを取る
- 端末をファクトリーリセットする
- カスタムリカバリーを導入する
- 端末を手動アップデートする
端末内のアプリ・データのバックアップを取る
まず一番始めに行なうのは現在端末内に残っているアプリやデータのバックアップを取ることです。
ファクトリーリセット(工場からの出荷時の状態への初期化)を行なうと、文字通り端末の中身が初期化されてしまい、全てのデータが消えてしまいます。そのためファクトリーリセットを行なう前に、アプリやデータをパソコンやクラウドストレージに バックアップする必要があります。
こちらの方法については、有線で端末とパソコンを接続してデータをコピーしても良いですし、Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージを用いても構いません。ただアプリのバックアップについては、Titanium Backup(※要root取得)が最良のアプリ かと思います。
私はDropboxとTitanium Backupを活用してバックアップを行ないました。 私がこの2つのアプリを使用する理由は過去の記事に書いたことがありますので、もし気になる方がおられましたらそちらを参照ください。
端末をファクトリーリセットする
バックアップを無事取り終えたら、次は端末のファクトリーリセットを行ないます(一部細かい手順はここでは省略します)。
まずはブートローダーを立ち上げ、その状態でパソコンと端末をUSBケーブルで接続します。
次にNexusのサイトからダウンロードしたファクトリーイメージをパソコン側で解凍し、中に入っている「flash-all.bat」を探し、これを実行します。するとしばらく処理に時間を要した後、端末が再起動されます。
端末を初期化していますので、端末が立ち上がった後には初期設定の画面が表示されます。
ここで一通りの設定が終わると、ホーム画面が表示されます。
端末情報でAndroidのバージョンを確認してみると、無事Android4.4 KitKat(ビルド番号:KRT16S)となっていました。
カスタムリカバリーを導入する
ファクトリーリセットが完了したら、次は手動アップデートを行なうにあたって必要となるカスタムリカバリーを導入します。
まずは端末で再びブートローダーを起動し、USBケーブルでパソコンと接続します。
次にカスタムリカバリーのイメージファイルを入手します。
私はカスタムリカバリーはTWRPを使用していますので、まずはこちらの最新版を入手します。Nexus4/Nexus7(2013)LTEぞれぞれ用のTWRPはこちらよりダウンロードすることが可能です。
なおダウンロードする際は、最新版(バージョン番号の一番新しいもの)を選ぶようにしましょう。
TWRPのファイルをダウンロードしたら、そのファイルをパソコンのAndroid SDK内にある「platform-tools」にコピーします。もし「Android SDK」のことがよくわからない場合は、まずはそちらを調べるようにしてください。ちなみに私はよくusagisaigonさんの「サイゴンのうさぎ」を参考にさせていただいております。
コピーをしたら、そのフォルダでパソコンのshiftキーを押しながらマウスで右クリックをして表示される「コマンドウィンドウをここで開く」をクリックします。
そして立ち上がったコマンドプロンプトから次のコマンドを入力します。
fastboot flash recovery ”TWRPのファイル名”
今回はNexus4で作業を行なっていますので、Nexus4用の最新版のTWRPのファイル名を当てはめて「fastboot flash recovery openrecovery-twrp-2.6.3.3-mako.img」と入力します。
その後、端末のボリュームダウン(アップでも可)ボタンを数回押して「Recovery mode」を表示したら、電源ボタンを押してリカバリーモードを起動します。
カスタムリカバリーの導入がうまくいっていれば、ここでカスタムリカバリーが立ち上がります。
カスタムリカバリーが導入されていることを確認できたら、「Reboot」→「System」と選択して端末を再起動します。
なおこの際、rootの取得に必要となる「SuperSU」をインストールするかの確認メッセージが出てきますが、今導入しても、この後の手動アップデートを行なうことでまたすぐにrootが外れてしまいますので、ここは「Do not Install」を選びます。
端末を手動アップデートする
いよいよ端末の手動アップデートを行なっていきます。なおここからの手順は前回の記事同様です。
手動アップデート用のイメージファイルを端末内にコピーした後、リカバリーモードを再度立ち上げます。
TWRPが立ち上がったら「Install」をタップします。
そして端末内にコピーした手動アップデート用のイメージファイルを選択します。
「Swipe to Confirm Flash」を左から右へスワイプします。
今回こそ・・・。
アップデートファイルの導入が始まったようですので、このまま少し待ちます。
無事「Successful」の文字が表示されました。これでアップデート完了です。
端末を再度立ち上げて、端末情報からOSバージョンとビルド番号を確認してみると、きちんとAndroid4.4.2(ビルド番号:KOT49H)に変わっていました。
これで作業は完了です。
ちなみにNexus7(2013)LTEについても、同様の手順で無事Android4.4.2へ手動アップデートすることができました。
最後に
前回アップデートが出来なかった理由はどうやら私が考えついたもので間違いなかったようです。とりあえず無事手動でのアップデートを行なうことが出来て、満足しました。
ちなみに手動でアップデートを行なう場合はブートローダーのunlockや、Android SDKの導入が必要となりますので、これらがよくわからない場合はOTAが降ってくるのを待った方が良いと思います。